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サンケン電気株式会社

6707東証プライム電気機器

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サンケン電気株式会社6707

事業内容

サンケン電気は1946年創業の独立系パワー半導体メーカーで、パワーモジュールおよびパワーデバイスの設計・製造・販売を主力事業とする。国内に石川・山形・福島・新潟の製造子会社を持ち、韓国・中国・タイ・インドネシア等にも生産・販売拠点を展開するグローバル体制を構築している。

主要顧客は自動車(ハイブリッド車・内燃車向け空調システム等)、白物家電(エアコン・洗濯機等)、産業機器(業務用空調・AIデータセンター等)の各市場に広がる。2026年3月期は連結売上高80,175百万円(単一セグメント)。

2024年8月にAllegro MicroSystems, Inc.を持分法適用関連会社化し、半導体デバイス専業体制へ移行した。

ビジネスモデル

前工程(ウェーハプロセス)から後工程(実装・パッケージング)まで自社グループで一貫製造し、独自のSPP(Sanken Power-electronics Platform)によるプラットフォーム化で開発効率を高める。製品は自社および海外販売子会社を通じて自動車・白物家電・産機市場の顧客へ直接販売する。

海外売上高は連結売上高の約59.79%を占め、主に米ドル建で取引される。研究開発費は売上高の6.74%(5,400百万円)を投じ、GaN・SiC等次世代デバイスの開発も推進している。

企業の強み

ウェーハプロセスから実装・パッケージングまで自社グループで一貫製造する体制を持ち、SPP(Sanken Power-electronics Platform)によるプラットフォーム化で設計改革・開発スピード向上を実現している。SiC-ICのNEDO先導研究プログラムを産業技術研究所と共同で完了するなど、技術蓄積は有報に記載された事実として確認できる。

2025年4月にパウデックを買収しPSJ技術を取得、GaN on Si技術と融合した独自デバイス構造を開発中。SiCはNEDO採択プログラムを完了し超低損失SiCモジュールの事業化検討を進める。

名古屋大学主導のGaNコンソーシアムにも参画しており、次世代パワーデバイス領域への技術的布石が複数確認できる。

自動車空調向けパワーモジュール、48V MHEVの電動コンプレッサ対応MOSFETモジュール、白物家電向け電源IC、業務用空調・AIデータセンター向け産機製品など、複数市場向けに製品ラインアップを保有する。研究開発費5,400百万円(売上高比6.74%)を継続投入し、当期も複数の新製品開発実績が有報に記載されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の連結営業損失は4,728百万円(前期3,788百万円の赤字から悪化)、売上高営業利益率はマイナス5.9%。アレグロ除外後のサンケンコア単体で収益性を確立できるかが株式評価の核心。

外部要因として金属建値(金)の高騰が変動費を押し上げており、金から銅への材料転換の進捗が短期的な収益改善の鍵を握る。2027年3月期通期の営業利益予想1,400百万円(黒字転換)の達成可否を注視する必要がある。

2026年3月期の白物家電売上高は36,485百万円(前期比21.5%減)。中国市場における自国製半導体への切り替えが進展し、第2四半期以降に売上が大きく減少した。

この動きは外部要因(地政学・産業政策)に起因するが、当社の売上構成上の影響は大きく、アジア戦略室による韓国・インド等での代替シェア獲得が中期的な収益安定化に不可欠。構造的なシェア喪失リスクとして継続的なモニタリングが必要。

2026年3月期末の短期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)は42,875百万円と前期比大幅増加、現金及び現金同等物は34,840百万円(前期60,744百万円)に減少。後発事象として山形サンケンの希望退職(65名程度、特別損失約700百万円見込み)が2027年3月期に計上予定。

2027年3月期上期も赤字見通しであり、資金繰りと追加リストラコストの動向が財務安定性の観点から重要な監視ポイントとなる。

成長戦略

24中計でサンケンコアの収益構造転換を推進、GaN・IPM協業で次世代製品を強化

ハイブリッド車含む内燃車向けパワーモジュールの継続需要を着実に取り込むとともに、自動車空調向けパワーモジュールを拡販。白物市場では韓国顧客シェア拡大・中国シェア維持・インド等新規顧客開拓を推進。2027年3月期売上高86,500百万円(前期比7.9%増)を目標とする。

石川サンケンでの固定費削減策、後工程生産再編完了に伴う生産性向上、金から銅への材料仕様見直しによる製造コスト最適化を推進。山形サンケンでも前工程競争力向上に向けた固定費削減を進める。2027年3月期下期からの収益回復を見込む。

2026年1月27日に合意したインテリジェントパワーモジュール市場における後工程生産協業および製品共同開発。投資効率の最大化と競争力強化を狙う。外部リソース活用による成長実現という24中計の方針に沿った取り組み。

2025年4月1日に株式会社パウデックを買収し、高性能GaNパワーデバイスの早期上市に向けた開発を推進。次世代パワー半導体市場への参入により、SiC・GaN等の技術転換リスクへの対応と新規成長機会の獲得を図る。

2026年1月新設のアジア戦略室でアジア全体の受注拡大・白物領域維持拡大・データセンター等産機領域への拡販を推進。モビリティ戦略室では車載・産機領域の顧客先行開発段階から参画し、中長期的な量産案件獲得を目指す。

2028年3月期を最終年度とする2024年中期経営計画において、売上高100,000百万円以上・営業利益率10%を目標とする収益構造転換を推進。2026年3月期実績(売上高80,175百万円、営業利益率マイナス5.9%)は目標から大きく乖離しており、計画挽回が急務。

最終更新: 2026年7月19日