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株式会社アルバック

6728東証プライム電気機器

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株式会社アルバック6728

事業内容

株式会社アルバックは1952年創業の真空総合メーカーで、真空装置・機器・サービスを提供する「真空機器事業」と、材料・表面分析装置等を提供する「真空応用事業」の2セグメントを展開する。主要製品はスパッタリング装置、CVD装置、エッチング装置、有機EL製造装置、真空ポンプ等の真空機器から、スパッタリングターゲット材料、マスクブランクス、表面分析装置まで多岐にわたる。

半導体・FPD・電子部品・一般産業向けに生産財を提供し、子会社37社・関連会社8社を含むグループで国内外に事業を展開している。最終製品はスマートフォン、PC、タブレット、自動車等のエレクトロニクス部品製造に不可欠な装置・材料を供給する。

ビジネスモデル

真空機器事業(売上高199,050百万円)が全体の約79%を占める主力事業であり、半導体・FPD・産業向け真空装置の受注生産が中心。真空応用事業(売上高52,134百万円)は材料・分析機器・マスクブランクスを提供し、顧客工場の稼働率に連動した安定的な消耗品需要を取り込む。

装置・材料・成膜加工・分析・カスタマーサポートを一体提供するシナジーモデルが競争優位の源泉であり、研究開発費13,991百万円(売上高比5.6%)を継続投入して技術優位を維持している。

企業の強み

装置・材料・成膜加工・分析・カスタマーサポートを一体提供できる真空総合メーカーとしての事業構造を有する。真空機器事業と真空応用事業の連携により、顧客の製造プロセス全体をカバーするソリューション提供が可能であり、競合他社が模倣困難な独自ポジションを形成している。

最先端ロジック分野でのメタルハードマスク工程における実績を保有し、DRAM・3次元NANDフラッシュメモリ向け装置開発も進行中。韓国平澤市にTechnology Center PYEONGTAEKを開設し顧客密着型開発体制を強化。

1990年代製作のPLD酸化物薄膜作製装置が国立科学博物館「重要科学技術史資料」に登録されるなど技術蓄積の深さを示す。

2025年6月期末の自己資本比率は59.6%、現金及び現金同等物残高は92,609百万円。営業キャッシュ・フローは34,811百万円、フリー・キャッシュ・フローは24,011百万円を確保。コミットメントライン設定による追加流動性確保体制も整備しており、事業環境の急変にも対応可能な財務基盤を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計の受注高は236,185百万円と前年同期比44.1%増と力強い拡大を示しており、今後の売上回復への期待は高い。一方で同期間の営業利益は14,719百万円と前年同期比29.1%減、営業利益率は7.7%(前年同期11.1%)と大幅に悪化した。

売上原価率の上昇(前年同期67.8%→当期69.7%)と販管費の増加(前年同期39,764百万円→当期43,311百万円)が同時進行しており、受注拡大が利益改善に転換するまでのタイムラグと費用構造の変化を注視する必要がある。

2026年6月期通期業績予想は売上高260,000百万円(前期比3.5%増)、営業利益19,000百万円(同28.4%減)に修正された。第3四半期累計の営業利益14,719百万円に対し、通期予想19,000百万円を達成するには第4四半期単独で4,281百万円の営業利益が必要となる計算であり、前年同期の第4四半期実績(約5,771百万円)と比較すると達成は可能な水準ではあるが、費用増加傾向が続く中での実現可能性を慎重に見極める必要がある。

なお、後発事象として中国FPDターゲット事業の持分譲渡による特別利益約78億円が通期予想に織り込まれており、当期純利益18,500百万円(前期比10.9%増)の達成を支える構図となっている。

2026年5月12日に決議された中国子会社(愛発科電子材料(蘇州)有限公司)の全持分譲渡は、中国市場における競争環境の変化への対応として、FPDターゲット事業をKFMIとの合弁体制に移行するものである。関係会社出資金売却益約78億円の特別利益計上が見込まれ、短期的な利益押し上げ効果がある。

中長期的には、競争が激化する中国FPD市場から経営資源を引き揚げ、先端半導体・レアアース磁石等の成長分野に集中する戦略的意義は評価できるが、中国事業縮小に伴う売上規模への影響は継続的にモニタリングが必要である。

成長戦略

半導体電子集中投資と事業ポートフォリオ再構築で2031年6月期売上高360,000百万円・営業利益率22%を目指す

生成AI普及を背景とした先端ロジック・次世代メモリ・先端パッケージング分野への設備投資拡大を取り込む。2026年6月期第3四半期累計の真空機器事業受注高は191,644百万円と前年同期比52.1%増と大幅拡大しており、受注残高は144,780百万円に積み上がっている。

IT製品(タブレット・PC)向け有機EL採用拡大に伴うパネル大型化投資を積極的に取り込む。2026年6月期第3四半期累計においてディスプレイ・エネルギー関連製造装置の受注高・売上高ともに前年同期を上回った。ただし中国FPDターゲット事業は持分譲渡により合弁体制へ移行予定。

サプライチェーン多角化を目的とした高機能磁石製造装置やAIサーバー冷却システム向けリークテスト装置など新規需要を取り込む。2026年6月期第3四半期累計において一般産業用装置の受注高・売上高ともに前年同期を上回り、成長分野として顕在化している。

競争環境が激化する中国FPDターゲット事業をKFMIとの合弁体制(北京豊科晶晟電子材料有限公司)に移行し、経営資源を先端半導体等の成長分野に集中させる。2026年6月期に関係会社出資金売却益約78億円を特別利益として計上見込みで、通期業績予想に織り込み済み。

最終更新: 2026年7月17日