事業内容
沖電気工業(OKI)は1881年創業の情報通信機器企業。パブリックソリューション(道路・防衛・消防・通信キャリア向けシステム)、エンタープライズソリューション(ATM・現金処理機・金融システム)、コンポーネントプロダクツ(IoTエッジデバイス・PBX・クラウドサービス)、EMS(プリント配線板・設計生産受託)の4事業を展開する。
主要顧客は官公庁・防衛省・通信キャリア・金融機関・一般企業と幅広く、社会インフラの維持・運用を支える事業基盤を有する。2026年度からは3セグメント体制(パブリックソリューション/金融ソリューション/コンポーネント&マニュファクチャリング)に再編し、新経営計画2031のもと成長加速を図る。
ビジネスモデル
OKIは製品・システムの初期販売に加え、ATM監視・運用サービスや工事・保守サービス等の継続課金型収益を積み上げる構造を持つ。パブリックソリューションでは防衛・社会インフラ向けの受注型ビジネス、エンタープライズソリューションでは全国保守網を活かした金融機関向けワンストップサービスを展開。
経営計画2031では「導入・売り切り型から運用・保守・更新を含む長期契約型」への収益構造転換を明示している。
企業の強み
パブリックソリューション事業は2026年3月期に売上高139,711百万円、営業利益18,141百万円、営業利益率13.0%を達成。水中音響技術を中心とする特機システム事業は防衛需要拡大を背景に堅調な受注を維持しており、長年の技術蓄積と実績が参入障壁を形成している。
エンタープライズソリューション事業は2026年3月期に売上高150,573百万円、営業利益率6.8%を確保。大型案件剥落の影響下でも生産効率化により7%の営業利益率を維持した。全国規模の保守・運用サービス網とATM監視サービス等のストック型収益が収益安定性を支えている。
OKIはCFB(Crystal Film Bonding)技術を用いた300mmシリコンウエハー上への光半導体異種材料集積技術を開発。EMS子会社OKIサーキットテクノロジーは次世代AI半導体検査装置向け124層PCBの技術開発に成功。
ドイツFraunhofer HHIとの包括的共同研究契約締結など、光電融合・GaNパワー半導体分野での独自技術基盤を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期352,064百万円→2024年3月期421,854百万円と拡大後、2026年3月期は421,635百万円(前期比6.8%減)に反落。エンタープライズソリューションの大型案件剥落が主因。
営業利益は18,844百万円(前期比1.2%増)とほぼ横ばいを維持し、パブリックソリューションの増益がカバーした。親会社株主帰属当期純利益は21,510百万円(前期比72.4%増)と大幅増益だが、事業譲渡益5,122百万円・投資有価証券売却益4,343百万円の特別利益計9,465百万円が寄与しており、経常ベースの実力利益は20,774百万円(前期比23.6%増)。
自己資本比率は40.5%(前期35.4%)へ改善し財務体質は強化された。2027年3月期は売上高440,000百万円・営業利益22,000百万円の増収増益を予想。
成長戦略
新経営計画2031初年度として守りから攻めへ経営シフト、3セグメント再編で成長加速
2026年4月の組織変更に伴い、2027年3月期からパブリックソリューション・金融ソリューション・コンポーネント&マニュファクチャリングの3セグメントに再編。守りから攻めへの経営シフトを掲げ、2027年3月期に営業利益率5%以上を計画。
社会インフラソリューション事業の伸長と防衛需要拡大(水中音響を中心とした特機システム)を背景に増収増益を達成。2027年3月期は売上高147,000百万円・営業利益18,000百万円を計画(前期比営業利益△11.3%)。
OKI DATA MANUFACTURING (THAILAND)CO., LTD.をエトリア株式会社へ承継し連結範囲から除外。事業譲渡益5,122百万円を計上するとともに、コンポーネントプロダクツ事業の固定費削減と収益安定化を推進。
部品事業の回復によりEMS事業が前期の営業損失803百万円から営業利益986百万円へ黒字転換。2027年3月期の新セグメント「コンポーネント&マニュファクチャリング」では売上高139,000百万円・営業利益5,000百万円(前期比163.2%増)を計画。
「その他」セグメントにてフォトニクス・パワー半導体の量産化準備やシリコンバレー拠点でのスタートアップ連携を継続。2026年3月期の営業損失は1,582百万円と前期比拡大しており、成長投資として位置づけ。2031年創業150周年に向けた新事業創出が長期目標。
最終更新: 2026年7月19日

