事業内容
三菱電機グループは1921年創立の総合電機メーカーで、連結子会社256社・持分法適用会社38社を擁するグローバル企業体。インフラ(社会インフラ・防衛・宇宙)、インダストリー・モビリティ(FA・自動車機器)、ライフ(空調・家電・ビルシステム)、デジタルイノベーション(IT・DX)、セミコンダクター・デバイス(パワー・光デバイス)の5セグメントで事業を展開する。
顧客層は政府・防衛機関から製造業・建設業・一般消費者まで幅広く、日本・北米・欧州・アジアにわたるグローバル販売網を持つ。2025年度売上高は5,894,747百万円に達し、前中期経営計画の全目標を達成した。
ビジネスモデル
製品・コンポーネントの販売に加え、保守・運用管理などのストックビジネスを組み合わせた「循環型デジタル・エンジニアリング」を収益の柱とする。デジタル基盤「Serendie」を通じて顧客の運用データを継続的に取得・活用し、新たなソリューションを提供することで顧客との長期的な関係を構築。
防衛・インフラ向けの大型受注案件、空調・昇降機の保守契約、FAシステムのデジタルサービスなど、一時的な売上と継続的な収益を組み合わせた多層的な収益構造を持つ。
企業の強み
インフラ・FA・空調・半導体など異なる景気サイクルを持つ6セグメントを保有し、特定事業の不振を他事業でカバーできる構造。2025年度は全セグメントで増益を達成し、売上高5,894,747百万円・営業利益433,095百万円を記録。単一事業依存リスクを分散しながら安定成長を実現している。
防衛・宇宙システム事業では政府関連予算増加を背景に大口案件を獲得し、インフラセグメントの売上高は前年度比119%の1,463,400百万円、営業利益率10.6%を達成。JAXAから受注した温室効果ガス観測衛星「いぶきGW」搭載機器の開発・納入実績など、国家プロジェクト参画の蓄積が参入障壁を形成している。
セミコンダクター・デバイスセグメントでは2025年度設備投資額105,131百万円(前期比3倍超)を投じてSiCパワーデバイスの増産体制を構築。営業利益率は14.2%から16.6%へ改善し、通信用光デバイスはデータセンター需要拡大を取り込んでいる。
受注高は前年度比119%と回復基調にあり、GX・DX需要への対応基盤を自社内に保有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高5,894,747百万円(前期比6.8%増)、営業利益433,095百万円(同10.5%増)、親会社株主帰属当期純利益407,758百万円(同25.8%増)と5期連続の増収増益を達成。外部要因として円安(期中平均151円/ドル)・価格改善効果が売上高を押し上げ、売上原価率は前期比1.5ポイント改善の67.9%。
持分法投資利益が69,631百万円(前期比78.6%増)と大幅増加し、税引前利益を押し上げた。一方、特別退職金計上等によりその他の損益が△68,114百万円と悪化。
当期包括利益は783,381百万円(前期比107.7%増)と急増し、確定給付制度再測定194,431百万円・在外営業活動体換算差額164,240百万円が主因。ROEは9.7%(前期8.4%)、営業利益率7.3%(前期7.1%)と収益性改善が継続している。
成長戦略
ROIC経営・Serendieデジタル変革・重点成長事業への集中投資で企業価値向上
ROICツリー展開によるKPIと責任部門の明確化を通じ、あらゆる階層でのROIC経営を継続。資産効率とキャッシュ創出力の向上を図る。2026期ROE9.7%(前期8.4%)と改善が進んでおり、営業CF575,993百万円と着実なキャッシュ創出を実現。
Serendieデジタル基盤を活用した循環型デジタル・エンジニアリングの具現化・拡大により、コンポーネント販売からデジタルサービスへの事業モデル変革を推進。デジタルイノベーション部門売上高は1,580億円(前期比108%)と成長継続。
防衛予算拡大・再エネ需要・社会インフラ更新を背景に、インフラ部門への設備投資を前期比176%の607億円に拡大。2026期営業利益154,731百万円(営業利益率10.6%)と高収益を実現。2027年3月期計画は売上高16,400億円(前期比112%)・調整後営業利益1,700億円(同109%)。
SiCパワーデバイスを中核としたGX対応成長基盤強化に向け、2025年度設備投資1,051億円(前期比315%)を実行。受注高は前期比119%と回復基調。
2026年度計画では有形固定資産・使用権資産合計の設備投資規模は開示なし。2027年3月期売上高3,000億円(前期比104%)・調整後営業利益430億円(同93%)を計画。
Nozomi Networks, Inc.の連結子会社化(OTセキュリティ強化)、中東関係会社の連結子会社化(ビルシステム拡大)など戦略的M&Aを実行。2026期子会社取得支出158,125百万円(前期比約23.6倍)と投資を加速。
三菱電機インフォメーションシステムズ・三菱電機ITソリューションズは連結除外。
最終更新: 2026年7月19日

