事業内容
SEMITEC株式会社は1958年創業のセンサ専業メーカーで、温度センサ(サーミスタ)を中心にバルクセンサ・薄膜センサ・赤外線センサ等を開発・製造・販売する。国内千葉工場を研究開発・生産の中核拠点とし、米国・香港・台湾・韓国・フィリピン・タイ・ベトナム・インド・ドイツ等に計13社の連結子会社を展開する。
主要顧客は自動車(HEV車バッテリー・モーター用)、医療(血糖値測定器)、産業機器、家電・住設、OA機器メーカーで、売上高の8割以上を海外が占める真のグローバル企業である。2026年3月期の連結売上高は25,458百万円。
ビジネスモデル
消費地に近い場所での「消費地生産」と低コスト労働力を活用した「適地生産」を組み合わせ、フィリピン・タイ・ベトナム・中国等の海外拠点で製品を製造し、各地域の販売子会社を通じて顧客に直接販売する。日本・中華圏・その他アジア・北米の4セグメントで地域別に収益を管理し、自動車・医療・産業機器等の用途多様化により収益の安定化を図る。
主要経営指標は営業利益金額およびROIC(目標9%以上、2026年3月期実績11.0%)。
企業の強み
1992年から半導体薄膜技術を活用した薄膜センサの製造を開始し、30年超の技術蓄積を持つ。千葉工場のワールドテクノロジーセンターが統括する研究開発費は2026年3月期に1,173百万円に達し、医療用小型センサや高精度ペアリング技術など他社が容易に模倣困難な製品群を継続的に創出している。
2026年3月期末の自己資本は23,854百万円、自己資本比率は77.4%。現金及び現金同等物9,619百万円に対し有利子負債残高は2,270百万円にとどまり、現預金が有利子負債を大幅に上回る実質無借金経営を維持している。
この財務余力が設備投資(2026年3月期2,773百万円)や自己株式取得(同2,399百万円)を可能にしている。
日本・中華圏・その他アジア・北米の4セグメントで売上を分散し、自動車・医療・産業機器・家電・OA機器と用途も多様化している。フィリピン・タイ・ベトナム・韓国・インド等13社の海外拠点を通じた直販体制により、特定地域・用途への過度な依存を抑制しつつ、各地域固有のニーズを取り込む販売力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2022期21,072百万円→2025期25,334百万円と成長を続けたが、2026期は25,458百万円(前期比0.4%増)と成長が事実上停滞。営業利益は2025期の3,916百万円(過去最高)から3,535百万円へ9.7%減少し、利益率も15.4%から13.8%へ低下。
外部要因として原材料価格高騰・人件費増加が売上総利益を圧迫。自動車用途(市場環境として外部要因)は前期比6.1%増と堅調だったが、家電・住設(同12.1%減)・OA機器(同12.1%減)の需要減が相殺。
2027期は薄膜サーミスタ設備稼働に伴う減価償却費増加が追加的な収益圧迫要因となる見通し。
成長戦略
自動車・医療の重点市場拡販と薄膜サーミスタ新設備稼働で収益基盤を再構築
2026年3月期に固定資産取得2,614百万円を投じ薄膜サーミスタ新規生産設備への投資を実施。2027年3月期より稼働開始予定で、一時的に減価償却費が増加するが、高付加価値製品の生産能力強化により中長期的な収益改善を目指す。
自動車用途は2026年3月期に10,004百万円(前期比6.1%増)と全用途最大に成長。韓国系HEV向けバッテリー・モーター用センサ、北米医療向け血糖値測定器センサを引き続き重点拡販。北米セグメント利益は前期比11.2%増の1,050百万円を達成し、成長軌道を維持している。
江蘇興順電子有限公司の出資持分譲渡(2026年3月期完了)により生産集約を実施。中華圏セグメントは減収下でも利益5.8%増を達成し、コスト削減効果が顕在化。引き続き中国子会社の効率化を推進し、収益性の維持・向上を図る。
2026年3月期配当は1株当たり47円(前期40円)に増配し、配当性向17.0%。2027年3月期は56円を予定(配当性向26.2%)。自己株式取得も2,400百万円実施し、総還元額は2,825百万円に達した。減益局面でも還元強化を継続する方針を明示。
最終更新: 2026年7月19日

