事業内容
株式会社KOKUSAI ELECTRICは、半導体製造前工程における「成膜」および「熱処理」工程向け装置の開発・製造・販売・保守サービスをグローバルに展開する専業メーカーである。主力製品はバッチ成膜装置(AdvancedAce®シリーズ、TSURUGI®剱®シリーズ)および枚葉プラズマトリートメント装置(MARORA®)。
2025年のバッチALD対応装置市場およびPlasma Gate Modification Tools市場でいずれも売上高世界シェア1位を獲得。主要顧客はSamsung Electronics、TSMC等の大手半導体デバイスメーカーで、NAND・DRAM・Logic/Foundryの各分野に製品を供給する。
当社および連結子会社7社で構成され、富山・砺波・韓国・米国・欧州・台湾・中国・シンガポールにグローバル拠点を有する。
ビジネスモデル
収益は「装置ビジネス」と「サービスビジネス」の二区分で構成される。装置ビジネスでは高付加価値のバッチ成膜装置・枚葉トリートメント装置を半導体デバイスメーカーに販売し、サービスビジネスでは部品販売・保守・有償修理・アップグレード改造等のアフターサービスを提供する。
2026年3月期のサービス売上収益は95,129百万円(前期比127.4%)と急拡大しており、インストールベースの蓄積に伴いリカーリング収益が拡大する構造を持つ。
企業の強み
2025年のバッチALD対応装置市場およびPlasma Gate Modification Tools市場でいずれも売上高世界シェア1位(出典:TechInsights Inc.、Gartner®)。高難易度成膜と高生産性を両立するバッチALD技術は競合が短期間で模倣困難なコア技術であり、先端DRAM・NAND・Logic/Foundry向けに高いシェアを持続している。
装置のライフサイクル全体にわたる部品販売・保守・改造サービスを提供する体制を整備。2026年3月期のサービス売上収益は95,129百万円(前期比127.4%)と急拡大し、装置販売の変動を補完するリカーリング収益として機能している。
インストール台数の累積増加がサービス収益の持続的拡大を支える構造となっている。
1956年に半導体製造装置事業を開始して以来、70年近い技術蓄積を有する。温度制御・自動搬送・真空ガス置換・冷却・成膜の各コア技術を結集したバッチ成膜装置プラットフォームを保有し、研究開発費は2026年3月期に18,258百万円を投じている。
大学・外部機関との協業も推進し、次世代・次々世代技術の開発体制を継続強化している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2024年3月期180,838百万円→2025年3月期238,933百万円(+32.1%)→2026年3月期235,079百万円(▲1.6%)と成長が一服。営業利益は30,745百万円→51,320百万円→41,836百万円と2期ぶりの減益。
外部要因として、前期に活発だった中国DRAM向け設備投資の一巡(中国向け売上収益:111,901百万円→90,597百万円)が最大の下押し要因。一方、韓国向けは37,966百万円→57,570百万円へ大幅増加し、AI関連需要の恩恵が一部顕在化。
2027年3月期は売上収益280,000百万円・営業利益54,500百万円・調整後営業利益60,500百万円を予想し、AI関連需要拡大と生産稼働率改善による大幅回復を見込む。
成長戦略
AI需要を取り込みバッチALD・トリートメント技術をDRAM・Logic/Foundryへ展開、グローバル拠点整備とサービス成長で市場超過成長を目指す
生成AI普及に伴うデータセンター向けサーバー需要拡大を背景に、高性能Logic・DRAMの世代交代・生産規模拡大向け設備投資が加速。バッチALD・枚葉トリートメント装置の世界シェア1位の技術力を活かし、先端デバイス向け装置の売上構成比拡大を図る。
韓国デモ評価エリア拡張・横浜テクノロジーセンタ設置に続き、米国デモセンターを新設(2026年9月竣工予定)。主要顧客の近傍で評価・開発を行う体制を整備し、次世代プロセスへの採用拡大と新規顧客獲得を加速する。
DRAM向けアップグレード改造(既存装置の性能・機能向上)が2026年3月期に伸長。累積インストールベースの拡大とともに部品販売・保守・改造等のサービス収益を安定的に積み上げ、装置販売サイクルの変動を緩和するリカーリング収益基盤を強化する。
2026年3月期は生産工場の稼働率低下が利益率を大幅に圧迫した。2027年3月期はAI関連需要拡大を背景とした受注回復により生産稼働率の大幅改善を見込み、調整後営業利益60,500百万円(前期比27.1%増)の達成を目指す。
AI・IoT・DX・グリーントランスフォーメーション向け需要を見据え、パワーデバイスおよび成熟ノード分野への装置展開を強化。民生電子機器・自動車・産業機器向け需要回復局面での収益機会の取り込みを図る。
最終更新: 2026年7月19日

