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ティアック株式会社

6803東証スタンダード電気機器

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ティアック株式会社6803

事業内容

ティアック株式会社は1953年創業の東証スタンダード上場企業。ESOTERIC・TEAC・TASCAMの3ブランドを擁する音響機器事業(売上収益11,069百万円)と、計測・医療・移動体向けの情報機器事業(売上収益4,013百万円)を両輪とする。

音響機器ではプレミアムオーディオから業務用録音機器まで幅広い価格帯をカバーし、情報機器では手術画像記録用4Kレコーダーや半導体製造装置向けセンサー・アンプ等のニッチ領域に特化。国内外9社のグループ体制で開発・製造・販売を一貫して担い、米国・欧州・中国を主要海外市場とする。

ビジネスモデル

音響機器事業ではTASCAMブランドのBtoB提案営業(放送・設備向け)と、ESOTERICブランドの高価格帯製品による高マージン収益を組み合わせる。情報機器事業では計測・医療・移動体の各ニッチ市場向けに独自技術を組み込んだ製品を提供し、ソリューションビジネス(保守・サーバー出荷)で安定収益を補完する。

研究開発費1,244百万円を投じ、自社開発製品を国内外の生産拠点で製造・販売する垂直統合型モデルを採用。

企業の強み

ESOTERIC(ハイエンドオーディオ)・TEAC(中高級オーディオ)・TASCAM(業務用録音機器)の3ブランドが異なる価格帯・顧客層を担い、音響機器事業全体で売上収益11,069百万円・セグメント営業利益1,484百万円(営業利益率13.4%)を実現。単一ブランドに依存しない収益分散構造を持つ。

計測・医療・移動体の各分野で独自技術を組み込んだ製品を展開。手術画像記録用4Kレコーダー(UR-NEXT4K)の海外拡販が大きく進展し、医用画像記録再生機器は前期比増収を達成。ソリューションビジネス(医用向けサーバー・ネットワークインフラ保守)も安定的に好調を維持している。

当連結会計年度において開発人員92名・研究開発費1,244百万円を投入。音響機器事業では959百万円、情報機器事業では285百万円を配分し、ESOTERICブランドのGrandioso N1、TASCAMブランドのデジタルミキサーSonicview 16dp/24dp、医用録再機MV-5等の新製品を継続的に市場投入している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益676百万円(前期比98.8%増)のうち、個別開示項目として連結孫会社の解散・清算に伴う利益263百万円が計上されている。これを除いた個別開示項目前営業利益は413百万円(前期340百万円)にとどまり、実質的な事業収益力の改善幅は限定的。

2027年3月期予想の営業利益500百万円(前期比26.0%減)は一過性利益の剥落を反映しており、経常的な収益力の評価には個別開示項目の動向を継続的に注視する必要がある。

情報機器事業のセグメント営業損益は前期の209百万円の利益から3百万円の損失へと急転落。データレコーダーのリースレンタル業界向け導入の伸び悩みと、機内エンターテインメント機器の海外向け大口案件先送りが主因。

一方、医用画像記録再生機器とソリューションビジネスは好調を維持しており、事業内の収益格差が拡大している。2027年3月期に向けてデータレコーダー新製品の案件開拓進展と機内エンタメ案件の回収が実現するかが情報機器セグメントの収益回復を左右する。

2026年5月に策定した「S-10計画」(2029年3月期最終年度)は資本効率重視フェーズへの本格移行を掲げ、配当性向20%以上への段階的引き上げ方針も示した点は株主還元の観点から評価できる。一方、2026年3月期においてTASCAMブランドBtoC事業が米国通商政策対応に伴う生産計画変更・出荷制限で供給制約を受けており、外部要因として米国関税政策の動向が引き続き音響機器事業の収益に影響を与えるリスクが残存する。

2027年3月期予想は売上収益16,000百万円(前期比0.4%増)と慎重な見通しを示している。

成長戦略

「S-10計画」のもと資本効率重視と成長中核カテゴリーへの集中投資で企業価値向上を目指す

2029年3月期を最終年度とする「S-10計画」を2026年5月に策定。資本効率を意識した事業ポートフォリオの最適化と成長中核カテゴリーへの重点投資を推進。自己資本比率25%超を目安とした配当実施と配当性向20%以上への段階的引き上げを方針として明示。

業務用デジタルミキサーを軸に周辺機器のラインナップを拡充し、放送・設備向け製品の提案営業を強化。2026年3月期は設備機器の安定需要と提案営業強化により録音再生機および周辺機器の販売が堅調に推移し、音響機器事業全体の売上を牽引した。

ハイエンドオーディオ市場において高音質・高付加価値製品展開を推進し、ブランド価値向上を通じた海外市場の開拓を継続。2026年3月期はネットワークプレーヤーカテゴリーの新製品が前年を大幅上回る販売を記録。一方、SACDプレーヤーはストリーミングオーディオ人気の影響で前年実績を下回った。

手術画像記録用4Kレコーダーの海外拡販と医用向けサーバー・ネットワークインフラ保守サービスの継続成長を推進。2026年3月期は4Kレコーダーの海外拡販が大きく進展し前期比増収を達成。ソリューションビジネスも好調に推移したが、データレコーダーと機内エンタメの低調がセグメント全体を損失に押し込んだ。

最終更新: 2026年7月19日