事業内容
富士電機は1923年創業の総合電機メーカーで、古河電気工業とシーメンスの提携を起源とする。「パワーエレクトロニクス技術」を中核技術として、電力・エネルギーインフラ向けシステム(エネルギー)、FA・社会インフラ・DXソリューション(インダストリー)、産業用・自動車用パワー半導体(半導体)、自販機・店舗流通機器(食品流通)の5セグメントで事業を展開する。
連結子会社104社・関連会社11社を含むグループ全体の売上高は1,227,595百万円(2026年3月期)に達し、国内外の電力会社・製造業・データセンター・流通業など幅広い顧客層にサービスを提供している。
ビジネスモデル
富士電機は、インバータ・パワー半導体等の「強いコンポーネント」を自社製造し、それを基盤にプラント・システム・設備工事・ITソリューションまで垂直統合的に提供するビジネスモデルを採る。受注生産型の大型プラント・システム案件と量産型コンポーネント販売を組み合わせることで、景気サイクルへの耐性と高付加価値化による利益率向上を両立している。
2026年3月期の営業利益率は11.1%に達し、中期経営計画目標の11.2%に迫る水準を実現した。
企業の強み
富士電機は国内外で13,517件の産業財産権を保有し、第7・第8世代IGBT、SiCパワー半導体、大容量変圧器(300MVA級)など独自技術を継続的に製品化している。半導体部門の研究開発費だけで14,168百万円を投じており、技術的参入障壁は高い。
2026年3月期において、エネルギー(売上高394,167百万円・営業利益率15.1%)、インダストリー(売上高467,232百万円・営業利益率9.5%)、半導体(売上高237,386百万円)、食品流通(売上高107,976百万円・営業利益率12.4%)と4セグメントが収益を分散。半導体が苦戦した局面でもエネルギー・インダストリーが補完し、グループ全体の営業利益は増加した。
2026年3月期末の自己資本比率は56.9%(前期比+4.2ポイント)、有利子負債残高は890,83百万円まで圧縮され、ネットD/Eレシオは0.0倍を達成。ROE13.1%・ROIC12.6%と中期経営計画目標(ROE12%以上・ROIC10%以上)をいずれも上回り、資本効率と財務健全性を両立している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は1,227,595百万円(前期比9.3%増)、営業利益は136,620百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は98,030百万円(同6.3%増)と、主要指標がいずれも過去最高を更新した。外部要因として、GX投資拡大・データセンター向けエネルギー需要増大・電力設備投資の堅調推移が追い風となった。
一方、原材料価格高騰(銀・銅等)、電装向けxEV需要減少、食品流通における改刷対応特需の反動減が逆風として作用した。営業利益率は11.1%(前期10.5%)に改善し、5期連続での利益率向上を達成。
2027年3月期は売上高1,275,000百万円・営業利益142,500百万円を予想しており、成長継続を見込む。
成長戦略
GX・DX・グローバル展開を三本柱に、エネルギー主導の収益拡大と半導体の将来成長を両立
国内工場における変圧器・開閉装置、電機盤・電源盤の生産能力増強を推進。2026年3月期のエネルギー設備投資額は80億円(前期53億円比51%増)。
2027年3月期よりインダストリーの駆動制御システムの一部を設備工事分野に移管し、システム事業をさらに強化する。エネルギー予想売上高は455,000百万円(前期比14.8%増)。
将来の市場拡大を見据えたSiCパワー半導体の設備投資計画を継続推進。2026年3月期の半導体設備投資額は349億円(前期644億円から縮小)。電装向けxEV需要の回復と産業用途での需要拡大を見据え、生産能力の確保と技術優位性の維持を図る。2027年3月期の半導体設備投資予想は203億円。
海外のデータセンター需要拡大に対応した生産体制強化に着手。2026年3月期の海外売上高は344,800百万円(前期325,500百万円比5.9%増)。2027年3月期予想は363,900百万円(同5.5%増)。アジア・中国・欧州・米州の各地域での事業拡大を継続し、海外売上比率の向上を目指す。
2026年度を最終年度とする3ヵ年中期経営計画において「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、収益力強化・成長戦略推進・経営基盤強化を推進。2026年3月期に売上高・営業利益・経常利益・当期純利益の全指標で過去最高を更新し、計画の主要目標を達成した。
最終更新: 2026年7月19日

