事業内容
エブレン株式会社は1973年創業の産業用コンピュータ専業メーカーで、バックプレーン・システムラック・ボードコンピュータ等を設計・製造・販売する。主な顧客は半導体製造装置・鉄道・防衛・医療・通信等の大手電子機器メーカー・機械装置メーカーであり、社会インフラ・産業インフラに組み込まれるコンピュータハードウェアを提供する。
国内に複数拠点(八王子・大阪・上野)を持ち、中国・蘇州に連結子会社を有する。2020年に東証スタンダード市場へ上場。
応用分野は計測・制御(売上構成比57.3%)を筆頭に、交通関連(19.0%)、防衛・その他(8.6%)、電子応用(8.1%)、通信・放送(6.9%)と多岐にわたる。
ビジネスモデル
売上の大半はカスタム製品(顧客独自仕様のバックプレーン・システムラック等)の受託設計・製造・販売で構成される。バックプレーン単体から電源・ファン等を組み込んだシステムラック、さらにボードコンピュータを含むコンピュータ・プラットフォームまで、構成レベルに応じた受託範囲を拡大することで高付加価値化を図る。
中国子会社を部材調達・製造コスト低減拠点として活用し、グループ全体の価格競争力を維持する。
企業の強み
1973年創業以来バックプレーン専業で技術を蓄積し、コネクタ自動圧着装置(プレスフィットマシン)・電気検査機を自社設計・開発・運用している。自社製造装置により高品質製品を短納期で供給できる体制を構築しており、大手電子機器メーカーからの継続的な受注関係がその技術力の評価を裏付けている。
計測・制御・交通・防衛・医療・通信等の多分野にわたる大手電子機器メーカーとの取引を継続しており、特定分野の需要変動を他分野でカバーできる分散構造を持つ。2026年3月期の受注実績は4,472百万円(前期比18.0%増)と販売実績を上回り、次期への受注残が積み上がっている。
2026年3月期末の純資産合計は5,104百万円で、現金及び現金同等物2,065百万円に加え長期性預金1,000百万円を保有する。有利子負債への依存がなく、営業キャッシュフローは570百万円を確保。財務的な安定性が高く、設備投資や人材補強を自己資金で賄える体制にある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の4,258百万円をピークに3,988〜4,026百万円の横ばい圏で推移し、2026年3月期は3,993百万円と微減。一方、営業利益は2025年3月期の465百万円から530百万円へ回復し、営業利益率は11.5%から13.3%へ改善した。
外部要因として計測・制御分野の設備投資延期と電子応用分野の顧客在庫調整が売上を抑制したが、仕入部材の価格転嫁進展と販管費削減が利益を押し上げた。ROEは6.7%から7.4%へ改善。
2027年3月期は半導体製造装置市場の回復(外部要因:SEAJ予測12%増)を取り込み、売上・利益ともに拡大を計画している。
成長戦略
バックプレーンコアにユニット供給拡大、計測・制御回復と防衛・電力新分野で成長加速
主力の半導体製造装置向けはHBMへの投資拡大とAIサーバ向け先端ロジック半導体投資の拡大が期待される。2027年3月期に前期比25.8%増の2,880百万円を計画。2026年3月期は設備投資延期で2,289百万円(前期比6.9%減)にとどまったが、市場環境の改善を受け大幅回復を見込む。
日本の防衛予算増額を背景に防衛用レーダー・通信関連の新規案件を獲得。2026年3月期は前期比51.2%増の343百万円と急拡大した。2027年3月期は前期比1.9%増の350百万円と微増計画にとどまるが、防衛予算増額の継続が中長期的な追い風となる。
AIサーバー需要増加に伴う電力供給網強化を背景に電力関連の新規案件が増加。2026年3月期の通信・放送分野は前期比21.1%増の277百万円。2027年3月期は通信・放送関連の設備投資減少の影響で同分野全体は前期比9.8%減の250百万円を計画するが、電力関連は引き続き増加を見込む。
バックプレーン単体供給からシステムシャーシ・ユニット全体の供給へと受託範囲を拡大し、単価向上と顧客との関係深化を図る。仕入部材の売価転嫁進展と合わせて売上総利益率の継続的改善を目指す。2026年3月期の売上総利益率は23.1%(前期21.5%)へ改善し、戦略の効果が数値に表れている。
最終更新: 2026年7月19日

