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池上通信機株式会社

6771東証スタンダード電気機器

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池上通信機株式会社6771

事業内容

池上通信機は1946年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の情報通信機器専業メーカーである。コア技術であるIP&T(撮像・画像処理・伝送技術)を基盤に、放送局・公営競技向けの放送システム事業と、セキュリティー・医療・検査装置を手掛ける産業システム事業の二本柱で事業を展開する。

国内では日本放送協会をはじめとする放送局や官公庁(防衛省含む)、医薬・鉄道・プラント市場を主要顧客とし、海外では米国・ドイツ・シンガポールの連結・非連結子会社を通じて北米・欧州・アジア太平洋地域に販売網を持つ。開発から生産・販売・サービスまでを一貫して担うメーカーとして、宇都宮プロダクトセンターと藤沢システムセンターを生産・開発拠点とする。

ビジネスモデル

自社のコア技術で開発した放送用カメラ・映像システム・検査装置等を国内外の顧客に直接販売するほか、医療用カメラでは海外OEM供給も収益源とする。大型放送システムや官公庁向け案件はSI(システムインテグレーション)力を活かした受注生産型で高付加価値を実現する。

売上の第4四半期集中という季節性が強く、受注残高の積み上げが翌期業績の先行指標となる構造を持つ。

企業の強み

国内放送局・公営競技市場への大型放送システム複数納入、官公庁向けヘリコプター電送システム・受信基地局設備の大幅伸長など、長年の取引実績に裏打ちされた顧客基盤を有する。NHKへの販売高は2,582百万円(売上高比12.1%)と安定的な取引関係が継続している。

撮像・画像処理・伝送技術(IP&T)を自社コア技術として、宇都宮プロダクトセンターと藤沢システムセンターで要素技術から製品化まで一貫開発する体制を持つ。MoIP対応「IPX-100」、4K高感度医療カメラ「MKC-835S」、錠剤外観検査装置「TIE-10000」など複数分野で独自製品を継続投入している。

米国・ドイツ・シンガポールに現地法人を持ち、北米・欧州・中東・アジア太平洋地域で販売・サービスを展開する。2026年3月期の北米放送カメラ販売は前期比62%増の980百万円と大幅拡大しており、海外OEM事業(医療用カメラ)でも北米新規OEM先への大型案件納入実績を積み上げている。

エンヴァリスの着眼点

売上高21,329百万円(前期比+2.9%)、営業利益407百万円(同+59.9%)、当期純利益376百万円(同+59.5%)と2025年3月期の大幅減益から明確に回復した。ただし営業利益率は1.9%にとどまり、2024年3月期(3.7%)の水準には届いていない。

繰延税金資産の計上(法人税等調整額△190百万円)が当期純利益を押し上げた点は一時的要因として留意が必要。

2027年3月期の通期連結業績予想は売上高21,000百万円(前期比△1.5%)、営業利益300百万円(同△26.3%)、経常利益100百万円(同△72.1%)と大幅な利益減少を見込む。客先の設備投資計画一巡による大型案件の限定化が主因とされ、外部要因として米国通商政策・地政学リスク・原材料価格高騰も下押し要因として挙げられている。

一方、塩浜事業所売却益1,227百万円の特別利益計上により当期純利益は500百万円(同+32.8%)を予想しており、経常利益と純利益の乖離が大きい点に注意が必要。

欧州売上高は1,056百万円(前期1,450百万円から大幅減)、アジア売上高は1,171百万円(前期1,712百万円から大幅減)と海外2地域が引き続き低調。欧州では受注後ろ倒し、アジア(中国)では景気停滞・OEM先在庫調整・医療用カメラ販売減が継続している。

外部要因として中国経済の回復ペースと欧州の設備投資動向が業績の重要な変数であり、これらの改善なしには海外売上の本格回復は見通しにくい。

成長戦略

放送IP化・OEM拡大・官公庁深耕・資産効率改善による収益構造の安定化

IPエクステンションユニット「IPX-100」および4K/HDマルチパーパスカメラ「UHL-X40」の販売促進により、国内外の放送局市場に加え非放送局市場でのシェア拡大を目指す。次世代放送を見据えたトータルシステムソリューションの提案力強化を推進中。

内視鏡・顕微鏡用カメラの海外OEM供給拡大と新規OEM顧客獲得を継続推進。北米では医療用カメラの新規OEM先への大型案件で納入実績を拡大。中国・欧州では顕微鏡OEM先の需要低迷・在庫調整が継続しており、回復には時間を要する見通し。

防衛省をはじめとする官公庁や鉄道・プラント市場を最注力領域と位置づけ、監視カメラシステム・ITVシステム・ヘリコプター電送システム等の大型案件獲得を推進。2026年3月期は官公庁向け大型案件の複数納入が売上増に貢献した。

塩浜事業所(神奈川県川崎市)の土地・建物を2026年12月に譲渡予定。売却益1,227百万円を翌期特別利益に計上し、固定資産圧縮損569百万円を特別損失に計上予定。システムセンター新棟(藤沢市)への生産移管により生産効率向上を図る。

医薬市場向け錠剤検査装置・錠剤印刷装置のシェア拡大に加え、検査自動化ニーズの高まりを背景に産業市場向け平面検査装置・粉体検査装置の販売拡大を図り、事業規模の拡大を目指す。2026年3月期は医薬市場向けが順調に推移した。

最終更新: 2026年7月19日