事業内容
サン電子株式会社は1971年創業の東証スタンダード上場企業。犯罪捜査機関向けデジタルインテリジェンスソリューション(グローバルデータインテリジェンス事業)、遊技機部品・ゲームコンテンツ(エンターテインメント関連事業)、M2M/IoT通信機器・B2B業務支援システム(IT関連事業)、スリープテック等デジタルヘルス(ウェルネス事業)の4セグメントを展開する。
主要顧客は法執行機関・パチンコホール・通信キャリア・産業用ユーザー等多岐にわたり、国内外に子会社6社・持分法適用関連会社15社を擁するグループを形成している。持分法適用関連会社であるCellebrite DI Ltd.(NASDAQ上場)への出資が財務上の重要な位置を占める。
ビジネスモデル
エンターテインメント関連事業では遊技機制御基板の受託開発・製造・販売によるフロー型収益が主軸。IT関連事業ではIoT通信機器販売に加え、デバイス管理サービス「SunDMS」等のサブスクリプション型収益を拡大中。
グローバルデータインテリジェンス事業ではCellebrite社製品のサブスクリプション販売によるストック収益の積み上げを推進。Cellebrite社持分法投資利益・持分変動利益が連結当期純利益に大きく寄与する構造となっている。
企業の強み
2007年にCellebrite社株式を取得し、同社のNASDAQ上場(2021年8月)後も持分法適用関連会社として保有継続。2026年3月期に持分法による投資利益4,969百万円、持分変動利益4,727百万円を計上し、連結当期純利益9,664百万円の大部分を占める。
営業損益が赤字でも高水準の純利益を確保できる財務構造を有する。
パチンコ・パチスロの企画から設計・映像制作・プログラム・制御基板製造まで一貫受託する体制を構築。株式会社藤商事と2013年に資本・業務提携を締結し、2026年3月期の同社向け販売実績は4,593,772千円(総販売実績の46.4%)に達する。
業界特化による表現力・技術力の蓄積が高い商品力を支えている。
3G→LTE(4G)マイグレーション関連特許を取得し技術的競争優位性を維持。産業用ネットワーク機器「Rooster」はデュアルSIM冗長化機能とSunDMSとの連携で差別化を実現し販売好調。飲料自販機向けに累計50万台超の導入実績を持ち、更新需要の基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は9,907百万円(前期比△8.6%)と2期連続の減収。エンターテインメント関連事業での遊技機部品出荷数量減少、IT関連事業での3G停波に伴うLTE移行需要一巡・5G/エッジAI新商品展開の遅れが主因。
営業損失△15百万円と本業は赤字転落した。一方、Cellebrite社からの持分法投資利益4,969百万円(前期比+4,464百万円)により経常利益は5,133百万円(+623.1%)に急拡大。
純利益は持分変動利益が前期比△12,832百万円の4,728百万円にとどまったため9,664百万円(△43.9%)に減少した。過去5期の純利益は2022期2,819百万円→2023期6,878百万円→2024期△3,778百万円→2025期17,229百万円→2026期9,664百万円と、Cellebrite関連の一時的損益により大きく振れる構造が継続している。
成長戦略
2027年3月期に売上高19,222百万円・営業利益2,131百万円を目指す業績回復計画を推進
IT関連事業において3G停波後の代替需要を取り込むべく、5G対応機器「DRX5510」およびエッジAI搭載エッジコンピュータ「LBX8110」等の新商品展開を推進。2026年3月期は開発・市場投入の遅れが減収要因となったが、2027年3月期予想では売上高の大幅回復の主軸と位置付けられている。
Cellebrite社製品を中心にフォレンジックソリューション・インテリジェンスソリューションのサブスクリプション型受注を拡大。2026年3月期は総務省受託事業も寄与し売上高1,293百万円(前期比+8.2%)と増収を達成したが、受注条件の悪化によりセグメント利益は140百万円(△14.6%)に減少した。
連結子会社サンデジタルヘルス株式会社を通じ、MyWaves Technologies Limited製スリープテック製品の国内発売に向けた準備を進めている。2026年3月期は売上高ゼロ・営業損失△30百万円の段階にとどまっており、商品化・販売開始が次の重要マイルストーンとなる。
2026年3月期に7,360百万円の自己株式取得を実施し、1株当たり純資産は2,236円91銭(前期比+101円67銭)に上昇。役員向けBBTおよび従業員向けJ-ESOPを2025年8月より開始し、株価・業績連動型の報酬制度を整備することで中長期的な企業価値向上へのコミットメントを強化している。
最終更新: 2026年7月19日

