事業内容
株式会社QDレーザは2006年に富士通・東京大学の産学連携から生まれた半導体レーザ専業メーカーで、東証グロース市場に上場。量子ドットレーザ・小型可視レーザ・高出力レーザ等を軸とするレーザデバイス事業と、網膜投影技術(VISIRIUM Technology)を核とするレーザ・オプティカルソリューション事業の2セグメントを展開する。
主要顧客はBeckman Coulter、Fabrinet等のグローバル企業を含むバイオメディカル・精密加工・光通信・センサ分野の法人顧客。MBE法による結晶成長を自社で担い、チップ加工・モジュール実装は協力会社に委託するファブレス製造体制を採用している。
ビジネスモデル
コア工程であるMBE法による半導体結晶成長・レーザ設計・品質検査を自社で担い、チップ加工・モジュール実装は協力会社に委託するファブレス体制により固定費を抑制。レーザデバイス事業では認定製品数(2026年3月期末124製品)を積み上げ、グローバル法人顧客への直販・代理店販売で継続的な売上を確保。
レーザ・オプティカルソリューション事業では開発受託・光学モジュール販売・民生機器販売を組み合わせたB2B型モデルへ転換中。
企業の強み
MBE法による量子ドット結晶成長は他社が短期間で模倣困難な独自ノウハウ。温度安定性(-40℃〜120℃)・高温動作(200℃以上)・低ノイズ特性を持つ量子ドットレーザを世界で初めて実用量産化(2010年)し、シリコンフォトニクス向け光源として世界の主要ベンダーと共同開発を進めている。
532nmから1310nmまでの幅広い波長帯をカバーし、バイオメディカル・精密加工・センサ・光通信等の多様な用途に対応。2026年3月期末の量産認定製品数は124製品(前期比15%増)で、Beckman Coulter・Fabrinet等のグローバル大手を含む認定顧客基盤を継続的に拡大している。
結晶成長・設計・検査を自社で担い、チップ加工・モジュール実装を協力会社に委託するファブレス体制により、設備投資による固定費増大を抑制しつつ需要変動に柔軟に対応。2026年3月期の売上高総利益率は42.1%(前期33.9%)に改善し、棚卸資産評価損の減少と価格見直しの効果が表れている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期1,101百万円から2026年3月期1,373百万円へ5期連続増収。営業損失は2022年3月期の932百万円をピークに縮小が続き、2026年3月期は326百万円まで改善。
売上総利益率は42.1%(前期33.9%)へ大幅改善し、製造原価の効率化が進んだ。レーザデバイス事業では量子ドットレーザ(前期比76.3%増)・高出力レーザ(同9.4%増)が牽引。
外部要因として米国通商政策の不透明感や為替変動が輸出依存の同社業績に影響しうるが、当期は為替差益6百万円を計上。2027年3月期は売上高1,850百万円・営業利益3百万円の黒字転換を予想している。
成長戦略
レーザデバイス事業の拡大とソリューション事業の黒字化で2027年3月期全社黒字化を目指す
中小企業成長加速化補助金500百万円の交付決定を受け結晶成長装置の増設を決定・発注済み。量子ドットレーザは2026年3月期に前期比76.3%増と急拡大しており、増産体制強化により研究開発・シリコンフォトニクス向け需要を取り込む。
オールインワン小型可視レーザ「Lantana」の受注を開始。新波長の小型可視レーザや半導体検査用超高速DFBレーザの開発も継続中。小型可視レーザのウエハプロセス安定化を進め、顕微鏡用光源等の需要回復を図る。
2026年5月よりテストマーケティングを開始予定。新規販売チャネルの開拓と市場ニーズの検証を行い、レーザ・オプティカルソリューション事業の収益化に向けた製品ビジネスの再構築を図る。
スマートグラス向けアイトラッキング駆動システムを中心とした各種要素技術開発の受注が拡大し、開発受託売上は前期比28.0%増を達成。共同事業化を含めた他社との提携等により2027年3月期の黒字化を目指す。
2026年4月より神奈川県横浜市に移転し、本社および横浜戸塚サイトの2拠点体制で稼働開始。新拠点への内装工事完了・結晶成長装置契約金支出により有形固定資産が665百万円増加。移転関連費用の一部が2027年3月期も特別損失として計上見込み。
中小企業庁推進の「100億宣言」に参画し、今後10年間で売上高100億円超の達成を目指す中長期ビジョンを掲げる。補助金活用・設備投資・組織体制整備を通じて成長基盤を構築し、企業価値向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

