事業内容
日立製作所は連結子会社606社・持分法適用会社217社を擁する売上収益10,586,781百万円規模のグローバル複合企業。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターを成長分野と位置付け、IT・OT・プロダクトを融合した独自の強みを持つ。
主要顧客は電力・鉄道・製造・金融・公共など幅広い社会インフラ領域の事業者であり、190か国に及ぶグローバル展開を通じて社会課題の解決に取り組む。Lumadaを中核とするデジタルソリューションの拡大を通じ、「社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダー」を目指している。
ビジネスモデル
グローバルに展開するプロダクト・ITシステムを「デジタライズドアセット」と位置付け、そこから収集したリアルタイムデータをAIとドメインナレッジで分析し、「デジタルサービス(HMAX)」として継続的に提供するLumada 3.0モデルを核とする。デジタルサービスの提供がプロダクト拡販とデータ収集基盤の拡充に繋がる価値創出の循環を形成し、リカーリング型の高収益事業比率を高める構造を志向している。
企業の強み
190か国に広がるOTの現場知見、116年の製品開発実績、先進デジタル技術(IT)を一体で保有する企業は世界でも類を見ないと有報に明記。GlobalLogic社(デジタルエンジニアリング)やHitachi Energy社(パワーグリッド)等の買収により、グローバルなドメインナレッジとデジタル人財を組み合わせた競合模倣困難な事業基盤を構築している。
2026年3月期においてHMAXの売上収益は約300,000百万円、Adjusted EBITA率は20%以上を達成。Lumada事業全体のAdjusted EBITA率は全社平均12.4%を大幅に上回り、長期目標「Lumada 80-20」(売上収益比率80%・Adjusted EBITA率20%)に向けた高収益事業の拡大が進んでいる。
2026年3月期末の有利子負債は10,090百万円(百万円単位)に対し親会社株主持分は65,683,000百万円規模に拡大。ムーディーズA2・S&P A・R&I AAの高格付けを維持し、5,050億円のコミットメントライン未実行残高を確保。
コア・フリー・キャッシュ・フローは11,702億円と高水準で、成長投資と株主還元の両立を支える財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2024期の9,728,716百万円を底に2025期9,783,370百万円、2026期10,586,781百万円と加速度的に回復・拡大。調整後営業利益は2026期1,199,275百万円(前期比23.4%増)、Adjusted EBITAは1,311,436百万円(同21.0%増)、親会社株主帰属当期利益は802,368百万円(同30.3%増)と全指標で大幅改善。
外部要因として世界的なパワーグリッド需要拡大と円安(欧州売上が前期比120%)が業績を押し上げた。ROEは12.9%(前期10.7%)、売上収益Adjusted EBITA率は12.4%(同11.1%)と収益性指標も改善。
営業CFは1,668,061百万円と前受金増による運転資本改善が顕著で、キャッシュ創出力が大幅に向上した。
成長戦略
デジタル・グリーン・イノベーションの3軸でLumada事業をグローバルスケールに拡大
デジタルをコアとした事業群再編を2026年3月期期首から実施し、デジタルシステム&サービス・エナジー・モビリティ・コネクティブインダストリーズの5区分体制へ移行。Lumadaを全セグメント横断の共通基盤として、顧客との協創による社会イノベーション事業のグローバル展開を加速させる。
Hitachi Energyを通じた欧州・北米市場でのパワーグリッド需要の取り込みを継続。2026年3月期のエナジーセグメント外部顧客向け売上収益は3,200,844百万円、Adjusted EBITAは416,015百万円と急拡大しており、脱炭素化・エネルギー転換需要を背景に高成長が継続している。
家電事業(日立GLS)の約110,000百万円での売却(2026年度中完了予定)により低収益事業を切り離し、経営資源を高収益事業へ集中。2026年3月期に352,260百万円の自己株式取得を実施し、さらに上限500,000百万円の追加取得枠を設定。
年間配当は50円(前期43円)に増配し、2027年3月期第2四半期末配当は28円を予定。
前受金増による運転資本改善等により2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは1,326,508百万円と前期比727,918百万円増加。有利子負債を削減しD/Eレシオ0.15倍を維持しながら、M&A・設備投資・株主還元を機動的に実施できる財務基盤を確立している。
最終更新: 2026年7月19日

