事業内容
フォスター電機は1949年創業の音響機器専業メーカーで、東京証券取引所プライム市場上場。連結子会社26社を含むグループで、車載用スピーカ・スピーカシステムを主軸とする「スピーカ事業」(売上高の約83%)、ヘッドホン・イヤホンドライバ・振動アクチュエータを手掛ける「モバイルオーディオ事業」、接近通報音スピーカや「フォステクス」ブランド製品等の「その他事業」の3セグメントで構成される。
主要顧客は自動車メーカーおよびグローバルな民生電子機器メーカーで、ベトナム・中国・タイ・ハンガリー等に生産拠点を持つグローバル製造体制を有する。
ビジネスモデル
自動車メーカーや民生電子機器メーカーに対し、車載スピーカ・ヘッドホン・アクチュエータ等の音響デバイスをOEM・ODM形式で設計・製造・供給する。ベトナム・中国・タイ等の海外生産拠点でコスト競争力を確保しつつ、日本・欧米・アジアの販売・技術拠点を通じて顧客ニーズに対応する。
車載向けは量産開始3年以上前の受注が多く、長期安定的な収益基盤を形成している。
企業の強み
車載ビジネスは量産開始の3年以上前に受注が確定するケースが多く、中期事業計画で掲げた2023年度末から2027年度の売上高20%以上成長目標の大部分が既受注ビジネスで構成されると同社は説明している。これにより売上見通しの確実性が相対的に高い収益構造となっている。
ベトナム(クアンガイ・バクニン・ダナン等)、中国(広州・河源)、タイ、ハンガリー、ミャンマー等に生産拠点を分散配置し、2026年3月期の設備投資額は6,804百万円(主にベトナムでの設備増強)に達した。地政学リスクへの対応力と安定供給体制を同時に実現している。
2022年3月期に営業損失7,757百万円を計上した後、コスト構造改革を継続推進し、2026年3月期には全3セグメントが黒字化(その他事業は前期の営業損失207百万円から営業利益475百万円へ転換)。連結営業利益率は2023年3月期2.0%から2026年3月期5.7%へ段階的に改善した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022年3月期の大幅赤字(営業損失7,757百万円)を底に、2026年3月期は営業利益7,670百万円・親会社株主帰属純利益4,951百万円(前期比26.9%増)と4期連続の利益改善を達成。売上高は134,910百万円と前期比2.0%減少したが、中国の一部自動車メーカー向け販売落ち込みや米国関税政策の影響という外部要因を受けながらも、ブランデッド・プレミアムへのフォーカスによる製品ミックス改善と販管費削減(前期17,326百万円→当期15,975百万円)により営業利益率は4.9%から5.7%へ改善。
包括利益は10,009百万円(前期比81.6%増)と大幅増加し、為替換算調整勘定の増加(3,306百万円)も純資産拡大に寄与した。自己資本比率は60.3%と財務健全性も向上している。
成長戦略
モビリティとコンシューマの2軸で売上高150,000百万円・営業利益率6%・ROE8%を目指す
車載スピーカにおいてブランデッド・プレミアムレベルの製品に特化した販売戦略を推進し、1台あたりの搭載製品数拡大と単価向上による収益性改善を図る。2026年3月期はスピーカ事業の営業利益率が前期比で改善し、売上減少下でも増益を達成した。
民生用アクチュエータや主要顧客向けイヤホン・イヤホンドライバの販売拡大と、接近通報音スピーカ等の規制対応需要を取り込む。2026年3月期はその他事業が構造改革効果により黒字転換(営業利益475百万円)を達成した。
固定費削減と製造コスト改善により、売上高が伸び悩む局面でも利益を確保できる収益体質を構築する。2026年3月期は販管費を前期比1,351百万円削減し、売上減収下での営業増益を実現した。
2027年3月期より株主還元方針を「配当性向50%・DOE4%のいずれか高い方」に強化。年間配当を1株当たり115円(前期80円)に増配予定。配当性向40%・DOE2%(下限)から大幅に引き上げ、企業価値向上とPBR改善を目指す。
社是「誠実」を基盤に、従来のESGに事業領域(B)を加えたBESG経営を実践。中期事業計画の財務目標として売上高150,000百万円・営業利益90,000百万円・営業利益率6%・ROE8%を設定し、成長戦略とコスト構造改革の両輪で達成を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

