セキュリティインシデントリスク
サイバー攻撃の高度化・巧妙化に加え、生成AIやAIエージェントを悪用した新たな攻撃手法の出現により、顧客システムや社内ネットワークの運用停止・情報漏洩リスクが高まっている。情報漏洩が発生した場合、個人情報保護法やGDPRに基づく罰金・制裁金の賦課、企業ブランド価値の毀損、ビジネス機会の喪失が生じる可能性がある。対策として、ゼロトラストを前提とした認証・認可基盤の構築、全社セキュリティリスクマネジメントスキームの整備、サプライチェーンのセキュリティ強化施策を推進している。
製品・サービス品質リスク
システム受託開発や製品・サービスの運用・保守において、顧客要求の高度化・システムの複雑化により開発難度が高まり、欠陥・瑕疵・納期遅延・不採算プロジェクトが発生するリスクがある。これらが顕在化した場合、製品回収・補修費用、顧客への補償、機会損失が発生し、売上および損益に影響を及ぼすほか、対応過程での不適切な行為により企業レピュテーションが低下する可能性がある。対策として、富士通グローバル品質指針およびQuality Management Systemを整備し、社長直下の全社品質管理組織による品質改善活動を継続している。
自然災害・感染症リスク
気候変動による自然災害の頻度・影響度の増大や、首都直下・南海トラフ等の巨大地震、感染症パンデミックの発生により、事業所機能停止・IDC停止・サプライチェーン寸断等が生じ、クラウドサービスを含むサービス提供や製品出荷が停止する可能性がある。全社防災組織の編成と各種訓練の継続実施、事業継続計画(BCP)の策定・見直し、グローバル全従業員へのe-Learningによる教育を通じて事業継続マネジメント(BCM)の強化を図っている。
コンプライアンス違反リスク
グローバルビジネス展開において、競争法・贈賄禁止法・輸出管理法等の国内外の法令・規制に違反した場合、多額の課徴金・損害賠償請求に加え、顧客からの指名停止や取引先からの取引停止によるビジネス機会損失が生じる可能性がある。不正会計等が発生した場合には有価証券報告書の提出不能や訂正、株価下落、株主からの損害賠償請求に至り、社会的信用が大きく損なわれるリスクがある。Global Compliance Programの枠組みの下、社内ルール・規程の整備、役員・従業員へのコンプライアンス教育、内部通報制度の運用により対応している。
公的規制・経済安全保障リスク
米国による関税措置等、各国・各地域の経済安全保障政策によるグローバル企業活動への規制・制約が強化される傾向にあり、対象ビジネス市場やサプライチェーンへの影響、対応コストの増加、ビジネス機会の損失が生じる可能性がある。通信・医療・個人情報取扱い等の公的規制の影響を受けやすい領域でのソリューション提供においても、規制動向が事業活動に影響を与える可能性がある。主要国政府関係者とのコミュニケーション体制を構築し、各省庁・業界団体からの情報収集・分析を通じて規制・政策動向を継続的に把握している。
競合・技術革新リスク
ICT業界では技術進歩のスピードが速く、市況変化・競争激化・技術革新により製品・サービスの価格下落が生じる可能性があり、十分なコストダウンや販売拡大を実現できない場合、売上および損益に影響を及ぼす。技術開発競争において競争優位性を維持できない場合には市場シェアや利益率が低下するリスクがある。市場・競争環境の定期的な分析、競争力ある製品・サービスのラインナップ拡充、先端技術への継続的な研究開発投資により技術・サービスの優位性確保に努めている。
為替・金利・資本市場リスク
グローバル事業展開において、急激な為替変動は海外製品・サービスの価格競争力低下や調達コスト増加を招き、海外ビジネスの売上および損益に大きく影響する。金利上昇により有利子負債の支払利息・調達コストが増加するほか、株式市場の低迷は保有株式の評価減や年金資産の目減りに伴う会社負担増大をもたらす可能性がある。為替予約等のヘッジ実施、金融市場環境の継続的なモニタリング・分析、グループ内での定期的な情報共有により影響の最小化を図っている。
人材確保・流出リスク
当社グループの成長と利益は人材に大きく依存しており、経営者・高度専門技術者等の必要人材を採用・育成できない場合、または流出を防止できない場合、重大な労務問題が発生した場合には、成長や利益に影響を及ぼす可能性がある。ジョブ型人事制度の導入・高度専門技術者への個別処遇、ポスティング制度・リスキリングプログラムの拡充、テレワーク勤務を基本とした柔軟な勤務形態の活用により、優秀な人材の確保と活躍できる環境整備を推進している。
調達・サプライチェーンリスク
汎用的でない部品や希少性の高い原材料の調達において、自然災害・感染症・国際情勢不安定化等により安定調達が困難となり、製品・サービスの提供遅延や機会損失が発生する可能性がある。為替動向や需給逼迫等による調達価格の上昇は製品・サービスの利益率悪化や売上減少につながるリスクがある。調達のマルチソース化・適正在庫確保、取引先へのBCM働きかけ・支援強化、富士通グループサステナブル調達指針の展開によりサプライチェーンのレジリエンス強化を図っている。
人権・AI倫理リスク
欧州を中心に人権デューデリジェンスの義務化が進展し、自社およびサプライチェーン上(労働環境・紛争鉱物等)における人権リスクが顕在化した場合、人材流出・ビジネス機会損失・行政罰による社会的信用失墜が生じる可能性がある。急速に普及するAI技術を利用したビジネスにおいて人権侵害事象が発生した場合、損害賠償・制裁金等の経済的損失および社会的信用失墜につながるリスクがある。富士通グループ人権ステートメントの制定・周知、AIコミットメントに基づくAI倫理審査・AIリスクマネジメントの全社ルール化、外部専門家によるAI倫理外部委員会の定期開催により対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

