事業内容
芝浦メカトロニクスは1939年創業、東芝グループの技術基盤を継承した半導体・FPD製造装置メーカーである。ファインメカトロニクス(前工程:洗浄・エッチング・アッシング装置等)とメカトロニクスシステム(後工程:ダイボンディング・フリップチップボンディング装置等)の2セグメントが売上高の95%超を占める。
主要顧客はTSMC(2026年3月期売上高34,482百万円、売上比率39.2%)をはじめとするグローバル先端ファウンドリ・メモリメーカーであり、海外売上高比率は75.8%に達する。国内外9社の連結子会社を通じ、製造から据付・保守サービスまでトータルソリューションを提供している。
ビジネスモデル
主収益源は半導体・FPD製造装置の受注製造・販売であり、受注残高(2026年3月期末48,331百万円)が次期売上高の先行指標となる。装置納入後は保守・サービス事業が安定的な収益を補完し、装置売上の変動を緩和する機能を果たす。
売上原価率は60.5%(2026年3月期)と管理されており、ROS17.3%・ROE21.7%の高収益構造を実現している。研究開発費3,950百万円を継続投資し、グローバルニッチトップ製品群の技術優位性を維持することで顧客の装置更新需要を取り込む循環型モデルを形成している。
企業の強み
2026年3月期におけるTSMCへの売上高は34,482百万円(売上比率39.2%)と前年度の18,391百万円(22.7%)から大幅に拡大した。先端ファウンドリの主要サプライヤーとして装置評価・量産採用を獲得しており、顧客との技術協業を通じた参入障壁が形成されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高88,039百万円(前年度比8.8%増)、営業利益15,262百万円(同8.0%増)、当期純利益11,173百万円(同8.2%増)と5期連続の増収増益を達成。外部要因として、AI需要拡大に伴うロジック/ファウンドリ向け・メモリ向け設備投資が堅調に推移したことが主要ドライバー。
一方、パワーデバイス向けの市場減速、FPD分野の低調継続、新紙幣需要収束による流通機器部門の急減(売上高56.5%減)が下押し要因となった。受注高は87,744百万円(前年度比25.8%増)と売上高を上回る水準で拡大しており、次期への売上積み上げが期待される。
2027年3月期は売上高99,000百万円(12.4%増)、営業利益16,000百万円(4.8%増)を予想。
成長戦略
AI・先端半導体需要を取り込みながら持続的成長投資と製品ラインアップ拡充を加速
生成AI用GPU需要を背景に先端パッケージ向けボンディング装置の受注が急拡大(メカトロニクスシステム部門受注高前年度比72.7%増)。建物及び構築物への大規模投資(純額6,193百万円増加)により生産能力を増強し、旺盛な需要に対応する体制を整備中。
研究開発費は2026年3月期に3,950百万円(前年度3,835百万円)と増加傾向を維持。ロジック/ファウンドリ向け・メモリ向けに加え、中長期的にはパワーデバイス向け・ウェーハ向けの製品開発を推進し、市場回復時の受注獲得に備える。2027年3月期も持続的成長に向けた投資費用の増加を計画。
装置販売後の保守・サービス事業が装置売上変動の緩衝機能を果たしており、ファインメカトロニクス部門では装置売上減少を保守・サービスが補完し部門全体の増収を実現。累積導入装置台数の増加に伴い保守・サービス収益の自然増が見込まれ、収益の安定性向上に寄与する。
台湾・韓国・中国・米国に販売・サービス子会社を展開し、主要顧客の製造拠点に近接したサポート体制を構築。2026年3月期の台湾向け売上高は35,929百万円と全体の約41%を占め、TSMCをはじめとする台湾顧客との関係深化が成長の主軸となっている。
最終更新: 2026年7月19日

