製造委託先の集中リスク
当社グループはTSMCをはじめとする限定的な製造委託先に半導体製造を依存しており、製造キャパシティの制約・技術革新への対応遅れ・原材料価格高騰等により製品供給が遅延・中断するリスクがある。複数の製造委託先を確保する分散策を講じているものの、最先端テクノロジー品や車載品では委託先が限定されるため代替確保が困難であり、製品売上の減少や顧客からの損害賠償請求につながる可能性がある。
地政学リスクとサプライチェーン
米中対立・ロシアによるウクライナ侵攻・中東紛争等の地政学リスクが顕在化した場合、輸出管理規制・関税・制裁措置の強化により当社製品の需要減退や競争力低下が生じるリスクがある。特に中国での売上が一定規模を占め、かつTSMC(台湾)への製造委託依存度が高いため、台湾有事等が発生した場合には事業・財政状態・経営成績に重大な悪影響が生じる可能性がある。当社グループは定期的に取締役会へリスク報告を行い対応策を検討しているが、完全な排除は困難である。
設計開発プロジェクトの中止リスク
設計・開発から顧客評価完了まで2年以上を要する長期プロジェクトでは、その間の市場環境変化・顧客戦略の転換・仕様変更等によりプロジェクトが延伸または中止となるリスクがある。中止の場合、残余のNRE売上を収受できないうえ、NRE売上が開発費用の全額をカバーしないケースでは損失が発生し、特に注力分野では規模が大きくなる傾向があるため、複数の重要プロジェクトが中止となれば経営成績に重大な悪影響が生じる可能性がある。
競合激化と市場地位の維持
当社の「Solution SoC」は独自ビジネスモデルであるが、従来型ASIC・汎用ASSPベンダー、巨大テック企業によるSoC自社開発拡大、異業種からの新規参入等により競争が激化するリスクがある。オートモーティブ分野では現状優位な地位にあると認識しているが、技術革新や他社の積極的な攻勢によりその地位を維持できない可能性があり、データセンター・ネットワーク等の既存市場ではすでに厳しい競争状況にある。顧客との共同開発を通じた差別化を図っているが、施策が奏功する保証はない。
経営指標の信頼性リスク
当社グループが重要経営指標とする「商談獲得金額」および「商談獲得残高」は、将来の販売数量・製品単価・NRE売上等に関する主観的判断と仮定を多分に含んでおり、製造キャパシティ制約は考慮されていない。算出方法が独自であるため他社指標との比較が適切でなく、実際の売上と大きく乖離する可能性があり、投資家の業績予測に誤解を与えるリスクがある。モニタリング部門によるレビューと経営陣承認の社内手続を設けているが、有効性の保証はない。
為替変動リスク
当社グループは多くの収益を海外から得ており、米ドルを中心とする為替レートの変動が外貨建売上高・設計開発コスト・製造販売コスト等に直接影響する。為替変動の影響を軽減する対応を講じているものの完全な排除は不可能であり、急激な円高・円安局面では経営成績および財政状態に悪影響が生じる可能性がある。
情報セキュリティリスク
在宅勤務の拡大やランサムウェア・フィッシング詐欺等の攻撃手段の高度化により、サイバーセキュリティリスクが高まっており、システム障害発生時には事業活動・製品供給の停止や重要データの喪失が生じるリスクがある。また、顧客秘密情報・個人情報の漏洩が発生した場合、競争力の低下・顧客信用の喪失・損害賠償請求等の重大な影響が及ぶ可能性がある。リスク・コンプライアンス委員会の管理下でITセキュリティシステムの高度化と従業員教育を継続しているが、完全な防止は困難である。
人材確保・流出リスク
カスタムSoCの設計開発においてエンジニアは中核的役割を担うが、専門性の高い優秀な人材の採用競争は激化しており、十分な人材確保ができない場合は設計・開発に支障をきたす可能性がある。また、専門人材が競合他社へ移籍した場合、当社の知識・ノウハウが流出し競争優位性が損なわれるリスクがある。新卒・通年採用の強化とエンジニア育成に取り組んでいるが、確保を保証するものではない。
製造物責任リスク
当社製品に出荷後に不具合が発見された場合、製品回収・交換・採用中止に伴う多額の費用発生や顧客からの損害賠償請求、将来受注の喪失リスクがある。製品が顧客の最終製品に組み込まれた後に問題が発覚した場合、エンドユーザーからの損害賠償請求対象となる可能性もある。製造物責任保険・リコール保険に加入しているが、全額補填の保証はない。
法規制・輸出管理リスク
当社グループはグローバルに事業展開しており、安全保障・外国貿易管理・競争政策・税制・関税政策・腐敗防止等の多様な法規制の対象となっている。米国政府による関税政策・輸出管理規制等の新政策導入や各国規制の新設・改正により法令遵守が困難となる可能性があり、違反した場合には民事上の損害賠償請求や刑事・規制上の罰則が科せられ、事業・財政状態・経営成績・社会的信用に悪影響が生じる可能性がある。コンプライアンス体制の整備と社内体制の構築を進めているが、適切な機能を保証するものではない。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

