事業内容
東芝テック株式会社は、1950年に東京芝浦電気から分離独立し、現在は連結子会社62社・関連会社2社を擁するグローバルソリューション企業。主力のリテールソリューション事業では国内外の流通小売業向けにPOSシステム・セルフレジ・スマートレシート・オートIDシステム等を提供し、ワークプレイスソリューション事業では海外市場向け複合機・オートIDシステムを展開する。
国内はTECブランド・TOSHIBAブランドで直販・代理店販売、海外は現地子会社・代理店網を通じてグローバルに販売する体制を構築している。
ビジネスモデル
POSシステムや複合機等のハードウェア販売で顧客接点を確保し、保守サービス・ソフトウェア・クラウドサービスによる継続収益を積み上げる構造。グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」を核にソリューション・サービス型への転換を推進し、売切型から安定的なストック型収益モデルへのシフトを図っている。
マルチベンダー保守(BPO)や生成AI活用サービスも収益多様化の手段として位置付けている。
企業の強み
2012年にIBMからグローバルコマースソリューション事業を譲受けて以来、米州・欧州・アジアに現地子会社を展開。国内外に幅広い顧客基盤と販売・保守網を有し、2026年3月期のリテールソリューション事業売上高は347,570百万円と全社売上の約61%を占める。
この広範なタッチポイントが新サービス展開の基盤となっている。
グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の研究・開発を継続推進し、2026年3月期のリテールソリューション事業研究開発費は17,850百万円。AI活用の不正検知システム・空きレジ案内システム等を相次いでリリースし、POSをインテリジェンスエンジンへ進化させる独自技術を蓄積している。
2024年7月に複合機・オートIDシステムの開発・製造事業をリコー・沖電気工業との合弁会社エトリア㈱に承継。自社生産機能を外部化することで固定費削減・アセットライト化を実現しつつ、3社の技術融合による新エンジン搭載機の市場投入を通じた製品競争力強化とサプライチェーンレジリエンス向上を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期577,023百万円から2026年3月期569,265百万円へ1.3%減収。外部要因として米国関税措置が米州を中心に海外POSシステム・複合機の販売を直撃し、特に第2四半期までの落ち込みが大きかった。
第3四半期以降は国内POSシステムの大幅増収・増益と海外の改善により回復したが、通期では営業利益14,336百万円(前期比29.2%減)、経常利益10,608百万円(同42.2%減)にとどまった。特別損失(経済補償金引当金・投資有価証券評価損)の計上により親会社帰属純損失2,285百万円を計上。
2027年3月期は売上高590,000百万円・営業利益20,000百万円への回復を予想しており、国内大型案件の本格化と価格改定効果の継続が鍵となる。
成長戦略
ELERAリカーリング拡大・エトリア連携・コスト構造最適化で収益性回復と持続成長を目指す
グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」を活用し、店舗運用・販売促進・データ利活用を包括したソリューションサービスを展開。顧客との継続的関係性深化によりリカーリング収益を積み上げ、収益性向上を図る。生成AI活用サービスとの組み合わせで高付加価値化を推進。
リコー・沖電気工業との合弁エトリア㈱との連携を通じて製品競争力の強化と開発・供給体制の最適化を進める。東芝テック本体はソリューション・サービス事業への経営資源集中を加速し、収益性向上と事業基盤強化を図る。
製品価格改定・保守サービス価格改定・生産拠点最適化等の施策を継続的に実施し、急激な環境変化への対応力を高める。2026年3月期第4四半期には各種施策が奏功し前年同期比大幅改善を達成。2027年3月期も施策の継続実施により営業利益20,000百万円回復を目指す。
国内リテールソリューション事業では大型案件の導入本格化によりPOS需要の堅調推移を見込む。海外では米国関税措置の影響から慎重であった顧客の投資意欲に一部持ち直しの動きがみられ、価格改定効果の顕在化と合わせて売上・利益の回復を図る。
最終更新: 2026年7月19日

