事業内容
株式会社モリタホールディングスは1907年創業の消防・防災・環境分野の専業持株会社。子会社17社・関連会社3社で構成され、消防車輌(売上高構成比約61%)、防災事業(同約21%)、環境車輌事業(同約12%)、産業機械事業(同約6%)の4セグメントを展開する。
主要顧客は国内自治体(消防本部・市区町村)であり、公共インフラ向け製品の製造販売を中核とする。フィンランドのBRONTO SKYLIFT OY ABを傘下に持ち、海外展開も推進。
2022年に東京証券取引所プライム市場へ移行し、2026年3月期の連結売上高は116,596百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
消防車輌・環境車輌は自治体からの受注を起点とした受注生産型モデルを採用し、受注残高(2026年3月期末71,591百万円)が将来売上の先行指標となる。防災事業は消火器等の見込生産と消防設備工事を組み合わせ、産業機械事業は製品販売に加え部品・メンテナンス収益を積み上げる複合収益構造を持つ。
グループ全体の営業利益率は13.3%(2026年3月期)に達し、中期経営計画目標の12%を超過達成した。
企業の強み
2026年3月期の消防車輌受注残高は48,214百万円(前期比9.1%増)、環境車輌受注残高は12,354百万円(同11.5%増)と積み上がり、グループ合計受注残高は71,591百万円(同5.8%増)と過去最高水準。受注生産型モデルにより将来売上の視認性が高く、業績の安定性を裏付ける構造的強みとなっている。
中期経営計画「Morita Reborn 2025」の最終年度(2026年3月期)において、営業利益率13.3%(目標12%)、DOE3.0%(目標2.5%以上)を達成。営業利益15,456百万円は過去最高を更新。
防災事業のセグメント利益率は20.2%に達し、グループ全体の収益性の高さを示している。
2023年に日本初のEV消防ポンプ自動車を開発し、2026年3月期には量産型「EVポンプユニット」を完成。欧州EN規格にも対応し、INTERSCHUTZ 2026(ドイツ・ハノーバー)で世界初の量産モデルとして発表。
総務省消防庁の公募型研究として消火用ドローン開発も採択され、研究開発費2,618百万円を投じた技術開発力が競争優位の源泉となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期81,344百万円を底に3期連続増収となり、2026年3月期は116,596百万円(前期比4.3%増)と過去最高を更新した。営業利益も15,456百万円(同12.5%増)と過去最高。
ただし増収率は前期17.4%から4.3%へ鈍化しており、成長モメンタムは減速局面に入った。消防車輌(売上高7.9%増)・環境車輌(同9.1%増)が牽引した一方、防災事業は大型案件剥落で6.2%減。
親会社株主帰属当期純利益は9,456百万円と前期比0.2%減にとどまり、持分法投資損失拡大(1,076百万円)と特別損失(投資有価証券評価損199百万円)が下押し要因となった。2027年3月期は売上高115,500百万円・営業利益14,500百万円と減収減益を予想しており、外部環境の不透明感(地政学リスク・物価高・金利上昇)が業績の先行き不確実性を高めている。
成長戦略
「Morita Reborn 2025」完遂後の次期中計策定と次世代製品・海外展開が焦点
営業利益率12%、DOE2.5%以上、営業利益過去最高更新の3つの数値目標を2026年3月期(最終年度)に全て達成。グループ全体の収益基盤強化と株主還元方針の実行を完遂した。
EV消防ポンプ自動車やAI現場指揮支援システム等の次世代製品の開発・実証を推進中。研究開発費は2026年3月期2,617百万円(前期2,380百万円から10.0%増)と投資を拡大しているが、収益貢献は現時点では未定。
消防車輌セグメントのれんが2026年3月期に完全償却(期末残高ゼロ)。年間約591百万円の償却負担が消滅し、2027年3月期以降の利益押し上げ効果が期待される。
DOE2.5%以上を目安とする配当方針のもと、2026年3月期年間配当64円(前期58円から増配)を実施。2027年3月期も年間64円を予定し、自己株式取得(当期4,663百万円)と合わせた総還元を継続する方針。
環境車輌事業において中国子会社(南京晨光森田環保科技有限公司)を通じた海外展開を継続。消防車輌でも海外市場への展開を推進しているが、海外売上高比率の動向次第でIFRS適用も検討する方針を明示している。
最終更新: 2026年7月19日

