事業内容
東洋電機製造は1918年創業、鉄道車両用電気機器の国産化を起源とする100年超の歴史を持つ電機メーカーである。連結子会社7社・関連会社4社を含むグループで、交通事業(鉄道車両用電機品・電力貯蔵装置)、産業事業(自動車試験システム・発電電源システム・生産加工設備)、ICTソリューション事業(駅務機器・クラウド型遠隔監視システム)の3セグメントを展開する。
主要顧客はJR・民鉄各社、中国高速鉄道事業者、インドネシア国鉄(PT Industri Kereta Api)、官公庁・通信事業者・金融機関等。国内外に製造・販売拠点を持ち、中国・タイ・米国に現地法人を有する。
ビジネスモデル
事業は個別受注生産方式を採用し、受注残高を積み上げながら売上を計上する構造。2025年5月期末の連結受注残高は41,154百万円と高水準を維持。
交通事業が売上高の約69%を占める主力で、新造車用製品・機器更新・保守部品の3層で継続的な収益を創出。産業事業は自動車試験機・発電システム等の設備投資需要を取り込み、ICTソリューション事業はセグメント利益率29.9%の高収益で収益性を補完する。
企業の強み
「中期経営計画2026」が掲げた2026年5月期最終目標(売上高400億円・営業利益率5%・ROE8%)を2025年5月期に前倒し達成。売上高40,539百万円(前期比26.1%増)、営業利益率5.9%、ROE8.0%を実現し、収益体質の改善が数値として確認できる。
2025年5月期末の連結受注残高は41,154百万円(前期比0.5%減)と高水準を維持。交通事業の受注残高31,814百万円を中心に、個別受注生産型ビジネスにおける売上の先行指標として機能し、次期以降の業績見通しに一定の安定性をもたらしている。
1918年創業以来、鉄道車両用電機品の国産化を起源とする技術蓄積を持つ。中国高速鉄道向け保守部品の継続受注、インドネシア向け大口案件(2025年5月期売上高5,262百万円貢献)など、アジア主要市場での実績を有する。
研究開発費は1,064百万円を投じ、パワーエレクトロニクス・モータ技術の継続開発を推進。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年5月期30,158百万円から2025年5月期40,539百万円へ急拡大後、2026年5月期は40,480百万円(前期比△0.1%)と横ばいで推移。一方、営業利益は3,111百万円(前期比+30.5%)、当期純利益は2,976百万円(同+39.8%)と大幅増益を達成した。
売上原価率の改善(73.8%→70.9%)と特別損失の消滅(前期157百万円→当期ゼロ)が利益押し上げに寄与。外部要因として、インバウンド回復による国内鉄道利用者数増加を背景とした鉄道事業者の車両投資活発化が交通事業の採算改善を後押しした。
2027年5月期は会社予想で営業利益2,600百万円(△16.4%)と減益転換を見込む。
成長戦略
新中期計画「サステナブル2030」でJR東日本との資本提携を軸に変革と成長を加速
2027年5月期〜2030年5月期を対象に「成長戦略」「収益体質強化」「BSマネジメントの強化」「構造改革」の4方針を推進。「中期経営計画2026」で達成した財務基盤の上に「変革への挑戦と成長の加速」を実現し、持続可能な企業グループへの飛躍を目指す。
2026年8月6日を処分期日として、JR東日本へ第三者割当による自己株式578,000株(処分価額総額約1,164百万円)を処分。調達資金を鉄道車両用電機品の高効率化研究開発・次世代新幹線向け電機品開発に充当し、JR東日本との技術開発連携を深化させる。
2026年6月1日付でICTソリューション事業を交通事業に統合。鉄道・バス事業者向けキャッシュレス化・チケットレス化ニーズに対し、車両用電機品と駅務機器システムを一体的に提案することで受注機会の拡大と収益性の改善を図る。前期大口案件の反動で赤字転落したICT事業の立て直しが急務。
中国によるレアアース輸出規制に対応するため、サプライチェーンの多元化とレアアースフリー製品の開発を推進。安定的な供給体制の確保に向けた取り組みを継続しており、今後これらに関連する費用の発生が見込まれる。自動車用試験機・非常用発電機の受注拡大と並行して対応コストの管理が課題。
最終更新: 2026年7月17日

