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株式会社京三製作所

6742東証プライム電気機器

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株式会社京三製作所6742

事業内容

株式会社京三製作所は1917年創業、東京証券取引所プライム市場上場の社会インフラ系メーカーである。主力の信号システム事業では鉄道信号システム(ATC・連動装置・可動式ホーム柵等)および道路交通管制システムを国内外の鉄道事業者・自治体向けに提供する。

パワーエレクトロニクス事業では半導体製造装置用・FPD製造装置用・鉄道信号用電源装置を手掛ける。連結子会社8社を含む計13社体制で事業を展開し、インド・欧州・米国・台湾・中国に海外拠点を有する。

2026年3月期の連結売上高は93,122百万円で2期連続過去最高を更新した。

ビジネスモデル

受注生産型のビジネスモデルを採用し、鉄道事業者・自治体・製造装置メーカー等の顧客から個別案件を受注し、設計・製造・納入・保守までを一貫して提供する。2026年3月期末の受注残高は111,430百万円(信号システム事業101,372百万円)と豊富であり、将来売上の視認性が高い。

信号システム事業が売上高の約86%・セグメント利益の大部分を占め、パワーエレクトロニクス事業は構造改革中である。

企業の強み

1917年創業以来、国産初・世界初と称される製品を多数開発してきた技術蓄積を持つ。2026年3月期においてもOsaka Metro向けATC地上装置・連動装置、名古屋市交通局向け連動装置など大型案件を受注し、国内主要鉄道事業者との継続的な取引関係を維持している。

2026年3月期の信号システム事業はセグメント利益11,950百万円、利益率約15.0%を達成した。受注残高は101,372百万円と前期比2.8%増を維持しており、中期的な売上の裏付けとなっている。受注高82,559百万円も前期比24.3%増と大幅に拡大した。

インド(Kyosan India Private Limited)、欧州(Kyosan Europe Sp. z o.o.)、米国、台湾、中国(2024年12月完全子会社化)に拠点を展開。2026年3月期にはインド貨物専用鉄道東回廊向け信号設備の売上を計上するなど、海外での実績を積み上げている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期にパワーエレクトロニクス事業は棚卸資産の廃棄損・評価損計上によりセグメント損失2,339百万円を計上(前期比3,530百万円悪化)。2027年3月期予想では同事業売上高15,100百万円を計画するが、FPD製造装置向け投資計画の繰り延べが継続するリスクがある。

生産管理・調達部門の統合やPSI管理の徹底が実際に棚卸資産の発生極小化につながるか、進捗を注視する必要がある。

2027年3月期の連結業績予想は売上高90,200百万円(前期比3.1%減)、営業利益5,600百万円(同24.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,200百万円(同16.7%減)。売上減少は信号システム事業の売上高75,100百万円計画(前期比約6%減)が主因。

一方、営業利益は増益予想であり、パワーエレクトロニクス事業の損失縮小と全社費用管理が改善の前提となっている。第2四半期累計では営業損失670百万円を見込んでおり、下期偏重の構造が続く見通し。

2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益5,042百万円のうち、投資有価証券売却益1,101百万円・受取損害賠償金450百万円の特別利益計1,554百万円が寄与しており、経常利益5,203百万円から純利益への転換に特別利益が大きく貢献した。2027年3月期は特別利益の剥落により純利益が4,200百万円に減少する予想。

一方、当期は500百万円の自己株式取得を実施し、配当も25円(前期比2円増)に引き上げており、株主還元姿勢は強化されている。

成長戦略

「KYOSAN Next Step 2028」のもと、海外展開・新製品投入・パワーエレクトロニクス構造改革の3軸で成長を追求

生産管理の強化によるリードタイム短縮が一定の成果を上げており、売上計上時期の前倒しに貢献。2027年3月期も深度化を継続し、受注残高の効率的な売上転換を図る。

インド貨物専用鉄道東回廊向け信号設備の売上計上実績を基盤に、海外マーケットでの受注拡大を推進。GOA2.5自動運転・無線式列車制御システムの製品化により海外競争力を強化する。

次世代鉄道信号技術として自動運転・無線式列車制御システムの製品化を推進。CBM(鉄道信号設備の状態基準保全)を活用した保守作業軽減製品の拡販により顧客価値を拡大する。

生産管理部門と調達部門を統合しPSI管理を徹底することで棚卸資産の発生を極小化。鉄道信号システム用電源の信号システム事業部への移管を含む組織変更により経営効率を向上させる。2027年3月期の同事業売上高は15,100百万円を計画。

業界最高効率を誇る最先端の電力変換技術を活用し、新規製品投入による製品領域の拡大とマーケットシェア拡大を目指す。主要顧客からの需要増加を背景に受注は前期超えを達成済み。

2026年3月期は年間配当25円(前期比2円増)、配当性向30.7%。2027年3月期は27円(予想配当性向39.7%)に引き上げ予定。当期は500百万円の自己株式取得も実施し、総還元姿勢を強化している。

最終更新: 2026年7月19日