原材料・部品の調達リスク
地政学的緊張(ロシア・ウクライナ、中東情勢)や経済安全保障政策の強化により、原材料価格の上昇・物流遅延・輸送コスト増加が顕在化している。生成AI普及に伴うデータセンター投資急増で高性能半導体の需給が逼迫し、当社グループが使用する半導体メモリーの調達難易度上昇・リードタイム長期化・価格上昇リスクも高まっている。対策としてマルチソーシング推進・戦略在庫保有・調達先分散化を進めているが、想定を超える供給制約が生じた場合は製品供給遅延やコスト増加を通じて業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。
グローバル物流リスク
紅海・スエズ運河航路の不安定化によりアジア―欧州間で輸送ルート変更(喜望峰経由)を余儀なくされ、物流リードタイムの長期化と海上運賃の上昇が発生している。ホルムズ海峡封鎖の長期化懸念によるエネルギー供給逼迫・燃料価格急騰が海上・航空輸送コストをさらに押し上げるリスクも顕在化しつつある。国内では2024年問題に伴うドライバー不足・人件費高騰による輸送能力制約も継続が見込まれ、製品総原価の見直しや出荷頻度調整で対応しているが、想定超の問題発生時は事業・業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。
経済状況変化による需要変動
世界的な景気後退・インフレ長期化・金利上昇・為替変動等のマクロ経済環境の変化が、個人顧客向け製品の販売数量・販売単価に影響を与えるほか、公的機関・法人顧客向けでは設備投資縮小や案件延期・中止を引き起こす可能性がある。特に経済減速局面や政治的不確実性が高まる局面では、自国優先的な政策運営の影響等により受注環境が変動するリスクがある。当社グループは予測からの変化を常にモニタリングし、コンティンジェンシープランを含むリスクマネジメントプランに則り対応しているが、複数市場での同時悪化が生じた場合は業績・財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
為替・金利変動リスク
売上収益の5割以上が海外向けであり、外貨建て取引コスト・価格および連結財務諸表の円換算において為替変動の影響を受ける。一般的にユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化するという非対称な感応度を有している。為替予約等のヘッジ取引や固定金利調達比率の引き上げで対応しているが、想定を超える長期的な不利な為替変動や急激な金利上昇が生じた場合は業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。
業界動向変化・競争激化
デジタル化・AI・ソフトウェア技術の高度化により製品・サービスの境界が曖昧化し、隣接業界・異業種からの参入や業界横断的な競争激化が進行している。競合他社による組織再編・M&A・積極的な価格戦略により、当社グループの市場シェア維持や収益性確保が困難となるリスクがある。当社グループは重点事業領域への経営資源シフトや差別化技術強化・パートナー連携を推進しているが、競争環境の変化が想定を超える速度・規模で顕在化した場合は事業・業績・財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性がある。
技術革新への対応リスク
AI・ソフトウェア・データ活用等の技術領域の拡大・複雑化が進む中、研究開発への継続的な資金・資源投入が必要であり、脱炭素対応等の環境技術開発にも多額の投資を要する可能性がある。競合他社による急速な技術革新や外部プラットフォームへの依存度上昇により、当社グループの製品・サービスの競争優位性が低下するリスクがある。AI・ソフトウェア分野の専門人材の確保・育成が計画どおり進まない場合や人材流出が生じた場合は商品化開発が停滞し、市場シェア低下・売上収益確保困難につながる可能性がある。
情報セキュリティリスク
顧客個人情報・取引情報・サプライチェーンパートナーとの機密情報が不正アクセス等により外部流出するリスクに加え、製品の脆弱性に起因するサイバー攻撃によるシステム機能不全・サービス提供遅延のリスクがある。2024年2月に実際にセキュリティインシデントが発生しており、生産拠点のセキュリティ管理体制改善に継続的に取り組んでいる。JK-CIRT/CCを中心とした全社横断的なインシデント対応体制の構築・セキュリティ教育の推進を進めているが、事象発生時は損害賠償・対応コスト増加・ブランド価値毀損等を通じて事業・業績・財務状況に重大な影響を及ぼす可能性がある。
人材確保・喪失・高齢化
高度な専門知識・経験を持つ従業員の賃金水準・待遇の相対的低下等による社外流出や、人員構成比率の高い50代従業員退職後の人材補充が適正に行われない場合、技術・業務ノウハウの伝承が困難となり企業競争力が低下するリスクがある。2026年5月策定の「VISION2030」に基づく人的資本経営の実践、マルチスキル人材育成・戦略的採用・キャリア開発プログラム「JVCKENWOOD CAREER DESIGN」の推進により対応している。ただし、これらの施策が計画どおりに機能しない場合は事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性がある。
法的規制・コンプライアンス
日本および諸外国・地域において、環境規制・個人情報保護・競争法・安全保障輸出管理等の法令・規制が継続的に強化・新設される傾向にあり、対応遅延や解釈相違が生じた場合は追加コスト負担・課徴金・事業活動制限等が発生する可能性がある。コンプライアンス違反が発生した場合は行政処分・訴訟提起にとどまらず、社会的信用低下・ブランド価値毀損・取引先との関係悪化等の中長期的な悪影響が生じるリスクがある。当社グループは「JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準」の整備・内部通報制度の運用・グループ全体へのコンプライアンス研修等を通じてリスク低減に取り組んでいる。
自然災害・地政学リスク
東南アジアの洪水リスク・南海トラフ地震の発生確率に加え、2026年2月に米国・イスラエルによるイランとの軍事衝突が勃発し中東全域で緊迫した状態が続いており、台湾海峡リスクの顕在化可能性も認識している。これらのリスクが顕在化した場合、生産拠点の操業停止・サプライチェーンの寸断・原材料・エネルギー価格高騰によるコスト増加が生じ、重大災害時には売上減少や特別損失の計上等が発生する可能性がある。危機対応マニュアルの整備・BCP訓練・安否確認訓練・保険付保を含む事業継続マネジメント(BCM)を推進しているが、想定を上回る被害が生じた場合は業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

