事業内容
ヒロセ電機は1937年創業のコネクタ専業メーカーで、多極コネクタ・同軸コネクタを中心に電子部品の製造販売を行う。スマートフォン・タブレット等の民生用機器、産業用計測・FA・医療機器、カーエレクトロニクスの3市場を主要顧客層とし、国内製造子会社(東北・郡山・一関ヒロセ電機等)と海外製造拠点(台湾・中国・マレーシア・インドネシア・韓国)、米国・欧州・アジア各地の販売子会社を含む計21社体制でグローバルに事業を展開する。
2026年3月期の売上収益は211,264百万円。
ビジネスモデル
自社技術による高付加価値コネクタを開発し、国内外の自社製造拠点で生産、グローバル販売子会社を通じて直接顧客に販売する垂直統合モデルを採る。研究開発費9,433百万円(固定資産計上分含む合計13,461百万円)を投じた継続的な製品開発と、設備投資21,531百万円による生産能力拡充が収益基盤を支え、2026年3月期の営業利益率は20.4%を維持している。
企業の強み
2026年3月期の営業利益率は20.4%。2022年3月期以降も概ね20%前後の高水準を維持しており、多品種・高付加価値製品への集中と垂直統合型の製造体制がコスト競争力を支えている。同軸コネクタセグメントは32.0%の高利益率を記録し、全体収益性を底上げしている。
製造拠点を国内(東北・郡山・一関等)および台湾・中国・マレーシア・インドネシア・韓国に展開し、販売拠点を米国・欧州・シンガポール・中国・インド・マレーシア等に配置。1980年の米国法人設立以来40年超にわたり構築したグローバルネットワークは競合が短期間で模倣困難な固有資産である。
2026年3月期末の親会社所有者帰属持分比率は87.7%、現金及び現金同等物は87,335百万円。無借金経営に近い財務体質を維持しており、設備投資・M&A・株主還元を手許資金で賄える資金余力を有する。2025〜2028年度に600億円を上限とした自己株式取得方針も決定済みである。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2024年3月期の165,509百万円を底に2期連続増収となり、2026年3月期は211,264百万円と過去5期で最高水準を更新した。一方、営業利益は42,995百万円と2023年3月期の46,751百万円を依然下回り、営業利益率は2023年3月期の25.5%から2026年3月期の20.4%へ低下傾向が続いている。
外部要因として原材料価格(金・銅)の高騰が売上原価率を押し上げており、産業用機器・AI関連需要という追い風が増収を牽引する一方でコスト圧力が利益率を圧迫する構図となっている。2027年3月期は売上収益230,000百万円・営業利益46,000百万円(営業利益率20.0%)を予想しており、利益率の底打ちが焦点となる。
成長戦略
産機・自動車・通信の3本柱強化とヒロセSER事業拡大による高収益成長
計測・制御機器・FA機器・医療機器等の幅広い用途・地域での受注拡大を推進。2026年3月期は産業用機器向けが好調で多極コネクタ・同軸コネクタ双方の増収に貢献。2027年3月期も引き続き成長の中核と位置付けている。
カーエレクトロニクス向けコネクタの新規案件獲得と量産立ち上げを継続推進。2026年3月期は新案件の生産立ち上がりが着実に寄与し、2027年3月期も堅調推移を見込む。
AI関連投資の活発化を背景とした無線通信装置・電子計測器向け需要を取り込み、同軸コネクタセグメントの高成長を維持する。2026年3月期は売上収益前期比34.2%増・営業利益73.9%増を達成。
2025年7月に連結子会社化した旧エス・イー・アールを新たな成長ドライバーとして育成。2026年3月期のその他セグメント売上収益は7,112百万円(前期比45.0%増)・営業利益352百万円(前期は損失)へ転換。2027年3月期もさらなる事業拡大を見込む。
DOE(株主資本配当率)5%を目標とする株主還元方針のもと、2026年3月期年間配当505円(配当性向50.9%)を実施。2025年度から2028年度で600億円を上限とする自己株式取得方針を公表し、2026年3月期に20,351百万円の自己株式取得を実行。
最終更新: 2026年7月19日

