ブラザー工業株式会社 logo

ブラザー工業株式会社

6448東証プライム電気機器

ブラザー工業株式会社 logo
ブラザー工業株式会社6448

事業内容

ブラザー工業は1908年創業のミシン修理業を起源とし、115年以上の歴史を持つグローバル複合事業企業。プリンター・複合機・ラベリング製品を世界展開するプリンティング・アンド・ソリューションズ事業を収益基盤に、産業用コーディング・マーキング機器(ドミノ)、工作機械・工業用ミシン(マシナリー)、減速機・歯車(ニッセイ)、家庭用ミシン(パーソナル・アンド・ホーム)を擁する。

40以上の国と地域に生産・販売・サービス・開発拠点を持ち、SOHO・SMBから製造業の大手企業まで幅広い顧客層に製品・サービスを提供する。2026年3月期の売上収益は893,464百万円。

ビジネスモデル

プリンター・複合機・ラベリング製品では製品本体の販売後にインク・トナー・テープ等の消耗品が継続的に購入されるリカーリング型収益構造を持つ。産業用コーディング機器(ドミノ)でも機器販売後にインク・溶剤等の消耗品販売とアフターサービスが安定収益を生む。

工作機械・工業用ミシン等の産業機器はBtoB向け設備販売が主体。グループ全体で研究開発費50,828百万円を投じ、独自技術による製品差別化と価格対応力を維持している。

企業の強み

プリンティング・アンド・ソリューションズ事業(売上収益570,583百万円)では、インク・トナー等の消耗品販売が価格対応効果も加わり堅調に推移。ドミノ事業でも消耗品(インク・溶剤等)が底堅く、インダストリアル・プリンティング事業売上収益139,291百万円の大部分を支える。

製品本体販売後に継続的な収益が積み上がる構造が業績の安定性を担保している。

40以上の国と地域に生産・販売・サービス・開発拠点を展開。英国・マレーシア・ベトナム・フィリピン・中国・スロバキア等に製造拠点を持ち、米国・欧州・アジアに販売会社を設置。

2024年12月にはインドで工作機械の生産を開始し、インド・日本・ドイツにテクノロジーセンターを新設・拡張するなど、重点地域での販売・サービス拠点網を継続的に強化している。

2026年3月期末時点で格付投資情報センター(R&I)からA+(安定的)の発行体格付を取得。短期借入金391百万円・長期借入金400百万円と有利子負債は極めて少なく、現金及び現金同等物197,674百万円(売上収益の約3ヶ月分)を保有。

営業活動によるキャッシュ・フローは111,001百万円を創出し、M&Aを含む成長投資と積極的な株主還元を自己資金で賄える財務基盤を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期のマシナリー事業は売上収益82,969百万円(前期比+23.3%)、事業セグメント利益6,703百万円(前期比+529.5%)と急拡大し、全社利益改善の主因となった。ただし、この急回復は中国・アジアの自動車・一般機械向け設備投資需要という外部要因に依存する部分が大きく、米国関税政策や中国経済の動向次第で振れ幅が大きい。

工業用ミシンは米国関税政策の影響で前期比▲6.6%と減収であり、事業内の二極化にも注意が必要。

インダストリアル・プリンティング事業は売上収益139,291百万円(前期比+1.5%)と微増収ながら、事業セグメント利益は2,913百万円(前期比▲44.3%)、営業損失1,670百万円と赤字転落。産業用プリンターが欧米の競争環境悪化で売上収益13,964百万円(前期比▲22.0%)と大幅減収し、固定資産の減損損失も計上。

ドミノの消耗品収益は堅調だが、産業用プリンター事業の競争力回復が見通せない中、セグメント全体の収益性改善には時間を要するとみられる。

ネットワーク・アンド・コンテンツ事業(エクシング)の株式70%をU-NEXT HOLDINGSへ17,500百万円で譲渡し(2026年4月完了)、非中核事業の切り離しを実行した。2027年3月期の非継続事業からの当期利益予想は80億円(前期比+58.8%)と税効果等を含む一時的な利益計上が見込まれる。

一方、MUTOHホールディングス等17社の新規連結による産業用領域の拡充が進むが、のれん及び無形資産は97,783百万円と高水準であり、買収効果の発現と減損リスクの管理が今後の評価ポイントとなる。

成長戦略

CS B2027で産業用領域への集中投資と事業ポートフォリオ変革を加速

通信・プリンティング機器とラベリングを「成長事業」と位置づけ、消耗品収益の拡大と価格対応を継続。2026年3月期は売上収益570,583百万円(前期比+4.7%)、事業セグメント利益66,446百万円(前期比+9.0%)を達成し、コア事業としての収益貢献を維持している。

中国・アジアを中心とした自動車・一般機械市場向け産業機器をCS B2027の「成長事業」と位置づけ、M&Aを含む積極投資を推進。2026年3月期は産業機器売上収益64,296百万円(前期比+35.9%)と大幅増収を達成し、事業セグメント利益も6,703百万円(前期比+529.5%)と急回復した。

ドミノの消耗品収益は堅調(売上収益125,326百万円、前期比+5.0%)だが、産業用プリンターの競争環境悪化により事業セグメント利益は2,913百万円(前期比▲44.3%)と大幅減益。産業用プリンターの固定資産減損も計上しており、収益性回復は道半ばの状況。

ネットワーク・アンド・コンテンツ事業(エクシング)の株式70%をU-NEXT HOLDINGSへ17,500百万円で譲渡(2026年4月完了)。CS B2027期間中に合計600億円の自己株式取得を公約し、2026年3月期に18,456百万円を実施。

2026年5月には追加で上限20,000百万円の自己株式取得を決議し、7,307,400株の消却も決定した。

最終更新: 2026年7月19日