事業内容
前澤工業株式会社は昭和12年創業の上下水道インフラ専業メーカーで、環境事業(水処理機械設備の製造・販売・施工)、バルブ事業(上下水道用弁・栓・門扉類の製造販売)、メンテナンス事業(設備の修繕・維持管理)の3セグメントを展開する。主要顧客は地方自治体・公共機関であり、国内の上下水道施設の整備・更新・維持管理を一貫して担う。
連結子会社の株式会社前澤エンジニアリングサービスがメンテナンス事業を担い、バンコク駐在員事務所を通じた海外展開も進める。2025期の売上高は37,499百万円、受注残高は32,097百万円に達する。
ビジネスモデル
環境・バルブ事業は地方自治体等からの受注に基づく製造・施工型ビジネスで、受注残高の積み上がりが将来売上の可視性を高める。メンテナンス事業は既設設備の修繕・維持管理を継続的に受注する高収益モデルで、2025期のセグメント利益率は約23.6%に達する。
3事業の組み合わせにより、景気変動の影響を受けにくい安定的な収益基盤を形成している。配当性向の目安は中長期的に30%と設定されている。
企業の強み
2025期末の受注残高は32,097百万円(前期比11.0%増)。環境事業22,317百万円(前期比9.9%増)、バルブ事業6,587百万円(前期比31.3%増)と主要2事業で大幅積み上がり。受注高も40,678百万円(前期比4.8%増)と拡大しており、売上の先行指標として高い可視性を持つ。
メンテナンス事業の2025期売上高は12,566百万円(前期比8.5%増)、セグメント利益は2,972百万円(前期比22.1%増)で、利益率は約23.6%に達する。施設老朽化に伴う更新・長寿命化ニーズを背景に受注高も前期比2.7%増と安定成長しており、グループ全体の収益を下支えする高収益セグメントとして機能している。
研究開発費は年間423百万円を投じ、AI技術を活用したかび臭予測モデルが国土交通省のAB-Crossプロジェクトに採択。下水処理場の省エネ型改築技術(B-DASHプロジェクト)も成果を得た。PFAS除去技術や下水汚泥堆肥化など脱炭素・資源循環分野の研究も継続しており、技術的差別化を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
令和8年5月期第3四半期累計(9ヶ月)は売上高27,864百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益3,964百万円(同15.9%増)、経常利益4,137百万円(同16.9%増)、親会社株主帰属四半期純利益2,648百万円(同17.1%増)と全利益項目で二桁増益を達成。過去5期の通期実績では2024期に売上高36,511百万円・営業利益4,875百万円とピークを記録後、2025期は売上高37,499百万円と増収ながら営業利益4,654百万円と減益となったが、2026期(8年5月期)は原価低減効果とバルブ・メンテナンス事業の好調により利益率が回復基調にある。
外部要因として老朽化インフラ更新需要の継続的拡大が売上成長を支えている。
成長戦略
「人と技術力で未来を拓く」中期3ヵ年計画で成長戦略・収益強化・経営基盤の三本柱を推進
製造プロセスの最適化・原価低減によるバルブ事業の収益性改善と、顧客対応力強化によるメンテナンス事業の拡充を推進。第3四半期累計でバルブ事業利益が前年同期比32.3%増、メンテナンス事業利益が同12.0%増と明確な成果が出ている。
老朽化上下水道施設の更新・再構築需要、脱炭素・資源循環型社会に向けたバイオマス・省エネ設備需要を取り込む提案営業を強化。第3四半期累計の受注高は11,832百万円(前年同期比14.7%増)と高水準だが、セグメント利益は前年同期比5.1%減と採算管理が課題。
3セグメント合計の第3四半期累計受注高は35,547百万円(前年同期比10.3%増)と全セグメントで増加。積み上がった受注残高が将来売上の可視性を高めており、通期売上高予想39,000百万円(前期比4.0%増)の達成を支える基盤となっている。
最終更新: 2026年7月17日

