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ABホテル株式会社

6565東証スタンダードサービス業

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事業内容

ABホテル株式会社は「Amenity&Bright(快適で明るい)」をコンセプトに、「ビジネスホテルより快適に、シティホテルよりリーズナブルに」を標榜する宿泊特化型ビジネスホテルを全国展開する。1999年に親会社・株式会社東祥のホテル事業部として愛知県で創業し、2014年に会社分割により独立。

2026年6月時点で愛知県15店舗を筆頭に16都府県38店舗を運営する。主要顧客はビジネス利用者であり、駅前・主要インターチェンジ付近の立地選定により季節変動を抑制。

全店舗に大浴場を設置し、宴会場・会議室を持たない宿泊特化型として収益の安定化を図っている。東京証券取引所の上場廃止後は名古屋証券取引所単独上場となっている。

ビジネスモデル

売上は客室宿泊料金が主体で、OTA(楽天トラベル・じゃらん等)および自社公式サイト経由の予約を組み合わせて集客する。開発段階からローコスト建築を採用し、一部店舗では清掃を内製化することで固定費を抑制。

レベニューマネジメントにより客室単価と稼働率を最適化し、2026年3月期の営業利益率は39.8%に達する。設備資金は金融機関借入で調達し、運転資金は内部資金で賄う構造。

企業の強み

2026年3月期の売上高12,293百万円に対し営業利益4,892百万円(営業利益率39.8%)を達成。ローコスト建築による開発費抑制、清掃内製化によるオペレーション効率化、宴会場・会議室を持たない宿泊特化型設計が固定費構造を軽量化し、高い利益率を構造的に支えている。

2026年3月期末の純資産合計は15,609百万円、自己資本比率53.2%、インタレスト・カバレッジ・レシオ47.2倍と財務健全性は極めて高い。借入金残高7,133百万円に対し現金及び現金同等物7,711百万円を保有し、複数金融機関との当座貸越・コミットメントライン契約(未実行枠4,000百万円)も確保しており、継続的な設備投資余力を有する。

出店基準として経常利益率35%達成可能な立地のみを選定する規律ある出店戦略を採用。2027年3月期を最終年度とする中期経営計画では、初年度(2025年3月期)・2年目(2026年3月期)ともに売上高・経常利益・当期純利益の全項目で計画を大幅に上回り、経営の実行力と収益予測精度の高さを示している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高12,293百万円(前期比+15.1%)、営業利益4,892百万円(同+23.5%)、当期純利益3,143百万円(同+23.6%)と全指標で過去最高を更新。売上高営業利益率39.8%は前期37.1%から2.7ポイント改善しており、規模拡大と利益率向上が同時進行している点は高く評価できる。

2027年3月期会社予想(売上高12,800百万円、営業利益5,100百万円)は増収増益継続を示しており、利益率の持続性が引き続き注目される。

外部要因として、2026年1〜2月の延べ宿泊者数は前年同月比で微減(1月▲7.0%、2月▲3.5%)で推移し、中国からの宿泊客が大幅減少した一方で欧州圏が拡大するなど客層の多様化が進んでいる。既存34店舗の平均宿泊稼働率は84.7%と前年同期比3.0ポイント低下しており、稼働率の適正化と単価上昇のトレードオフが今後も続くか、需要動向の変化が業績に与える影響を継続的に確認する必要がある。

2026年3月期は2店舗を新規開業し38店舗体制となった。2027年3月期も年間3店舗以上の新規開発を目標とし、人件費・建築資材・消耗品関連の高騰を見込んでいる。

当期は減損損失60百万円(前期ゼロ)が初めて計上されており、固定資産の減損リスクが顕在化し始めた点は留意が必要。また、重複上場解消に伴う特別配当10円を含む期末配当34円(配当性向15.3%)を実施した一方、2027年3月期予想配当は29円に減少しており、配当政策の方向性も確認が求められる。

成長戦略

年間3店舗以上の新規出店継続と既存店収益最大化で増収増益を持続

2026年3月期は越前武生・犬山の2店舗を開業し38店舗・4,938室体制へ拡大。2027年3月期も年間3店舗以上を目標に新規開発を継続する方針。人件費・建築資材の高騰を見込みながらも出店ペースを維持し、規模拡大による収益成長を図る。

レベニューマネジメントの精度向上によりコスト増加分を適切に販売価格へ転嫁し、収益最大化を両立。2026年3月期は稼働率の適正化(既存34店舗平均84.7%、前年比▲3.0pt)と客室単価上昇を並行して実現し、売上高営業利益率39.8%を達成した。

海外系OTAの拡充と一部店舗でのウェルカムドリンク提供により顧客満足度を向上。関西圏を中心としたインバウンド需要の増加を確実に取り込み、客室単価の上昇に貢献。欧州圏からの需要拡大など客層の多様化が進む中、継続的な施策展開を図る。

人件費・エネルギー価格の高騰に対応するため、自社清掃店舗の拡大によるオペレーション効率化を推進。売上原価内の業務委託費は前期213,730千円から128,476千円へ大幅削減(▲39.9%)されており、内製化の効果が数値に表れている。

2027年3月期の会社予想は売上高12,800百万円(前期比+4.1%)、営業利益5,100百万円(同+4.2%)、経常利益5,000百万円(同+3.5%)、当期純利益3,150百万円(同+0.2%)。地政学的リスクによる物価上昇を見込みながらも増収増益継続を目指す。

最終更新: 2026年7月19日