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株式会社JVCケンウッド

6632東証プライム電気機器

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株式会社JVCケンウッド6632

事業内容

JVCケンウッドは、ビクターとケンウッドの経営統合(2008年)を経て誕生した電子機器メーカーで、当社及び連結子会社61社・関連会社5社で構成される。事業は「モビリティ&テレマティクスサービス」「セーフティ&セキュリティ」「エンタテインメント ソリューションズ」の3分野に区分される。

車載AV・ナビ・ドライブレコーダーから業務用デジタル無線機・監視カメラ、プロジェクター・ヘッドホン・音楽コンテンツまで幅広い製品群を持ち、北米・欧州・アジアを含むグローバル市場に製品を供給する。主要顧客は自動車メーカー(OEM)、北米公共安全機関、一般消費者など多岐にわたる。

ビジネスモデル

国内外の生産拠点(インドネシア・タイ・マレーシア・イタリア等)で製造し、各国販売子会社を通じて市場に供給する垂直統合型モデルを採る。売上収益の約55%をモビリティ分野が占め安定的な収益基盤を形成する一方、セーフティ&セキュリティ分野(事業利益率13.5%)が全社利益を牽引する構造。

価格改定・固定費削減・事業ポートフォリオ最適化を通じて収益性向上を図る。

企業の強み

セーフティ&セキュリティ分野は2026年3月期に売上収益94,695百万円、事業利益率13.5%を実現。EF Johnson Technologies(P25対応)やRadio Activity S.r.l.(DMR対応)を傘下に持ち、NXDN・DMR・P25の複数デジタル規格に対応した製品群を展開。

北米公共安全市場でのブランド・販売網・技術規格対応力は競合が短期間で模倣困難な固有優位性である。

モビリティ分野ではASK Industries S.p.A.(伊)による欧州OEM向け車載スピーカー・アンプ等が堅調に推移し、国内用品事業も好調を維持。中国経済低迷によるJKHL減収を他拠点でカバーし、分野全体で減収下でも事業利益は前年比10.6%増の5,399百万円を達成。

地域・顧客・製品の分散が単一市場依存リスクを低減している。

2026年3月期の研究開発費は総額185億円(モビリティ107億円、セーフティ60億円、エンタテインメント18億円)。Mini LEDバックライト搭載車載ナビ(業界初)、FAA Level D認定プロジェクター、センサーフュージョンカメラ等の独自技術を製品化。

京都大学・佐賀大学・名古屋大学との共同研究も推進し、知的財産の継続的蓄積を図っている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期のセーフティ&セキュリティ分野は部品供給不足と米国政府機関閉鎖による予算執行遅延が重なり、事業利益が前期比5,842百万円(31.4%)の大幅減益となった。2027年3月期予想では同分野の回復を前提に全社事業利益を23,400百万円(前期比12.1%増)と見込むが、米国政府の予算執行動向(外部要因)が計画達成の最大変数であり、上期を中心に遅延影響が残ると会社自身も想定している点は注視が必要。

2026年3月期はモビリティ分野のアフターマーケット事業とエンタテインメント分野のメディア事業が米国関税措置の影響を受けて減収となった。一方、損益為替レートは米ドル約151円・ユーロ約175円と前期(米ドル約153円・ユーロ約164円)比でユーロ高が進行し、その他の資本の構成要素(外貨換算差額)が10,175百万円増加して包括利益を押し上げた。

2027年3月期は米ドル155円・ユーロ180円を前提としており、関税影響の軽減と円安効果の継続が業績予想の前提となっている。

2026年3月期の親会社帰属当期利益は16,787百万円と前期比17.2%減益となり、2期連続の減益となった。特に法人所得税費用が前期2,466百万円から4,694百万円へほぼ倍増しており、実効税率が大幅に上昇した。

2027年3月期予想では当期利益15,000百万円(前期比10.6%減)とさらなる減益を見込んでおり、売上収益・事業利益の回復が当期利益の改善に直結しない構造となっている点は投資家が留意すべき課題である。

成長戦略

「VISION2030」のもと顧客価値創造企業への進化と総還元性向30〜45%の株主還元強化を推進

部品供給不足影響からの回復を図りつつ、北米公共安全市場でのアナログからデジタルへの置き換え需要および危機管理対応需要を取り込む。2027年3月期は上期の米国政府予算執行遅延影響を想定しつつも、通期での回復を見込む。

2026年5月1日に「VISION2030」を発表。製造販売業から顧客価値創造企業への進化を目指し、3分野での事業拡大・ポートフォリオ最適化・資本効率改善を推進する。総還元性向の目安を従来の30〜40%から30〜45%に引き上げ、安定配当と継続的増配を基本方針とする。

2026年3月期は年間配当18円(前期15円から増配)を実施し、自己株式を合計約594万株(取得総額約80億円)取得。当期総還元性向は約33%。2027年3月期は年間配当20円を予想し、総還元性向30〜45%の範囲内で機動的に自己株式取得を継続する方針。

エンタテインメント事業でコンテンツ販売が好調に推移し、2026年3月期に前期比約32億円の大幅増収を実現。メディア事業は米国関税措置影響の減少による回復を2027年3月期に見込む。コンテンツ配信等デジタルビジネスの拡大により収益構造の改善を図る。

最終更新: 2026年7月19日