事業内容
シャープ株式会社は、親会社である鴻海精密工業股份有限公司グループの一員として、電気通信機器・電気機器・電子応用機器全般および電子部品の製造・販売を主な事業内容とする総合電機メーカーである。事業はスマートライフ(白物家電・エネルギーソリューション)、スマートワークプレイス(デジタル複合機・PC・通信機器)、ディスプレイデバイス(液晶パネル・車載ディスプレイ)の3セグメントを中核とし、日本・米州・欧州・ASEANを含むグローバル市場に製品・サービスを提供する。
連結子会社116社・持分法適用会社12社を擁し、2026年3月期の売上高は1,892,811百万円。
ビジネスモデル
ブランド事業(スマートライフ・スマートワークプレイス)では、高付加価値家電・複合機・PCを自社ブランドで製造販売し、消耗品・ソリューションサービスによる継続収益も獲得する。デバイス事業(ディスプレイデバイス)では、IGZO等の独自技術を活用した液晶パネル・車載ディスプレイをBtoB供給する。
近年はデバイス事業のアセットライト化を推進し、ブランド事業への経営資源集中へ構造転換を進めている。
企業の強み
IGZOディスプレイ技術や独自の空気浄化技術「プラズマクラスター」は自社固有の知的財産であり、競合が短期間で模倣困難な差別化要素である。プラズマクラスター技術は2000年の空気清浄機初搭載から25周年を迎え、製品ラインアップ全体に展開されている。
また世界50か国以上で合計8,500件以上の通信規格特許を保有し、多数の通信機器・自動車業界リーディングカンパニーとライセンス契約を締結している。
スマートワークプレイスセグメントは2026年3月期売上高833,822百万円、セグメント利益57,597百万円を計上し、高い利益率を維持している。デジタル複合機は日欧で新製品が好調、オフィスソリューション売上が日欧を中心に大きく伸長した。
PC事業(Dynabook)はBtoB・BtoC双方で販売が伸長し、官公庁・自治体・GIGAスクール向けに強固な顧客基盤を持つ。
2016年に鴻海精密工業股份有限公司を親会社として迎え、グローバルなサプライチェーンおよび製造ネットワークへのアクセスを確保している。カメラモジュール事業・半導体事業の鴻海グループへの譲渡はアセットライト化と同時に鴻海との事業連携深化を意味し、シンジケートローン更改(391,400百万円、返済期限2028年3月)においても金融機関から財務改善を評価され支援体制が強化された。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高1,892,811百万円(前期比△267,335百万円)と4期連続の減収となった一方、営業利益48,565百万円(前期27,338百万円)、当期純利益47,434百万円(前期36,095百万円)と利益は着実に拡大。2023・2024年3月期の2期連続大幅赤字から3期ぶりに黒字転換した2025年3月期に続き、黒字定着フェーズへの移行が確認できる。
売上減少はデバイス事業の構造改革(生産停止・資産譲渡)に伴う規模縮小が主因とみられ、ブランド事業への資源集中による収益性向上が利益改善を牽引している。なお、今回の訂正は有形固定資産内の取得価額・減価償却累計額の計上区分誤りであり、有形固定資産合計・固定資産合計・資産合計・業績数値への影響はない。
成長戦略
ブランド事業グローバル拡大とデバイスアセットライト化で再成長軌道へ
中期経営計画に基づき、スマートライフ&エナジー・スマートオフィス・ユニバーサルネットワークの3ブランドセグメントに従来比2倍以上の成長資金を投下。ASEAN白物家電・欧米調理家電・法人向けDXソリューション等の高付加価値領域でのシェア拡大を目指す。
堺ディスプレイプロダクト生産停止・亀山第2工場譲渡等により固定費を大幅削減。亀山第1工場の車載専用化・白山工場のXR用超高精細LCD量産化により、高付加価値製品への集中で収益改善を図る。セグメント損失△40,513百万円(2025年3月期)からの黒字化が次の目標。
AIoT対応家電の累計1,000機種超の実績を基盤に、生成AI対応家電・スマートホームサービスの拡充を推進。美容・ヘルスケア事業の強化と合わせ、スマートライフ&エナジーセグメントの成長ドライバーとして位置付ける。
スマートオフィスセグメントにおいて、MFP事業の安定収益を基盤にSaaS型DXサービス・リテール向けDXサービス等の新規スマートビジネスを育成。法人顧客基盤を活用したサービス収益の積み上げにより、収益の安定性・継続性を高める。
最終更新: 2026年7月19日

