事業内容
寺崎電気産業は1923年創業の電気機器専業メーカーで、船舶用配電制御システム・機関監視制御システム等のシステム製品と、低圧遮断器(気中・配線用・漏電)等の機器製品を両輪とする。主要顧客は造船業界(LNG運搬船・コンテナ船・ばら積み船等)のほか、ビル・工場・鉄道・プラント向け産業用途にも展開。
国内(日本)・アジア(シンガポール・中国・マレーシア)・ヨーロッパ(英国)の3セグメントで事業を展開し、海外売上比率は約55%に達する。連結子会社12社を含むグループ全体の2026年3月期売上高は62,859百万円。
ビジネスモデル
システム製品は顧客個別仕様に基づく受注生産で、船舶・産業向けに高付加価値の配電制御システムを提供する。機器製品(低圧遮断器等)は計画生産で安定供給を図る。
さらにエンジニアリング・ライフサイクルサービス(予防保全・レトロフィット・船員トレーニング等)がアフターマーケット収益を創出し、グローバル・サービス・ネットワーク(GSN)を通じて世界各拠点で顧客接点を維持する。
企業の強み
日本・米国・英国・フランス等の主要船級協会規則に適合した製品を製造・供給できる認証基盤を保有。LNG運搬船・コンテナ船・ばら積み船等の全船種向けに実績を積み上げており、2026年3月期のシステム製品受注残高は69,742百万円と高水準を維持している。
シンガポール・中国・マレーシア・英国に製造・販売拠点を持ち、海外売上比率は約55%。アジアセグメント売上高は2026年3月期に27,210百万円(前期比22.6%増)と急拡大しており、グローバルな生産能力増強(海外設備増強)も実施済みである。
中期目標として連結営業利益率8%以上・自己資本比率55%以上を掲げ、2026年3月期は営業利益率9.9%・自己資本比率68.1%と双方を達成。有利子負債残高6,629百万円に対し現金及び現金同等物13,929百万円を保有し、財務基盤は堅固である。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期37,856百万円から2026年3月期62,858百万円へ5期連続増収(CAGR約13.5%)。営業利益率は2022年3月期4.3%から2026年3月期9.9%へ大幅改善。
ただし2026年3月期の当期純利益は4,188百万円と前期比5.9%減少(前期の繰延税金資産計上等の剥落が主因)。外部業績ドライバーとして、造船業界の高水準な手持ち工事量・LNG運搬船需要・国内省力化投資が売上を押し上げた一方、銅等の原材料価格高騰と円高基調が利益率を下押し。
2027年3月期は売上高69,520百万円・営業利益5,730百万円と増収減益を予想しており、収益性の一時的な調整局面に入る見通し。
成長戦略
造船受注残の確実な売上化とグリーン・デジタル関連プロジェクトへの積極参画
2026年3月期末の受注残高69,742百万円(前期末比10,325百万円増)を確実に売上へ結び付ける。LNG運搬船・コンテナ船・ばら積み船向けシステム製品の生産・納期管理を強化し、アジアセグメントを中心に売上拡大を図る。
国内における発電プラント・コージェネレーションシステム等の分散型エネルギー関連向け産業用システム製品の拡販、および陸電供給システム等の環境対応製品の需要取り込みを推進。海上輸送の脱炭素に向けた次世代燃料船向け製品開発も継続。
生成AI活用拡大等による電力需要増加を背景とした設備投資需要に対応し、産業用配電制御システム・船上データ収集装置等のデジタル関連製品の販売を強化。国内の省力化・デジタル化投資需要を積極的に取り込む。
既納入製品の予防保全・アフターサービス・換装工事等のライフサイクルサービスを拡充し、継続的な収益基盤を強化。ヨーロッパセグメントでは船舶向けブレーカ更新工事が増加しており、グローバルでのサービス収益拡大を図る。
透明性の高い経営実現と経営機動性向上の両立を図る。2026年3月期は年間配当53円(前期比13円増)、自己株式取得3,499百万円を実施。2027年3月期は年間配当56円(予想)を計画し、配当性向18.3%を見込む。
最終更新: 2026年7月19日

