事業内容
株式会社ヨコオは1922年創業の電子部品メーカーで、車載用アンテナ(VCCS)、半導体検査用ソケット・プローブカード(CTC)、電子機器用微細コネクタ・医療機器部品(FC・MD)、MaaS/IoT向けソリューション(インキュベーションセンター)の4事業を展開する。国内製造子会社3社・海外製造子会社6社・海外販売子会社12社を含む連結子会社23社・関連会社2社で構成され、自動車・半導体・携帯端末・医療機器市場をグローバルに顧客基盤とする。
2026年3月期の連結売上高は90,090百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
親会社が原材料・部品を国内外製造子会社に供給し、完成品を仕入れて顧客に販売する製販一体モデルを基本とする。VCCSが安定キャッシュを創出し、CTCおよびMD事業への積極投資を支える事業ポートフォリオ構造を採用。
アンテナ・マイクロウェーブ・表面改質材料・微細精密加工・MEMS等の基盤技術を複数市場に横展開することで収益源を多様化している。
企業の強み
CTCセグメントは2026年3月期に売上高19,610百万円(前期比+25.6%)、営業利益2,931百万円(前期比+98.1%)、営業利益率14.9%を達成。生成AI・データセンター向け半導体検査需要の拡大を背景に、後工程検査用ソケットの大幅受注増と製品ミックス改善が同時に実現した。
受注残高も前期比+47.4%と先行指標も良好である。
VCCSセグメントはToyota Motor North America, Inc.向けに13,476百万円(売上高比15.0%)を計上するなど、グローバル大手自動車メーカーとの長期取引関係を有する。2026年3月期のVCCS売上高は56,096百万円と全社売上の約62%を占め、安定収益基盤として機能している。
アンテナ・半導体応用・マイクロウェーブ・表面改質材料・微細精密加工・フォトリソ(MEMS)の6技術を保有し、2026年3月期の研究開発費は5,731百万円。CTC向けMEMSプローブカード(YPX)の販売伸長や、MD事業での第一種医療機器製造販売業許可取得など、技術の事業化実績が積み上がっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期66,848百万円→2025期82,884百万円→2026期90,090百万円と拡大基調が続き、2026期は過去最高を更新した。営業利益は2024期に1,617百万円まで落ち込んだ後、2025期4,226百万円・2026期5,016百万円と回復傾向にある。
2026期の増益はCTCセグメントの大幅増益(前期比+98.1%)が主因で、生成AI関連半導体検査需要という外部環境の追い風が業績を押し上げた。一方、VCCSは米国関税・労務費上昇、FC・MDは原材料コスト増により減益となっており、全社的な収益構造の底上げが課題として残る。
成長戦略
VCCS安定収益を基盤にCTC・MD注力事業へ積極投資し、売上高1,000億円・ミニマム10を目指す
生成AI・データセンター向け半導体検査需要に対応すべく、国内生産拠点及びマレーシア子会社への開発能力増強投資(2026期投資総額1,188百万円)を実施。MEMSプローブカード(YPX)の拡販やアライアンス・M&Aを活用した技術・生産体制強化を推進している。
ベトナム・フィリピン生産拠点の量産設備更新(2026期投資総額1,541百万円)による生産効率向上と固定費削減を推進。インド合弁会社Lumax Yokowo Technologies Pvt. Ltd.を通じた成長市場への事業基盤拡充およびADAS製品の量産開始を進めている。
第一種医療機器製造販売業許可を取得し、自社企画製品の上市に向けた準備を本格化。国内企業との協業による脳神経領域先端医療機器の開発・上市展開を推進するとともに、ベンチャーエコシステム向け販売の堅調な拡大を継続している。
光波のネットワークソリューション事業承継(2025年6月)によりセグメント売上高を2,920百万円に急拡大。IoT向けMIMOアンテナ・MaaS向け車載鍵管理ソリューションの拡販と、企業連携・M&A・共創投資を活用した「モノ売りからコト売り」へのビジネスモデル変革を推進している。
光電融合等の既存事業延長線上にない新技術領域の探索と、M&A・アライアンスへの積極取組みを新中期経営計画2024-2028の骨子として掲げる。事業ポートフォリオマネジメント強化により、安定収益事業のキャッシュを注力事業へ再配分する財務規律を維持している。
最終更新: 2026年7月19日

