事業内容
サクサ株式会社は、1938年創業の田村電機製作所と大興電機製作所を源流とし、2024年に持株会社から事業会社へ移行した情報通信システム機器メーカーである。プロダクト事業(ビジネスホン・UTM等)、システム事業(映像ソリューション)、EMS事業(電子機器受託製造)、デバイス事業(有機ELディスプレイ)の4事業を展開し、全国約25万社の顧客基盤を持つ。
連結子会社6社(株式会社ソアー、株式会社システム・ケイ、株式会社ニューテック等)を擁し、2026年3月期の営業収益は44,099百万円。主要顧客はNTTグループ(売上比24.5%)をはじめとする中堅・中小企業および通信事業者である。
ビジネスモデル
収益の柱はサクサブランド事業(14,845百万円)とOEM事業(17,677百万円)の2本柱で、これに映像ソリューションのシステム事業(6,269百万円)と有機ELデバイス事業(5,306百万円)が加わる。自社ブランド製品は全国約25万社の顧客基盤へのクロスセルで継続的な需要を創出し、OEM・EMS事業は取引先の製品開発を一気通貫で受託することで長期的な取引関係を構築する。
研究開発費3,516百万円を投じ、通信・映像・AI・セキュリティ技術を融合した製品・サービスを継続的に提供する。
企業の強み
ビジネスホン・UTM等のプロダクト事業を通じて構築した全国約25万社の顧客基盤を保有する。この基盤を活用し、「Office AGENT」によるITの包括的ソリューション提供やクロスセルを推進しており、既存顧客向け販売の拡大が2026年3月期のサクサブランド事業売上高前期比736百万円増に寄与した。
株式会社ソアーは29年間の有機EL(OLED)ディスプレイ生産実績を持ち、独自の膜封止技術・製造設備を蓄積している。他社では実現困難なカスタムOLEDの量産対応力が顧客から高く評価され、2026年3月期の有機ELデバイス事業受注高は前期比207.4%と大幅に拡大した。
2026年3月期末の純資産は32,727百万円、自己資本比率は61.2%と財務健全性が高い。さらに相模原市不動産の三菱地所への譲渡(2026年4月完了、概算譲渡益23,244百万円)により、中期経営計画期間中に不動産売却260億円・有利子負債活用70〜90億円のキャッシュインが見込まれ、成長投資・株主還元の原資が確保されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2022年3月期30,793百万円から2026年3月期44,099百万円へ5期連続増収。ただし2026年3月期の増収幅は前年比34百万円(+0.1%)と実質横ばいに留まった。
利益面では営業利益2,089百万円(前年比△37.3%)、当期純利益1,375百万円(前年比△60.7%)と大幅減益。外部要因として材料費・人件費の上昇が製造原価を押し上げ(売上原価30,946百万円)、内部要因として成長投資に伴う販管費増加(11,063百万円)が重なった。
ROEは前年11.8%から4.3%へ低下。2027年3月期業績予想は中期経営計画見直し中のため未定。
成長戦略
4重点事業領域への集中と新中期経営計画によるコスト構造抜本見直し
2026年2月27日設置の事業構造変革委員会が、現計画レビュー・4重点事業の成長戦略・米沢アドバンスドファクトリー構想・キャピタルアロケーション・株主還元・事業構造変革の6骨子で新計画を策定中。2026年6月5日公表予定。
2026年3月25日付で完全子会社化(取得原価5,135百万円、のれん2,530百万円)。ストレージ技術・顧客基盤を取り込み、映像・AI・ストレージを統合した高度ソリューションの提供を目指す。当連結会計年度は貸借対照表のみ連結、損益貢献は2027年3月期から本格化。
米沢地区の既存拠点を活用し、開発からサービスまでを一貫して担う共創型製造拠点への進化を目指す。2025年5月21日に構想を発表し準備を進行中。横浜・札幌・八戸イノベーションセンター(仮称)および米沢モノづくりセンター(仮称)の創設も決定。
2026年4月1日に相模原市土地を譲渡し、概算譲渡益23,244百万円を2027年3月期に計上予定。特別配当(総額約30億円)を当初5年10回から2.5年5回に前倒し実施する方針に変更。2026年3月期年間配当は305円(株式分割前)と前年165円から大幅増配。
株式会社ソアーの有機EL(OLED)製造技術を核に、量産案件を中心に受注が堅調推移。独自の膜封止技術をフレキシブル基板のバリア膜形成に応用した次世代デバイスを開発中。生産能力向上と性能向上を目標とした積極設備投資を計画。
最終更新: 2026年7月19日

