事業内容
EIZO株式会社は1968年創業、石川県白山市に本社を置く映像機器メーカーで、国内6社・海外12社の計18社グループを形成する。事業はB&P(ビジネス・一般オフィス)、ヘルスケア(医用診断・手術室・内視鏡)、クリエイティブワーク(映像制作・印刷)、V&S(航空管制・船舶・ディフェンス・監視)、アミューズメント(パチンコ・パチスロ向け液晶モニター)の5市場に展開する。
世界100か国以上に製品を供給し、2026年3月期売上高は81,308百万円。ヘルスケアが売上高の45.0%を占める最大市場であり、航空管制用途では世界市場シェアNo.1を標榜する。
「撮影・記録・配信・表示」を一体化したEIZO Visual Systems(EVS)によるシステムソリューション事業も展開している。
ビジネスモデル
製品の企画・開発・生産を一貫して自社グループ内で完結させる垂直統合モデルを採用し、高品質・高信頼性を競争優位の源泉とする。欧州・北米・中国・インド・中東に直販子会社を設置し、代理店依存を排した直接販売体制を構築。
医療・航空管制等の規制産業向けに長期安定供給・長期保守体制を提供することで顧客の切り替えコストを高め、継続的な収益を確保する。株主還元は連結当期純利益の70%+αを目標とし、配当下限を1株当たり105.00円に設定している。
企業の強み
ヘルスケア市場の売上高は36,578百万円(前期比7.2%増)と全社売上高の45.0%を占める最大市場。診断用モニターから術野カメラ・映像記録配信システムまで「撮影・記録・配信・表示」を一体提供するEVSソリューションを展開し、欧州・北米・中国・中東・インドで販売回復基調にある。
V&S市場において航空管制用途向けで世界市場シェアNo.1を維持。高い視認性・防塵防滴性能・長期安定稼働を備えた専用製品と長期保守体制を提供し、インド・中東の新興市場での空港新設需要や高解像度モニターへの更新需要を取り込む基盤を有する。
石川県白山市の本社工場を中核に100%自社生産体制を維持し、2025年4月に新技術棟が竣工(当期投資額2,971百万円)。日本・ドイツ・米国・中国に開発拠点を設け、研究開発費は6,862百万円(前期比144百万円増)。
多品種少量生産・柔軟なカスタム対応・長期安定供給を実現し、専門市場での参入障壁を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期の86,789百万円をピークに低下後、2023年3月期以降は80,000百万円台前半で横ばい推移が続き、2026年3月期は81,308百万円(前期比1.0%増)。営業利益は2022年3月期の11,299百万円から2026年3月期の2,365百万円へと4期連続で低下し、売上高営業利益率は2.9%まで低下した。
外部要因として欧州景気の長期低迷がB&P・クリエイティブワーク市場の販売を抑制し、棚卸資産評価損や販管費増加が利益を圧迫。一方、当期純利益は投資有価証券売却益7,999百万円の計上により7,323百万円(前期比76.5%増)と大幅増となった。
包括利益も20,568百万円と前期(△866百万円)から大幅改善しており、その他有価証券評価差額金の増加(10,573百万円)が主因。
成長戦略
V&S深耕・ヘルスケア多地域展開・EVS拡大・インド中東開拓による収益回復
航空管制・船舶・監視・ディフェンス等の受注案件が積み上がっており、2027年3月期にV&S売上高15,200百万円(前期比21.1%増)を計画。北米での航空管制受注拡大とディフェンス向けグラフィックスボード販売増が主な成長ドライバー。グループ全体の収益回復を牽引する事業として位置付け。
欧州・北米・中国・インド・中東を中心に販売体制を強化し、2027年3月期にヘルスケア売上高37,300百万円(前期比2.0%増)を計画。日本では医療機関の経営環境悪化により慎重な需要動向を見込む一方、海外では販売底打ちを確認し回復軌道への移行を目指す。
監視用途向けを中心に社会インフラの維持管理需要に対しEVSとしてシステムソリューションを展開。ハードウェア単体販売からシステム提案型ビジネスへの移行を加速し、付加価値向上と顧客囲い込みを図る。第8次中期経営計画(2026年度最終年度)の重点施策。
成長市場と位置付けるインド・中東向けに2027年3月期その他地域売上高2,850百万円(前期比3.7%増)を計画。EIZO Middle East Ltd.(サウジアラビア)・EIZO Private Limited(インド)を通じた現地販売活動を拡充し、ヘルスケア・V&S市場での新規案件獲得を推進。
欧州グループ内の機能・役割再構築として営業組織体制の再構築(人員適正化)と開発・生産拠点の一部閉鎖を実施。2026年3月期に事業構造改善費用441百万円・固定資産減損497百万円を計上済み。
2027年3月期は合理化効果と業務効率化により固定費コントロールを図り、販管費24,400百万円(前期比3.7%増)に抑制する計画。
政策保有株式・純投資目的株式の売却を継続し、2027年3月期に投資有価証券売却益約4,400百万円を計画。総還元性向70%+αを目標に13期連続増配(2027年3月期予想115円)を維持。2026年5月に自己株式取得(上限1,500,000株・4,000百万円)を決議し、資本効率向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

