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天昇電気工業株式会社

6776東証スタンダード化学

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天昇電気工業株式会社6776

事業内容

天昇電気工業株式会社は1936年創業の老舗プラスチック成形メーカーで、東京証券取引所に上場する独立系企業である。国内では天昇電気工業本体(国内5工場)および連結子会社の竜舞プラスチック株式会社が自動車部品・物流産業資材・機構品部品・金型の製造販売を担う。

海外では中国・常州(溧陽市)に天昇塑料(常州)有限公司を擁し、物流産業資材・機構品部品を製造販売する。主要顧客は株式会社SUBARU(売上高の21.6%)、トヨタ紡織株式会社(11.2%)、三甲株式会社(6.2%)であり、自動車関連企業が売上の大半を占める。

また、相模原市・二本松市の不動産賃貸事業も営む。2026年3月期の連結売上高は21,877百万円。

ビジネスモデル

金型設計・製作から射出成形・加工・塗装までを一貫して手掛ける垂直統合型の受注製造モデルを採用する。主力の日本成形関連事業(売上高の96%超)では自動車部品・物流産業資材・機構品部品を製造し、SUBARU・トヨタ紡織等の大手メーカーへ直接納入する。

不動産関連事業では相模原市の賃貸建物から安定的な賃料収入(営業利益率82.4%)を得ており、製造事業の収益変動を補完する構造となっている。

企業の強み

金型設計・製作から射出成形・加工・塗装までを社内で完結させる一貫生産体制を保有する。技術部門が顧客の開発部門と製品設計段階から連携し積極的な提案活動を行っており、顧客の切り替えコストを高める参入障壁として機能している。

国内5工場体制と竜舞プラスチック株式会社の生産能力を組み合わせ、多品種対応力を持つ。

有利子負債は第96期5,274百万円から第100期(2026年3月期)3,774百万円へ継続的に削減され、自己資本比率は同期間に33.1%から52.4%へ上昇した。インタレスト・カバレッジ・レシオは41.9倍(2026年3月期)と財務安全性は高く、営業キャッシュ・フロー1,902百万円が設備投資(1,124百万円)を上回るキャッシュ創出力を維持している。

相模原市の賃貸建物(株式会社アイリスプラザ向け)および二本松市の土地賃貸から構成される不動産関連事業は、2026年3月期に売上高284百万円・セグメント利益234百万円・営業利益率82.4%を達成した。新規設備投資ゼロ・減価償却費6百万円の低コスト構造により、製造事業の業績変動を補完する安定的なキャッシュ創出源となっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の連結売上高は21,877百万円と前期比21.5%減となったが、主因は三甲アメリカコーポレーション(前期売上高7,247百万円)の連結除外であり、継続事業ベースでは日本成形関連事業が6.2%増収と回復基調にある。投資家は単純な前期比較ではなく、継続事業の成長性と持分法投資利益(114百万円)を含めた実質的な収益力で評価する必要がある。

2026年3月期の親会社株主帰属純利益は504百万円と前期比60.1%減となったが、特別損失に持分変動損失258百万円を計上したことが主因。経常利益は1,011百万円と前期比6.3%減にとどまっており、経常ベースの収益力は相対的に維持されている。

2027年3月期予想では純利益600百万円(前期比19.0%増)を見込んでおり、一過性損失剥落後の回復が実現するか注視が必要。

日本成形関連事業のセグメント利益率は2026年3月期2.3%(前期1.2%から改善)と、自動車業界の生産調整一巡で回復基調にあるものの絶対水準は低い。外部要因として原材料価格の高止まりや物流費上昇が継続しており、価格転嫁の進捗が利益率改善の鍵を握る。

2027年3月期通期予想の営業利益850百万円(前期比17.1%増)達成には、日本成形事業の更なる収益性改善が不可欠であり、工程改善・生産効率向上の成果が問われる局面にある。

成長戦略

日本成形事業の収益回復・中国事業の黒字定着・財務健全化の三本柱で持続成長を目指す

自動車業界の生産調整一巡を追い風に営業強化を図るとともに、工程改善・生産効率向上・原価低減に継続的に取り組む。2026年3月期はセグメント利益が前期比101.0%増の481百万円と大幅改善。2027年3月期通期予想では営業利益850百万円(前期比17.1%増)を目標とする。

物流産業資材および機構品部品の中国国内向け販売拡大に注力。2026年3月期はセグメント利益7百万円と前期の損失28百万円から黒字転換を達成。引き続き経費削減と生産効率向上により収益基盤の安定化を図る。

2025年1月の第三者割当増資により持分法適用会社へ移行した三甲アメリカコーポレーションからの持分法投資利益(2026年3月期114百万円)を通じた収益貢献を維持・拡大する。北米向け物流産業資材・機構品部品の販売拡大が持分法投資先の収益成長に寄与する。

有利子負債の着実な圧縮(長期借入金返済1,651百万円、新規借入1,100百万円)と自己資本比率52.4%への改善を継続。配当は1株当たり5円の安定配当を維持し、2027年3月期も同水準を予定。配当性向は2026年3月期16.9%と低水準にあり、収益回復に伴う還元拡大余地を残す。

最終更新: 2026年7月19日