事業内容
株式会社マースグループホールディングスは、静岡県御殿場市に本社を置く東証プライム上場の持株会社。傘下12社(連結9社)を通じ、①パチンコホール向けプリペイドカードシステム・周辺機器・経営支援システムを開発・製造・直販するアミューズメント関連事業(売上構成比約73%)、②RFID・AI画像認識・IoT自販機等の自動認識ソリューションを製造・物流・医療分野に提供するスマートソリューション関連事業(同約19%)、③マースガーデンホテル博多・マースガーデンウッド御殿場・銀座レストランを運営するホテル・レストラン関連事業(同約9%)の3セグメントを営む。
1974年創業以来50年超にわたり「開発型企業グループ」を標榜し、直販体制で顧客ニーズを製品開発に直結させる一貫体制を維持している。
ビジネスモデル
アミューズメント関連事業では、製品の開発・製造から販売・アフターサービスまでを一貫して自社グループで完結させる直販モデルを採用。全国にサービスステーションを配置し、顧客との継続的な接点を維持することで高い利益率(2026年3月期セグメント利益率36.1%)を実現している。
スマートソリューション関連事業はRFID・AI・IoT製品の提案販売、ホテル・レストラン関連事業は施設運営による宿泊・飲食収入が収益源。グループ全体の運転資金・投資資金は自己資金で賄い、無借金経営に近い財務構造を維持しながら、配当性向30%を基準とした安定配当を継続している。
企業の強み
2026年3月期のアミューズメント関連事業セグメント利益率は36.1%(売上高23,503百万円、セグメント利益8,494百万円)と極めて高い。プリペイドカードシステムの累計導入実稼働店舗数は1,376店舗・市場シェア23.9%に達しており、長年の直販体制と全国サービスステーション網が競合他社の模倣を困難にしている。
2026年3月期末の現金及び預金は38,963百万円、純資産は85,733百万円。流動負債4,390百万円に対し流動資産52,630百万円と流動比率は極めて高く、運転資金・投資資金を全額自己資金で賄う財務方針を維持している。投資有価証券も20,850百万円を保有し、資産の厚みが際立つ。
1974年創業以来、製品の企画・開発(ISO9001取得)から製造(東富士工場・新工場)、直販(マースシステムズ東日本・西日本の2販売会社体制)、アフターサービス(全国サービスステーション)までを自社グループで完結。直販で収集した顧客ニーズをスピーディーに製品開発へ反映する体制が差別化の源泉となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期15,103百万円→2025年3月期42,251百万円と3期で約2.8倍に拡大したが、2026年3月期は32,281百万円(前期比23.6%減)と大幅に反落。主因は新紙幣対応特需の一巡によるアミューズメント関連事業の落ち込み。
営業利益率は2025年3月期29.2%から2026年3月期27.2%へ低下。包括利益は10,222百万円(前期比14.1%増)と当期純利益を上回っており、投資有価証券の評価益(その他有価証券評価差額金が5,445百万円から8,579百万円へ拡大)が寄与。
2027年3月期は売上高33,700百万円(前期比4.4%増)、営業利益8,950百万円(同1.8%増)と緩やかな回復を予想しているが、特需前水準への完全回帰には至らない見込み。
成長戦略
アミューズメント基盤の深耕とM&A・DX活用による事業ポートフォリオ多様化
スマスロ普及率5割超を背景にスマート遊技機専用ユニットの需要を継続取り込み。スマパチの普及率が約2割に留まる中、新基準遊技機の導入拡大に伴う次の設備更新サイクルを捉えるべくエヴォールクラウド等の次世代経営支援システムの販売を推進。
製造・物流・医療領域を中心にAI画像認識システム「VIsAIシリーズ」、健診プラットフォーム「macmo」、IoT対応無人販売ソリューション「Infinity Station」シリーズの開発・販売を推進。DX拡大・労働人口不足を外部環境として省人化・効率化需要を取り込む。
2026年3月期は売上高微減(前期比1.6%減)も利益は2.0%増と収益性は改善。
マースガーデンホテル博多・マースガーデンウッド御殿場において客室構成・料金戦略の最適化、テレビCM等のプロモーション施策を展開。2026年3月期は売上高5.1%増・セグメント利益16.4%増と増収増益を達成。
外部環境として円安を背景としたインバウンド需要(訪日外国人4,268万人と過去最高)が追い風。
既存事業の強化に加え、M&Aの活用や新事業の創出で事業領域を広げる方針を明示。DX認定取得を背景にデジタル技術を活用した価値創造と持続的成長を経営の中核に据え、業務プロセス改革およびDXを推進。現金38,963百万円・無借金の財務基盤が投資余力を支える。
最終更新: 2026年7月19日

