事業内容
株式会社TVEは、原子力・火力発電所用高温高圧バルブの製造・販売・メンテナンスを主軸とするバルブ事業を中核に、鋳鋼製品製造(製鋼事業)、原発・公共施設向け電気設備工事(電気設備関連事業)、廃炉関連のリファインメタル事業・地域復興事業を展開するグループ企業。国内外の原子力・火力発電所を主要顧客とし、西華産業株式会社(売上高の35.3%)、東京パワーテクノロジー株式会社(同12.2%)を主要販売先とする。
1940年創業の東亜バルブ株式会社を源流に持ち、2020年に現商号へ変更。東京証券取引所スタンダード市場上場。
連結子会社4社(国内3社・海外1社)を含むグループで、長期ビジョン2030として「グローバルニッチトップ」を掲げる。
ビジネスモデル
バルブ製品はほぼ全量が顧客個別仕様書に基づく完全受注生産型であり、新製弁・補修部品販売と原発定期検査工事・メンテナンス役務の組み合わせで収益を得る。製鋼事業は鋳鋼製品の外販、電気設備関連事業は原発・公共施設向け工事請負が収益源。
売上時期は原発の定期検査スケジュールに依存するため年度間変動が大きく、受注残高の積み上がりが将来売上の可視性を高める構造となっている。
企業の強み
1940年創業以来80年超にわたり原子力・火力発電所向け高温高圧バルブを製造。「TOA」ブランドは国内外の原発・火力発電設備で採用実績を持ち、中国HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社への技術供与契約(最長23年間)を締結するなど、技術力の国際的評価を裏付ける。
2025年9月期末のバルブ事業受注残高は5,695百万円と前期末比108.1%増に達した。原発再稼働の進展(女川2号機・島根2号機再稼働、泊3号機2027年再稼働へ取り組み中)と第7次エネルギー基本計画による原子力活用方針の明確化を背景に、将来売上の可視性が大幅に向上している。
2025年9月期末の純資産残高は11,944百万円、負債残高は3,987百万円と財務体質は健全。三菱UFJ銀行との500百万円コミットメントライン契約により機動的な資金調達体制も整備。自己資金を主体とした安定的な財務基盤が、福井県おおい町・神戸市ポートアイランドへの大型設備投資を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2024年9月期の11,221百万円をピークに2025年9月期は10,184百万円へ減収となったが、2026年9月期中間期(2025年10月〜2026年3月)は6,003百万円(前年同期比27.0%増)と急回復。営業利益は839百万円(同339.5%増)、経常利益948百万円(同254.7%増)、中間純利益608百万円(同237.9%増)と全利益段階で大幅増益。
外部要因として国内原発の定期検査工事(関西電力高浜・四国電力伊方・九州電力玄海・川内)が集中したことが主因。通期予想(売上高10,500百万円・営業利益700百万円)は据え置きで、下半期は受注損失引当金の影響等による採算悪化リスクを会社側が明示している。
財政状態は総資産17,201百万円・純資産12,989百万円・自己資本比率75.5%と健全。
成長戦略
原発再稼働・リプレース需要の取り込みと廃炉リファインメタル事業の育成による中長期成長
若狭地区でのバルブ事業継続・発展を目的に、2024年12月に福井県おおい町の土地を取得。安全弁事業を行う第1工場の建設に向けてプロジェクトチームを組成し、着工に向けた設計等の取り組みを進めている。生産能力拡充により原発向け需要増加への対応力を強化する。
原発廃炉から生じるクリアランス金属のリサイクルを主とするリファインメタル事業の推進を目的に、福井県おおい町の同敷地内に第2工場の建設を検討中。廃炉市場への先行参入による先駆者優位性の確立を狙う。
BCP対策並びに工場機能の充実及び研究開発機能の強化を目的として、2025年6月に神戸市よりポートアイランドの土地を取得。中長期的な技術開発力の強化と事業継続性の向上を図る。
第7次エネルギー基本計画(2025年2月閣議決定)で原子力比率2割程度が明示され、北海道電力泊原発3号機の2027年再稼働に向けた取り組みや関西電力美浜原発1号機後継機の現地調査着手など、原発活用の動きが活発化。定期検査工事・修繕工事の受注拡大を継続的に図る。
最終更新: 2026年7月17日

