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ダブル・スコープ株式会社

6619東証プライム電気機器

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ダブル・スコープ株式会社6619

事業内容

ダブル・スコープ株式会社は、2005年設立のリチウムイオン二次電池(LiB)用セパレータを主力とするメンブレン技術専業企業。韓国・忠清北道に生産拠点を持つ連結子会社W-SCOPE KOREA CO.,LTD.(WSK)および持分法適用関連会社W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.(WCP)が製造を担い、アジア・欧州・米国の電池メーカーやリチウム精製プラントに販売する。

セパレータ事業に加え、同技術を応用したイオン交換膜事業(双極電気透析BPEDモジュール等)を2026年1月期より新規セグメントとして立ち上げ、POSCOグループ向けに量産販売を開始している。東京証券取引所プライム市場上場(上場維持基準の改善経過措置中)。

ビジネスモデル

数ミクロン単位の厚さ管理と直径100ナノメートル前後の微孔を均一分布させる高度な成膜技術を核に、LiB用セパレータおよびイオン交換膜を製造・販売する。顧客の月次・四半期購入計画を基に見込生産を行い、アジア・欧州・米国市場へ出荷する。

設備投資資金は株式市場および金融機関からの長期借入金で調達し、運転資金は短期借入金を活用する構造。当期借入金残高は7,876百万円。

企業の強み

2005年の創業以来20年にわたりLiB用セパレータの開発・製造に特化し、数ミクロン単位の厚さ管理と直径100ナノメートル前後の微孔均一分布技術を蓄積。この技術基盤をイオン交換膜(CEM・AEM・BEM)へ応用し、柔軟な製品設計と高い価格競争力を実現している。

研究開発はWSK内の35名体制の研究所が担う。

2026年1月期よりイオン交換膜事業を新規セグメントとして立ち上げ、売上高1,419百万円・セグメント利益504百万円を計上し黒字を達成。POSCOグループ向けBPEDモジュール供給が主力で、セグメント資産5,053百万円に対して収益を生み出している。

セパレータ事業が赤字の中、唯一の利益貢献セグメントとなっている。

WSKは韓国産業団地公団との間で2055年まで(10年毎更新)の土地賃貸借契約を複数締結し、忠清北道梧倉に合計143,000平方メートル超の生産用地を確保。外国人投資促進法に基づく賃借料減免措置の適用条件を満たしており、長期的な低コスト生産基盤を維持している。

エンヴァリスの着眼点

継続的な営業損失の計上により、Q1末時点でも継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象が存在する。利益剰余金の累積赤字は30,192百万円に拡大。

通期予想でも営業損失2,400百万円・純損失4,400百万円を見込んでおり、第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の権利行使(Q1で資本金・資本剰余金各220百万円増加)による希薄化リスクも継続している。

Q1売上高は1,386百万円と前年同期比83.2%増と回復基調にあるが、持分法による投資損失1,682百万円(うちWCP発行転換社債に係る評価損932百万円)が経常損失を2,028百万円に押し上げている。関連会社WCPの財務状況が親会社の損益に直接影響する構造であり、WCPの業績回復なくして連結ベースの黒字化は困難な状況が続いている。

欧州EV市場は前Q4に底を打ったとの認識だが回復は緩やか。ESS向けセパレータはQ1出荷開始が遅延しており、第3四半期以降に上期遅れ分を上回る出荷を見込む。

Samsung SDI社との協議ではQ4以降の需要回復を期待するが、外部要因として中東情勢長期化に伴う原油・ナフサ価格上昇リスクや北米EV市場の伸び悩みが事業計画の下振れ要因となりうる。

成長戦略

ESS・イオン交換膜への用途多様化と顧客分散で業績回復を目指す

顧客の電池生産をEV用からESS用にシフトする動きに対応し、第3四半期以降にESS向けセパレータ出荷が上期遅れ分を上回る水準に回復することを見込む。顧客との出荷計画調整を進行中。

WCPの主要顧客であるSamsung SDI社との協議において、当第4四半期以降からの需要回復を見込む。欧州EV市場が前Q4に底を打ったとの認識のもと、段階的な回復を期待している。

POSCOグループ既存2案件の安定稼働に加え、新規複数社からの引き合いに対してサンプル提出対応を進めており、来期以降のイオン交換膜販売拡大に寄与する見込み。水処理・水電解など新用途への参入も計画。

人件費・水道光熱費・梱包運搬費などの費用削減活動、成膜ライン新工法の大型ラインへの展開、製造工程自動化システムの新規設備導入を積極的に推進。Q1で人件費68百万円・減価償却費70百万円・在庫評価損222百万円の削減効果を確認。

新規顧客とのハイエンド車載EV向けおよびESS向け電池の量産販売準備を進めており、セパレータ事業の顧客分散と収益基盤の多様化を図る。

最終更新: 2026年7月17日