事業内容
水道機工株式会社は1924年創業の水処理専業企業で、東レ株式会社を親会社に持つ。事業は「プラント建設」と「O&M」の2セグメントで構成される。
プラント建設では上水道浄水設備・下水道水処理設備・産業用廃水処理設備の製造・販売・施工を担い、O&Mでは子会社の株式会社水機テクノスを中心に水処理施設のメンテナンス・保守・運転管理を提供する。主要顧客は国・地方自治体等の官公庁であり、民間工場向けも手掛ける。
2026年3月期の連結売上高は31,209百万円で、プラント建設が63.2%、O&Mが36.8%を占める。2026年6月に東京証券取引所スタンダード市場の上場を廃止し、メタウォーター株式会社と東レ株式会社の2社が株主となっている。
ビジネスモデル
プラント建設セグメントでは工事請負契約に基づき進捗度に応じた収益認識(工事進行基準)を採用し、BT方式・DB方式等の大型案件を中心に売上を計上する。O&Mセグメントでは水処理施設の運転管理・メンテナンスを長期契約で受託し、安定的なストック型収益を積み上げる。
資金調達は主に自己資金と顧客からの工事前払金を活用し、不足時は東レグループのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を利用する。
企業の強み
2026年3月期末の連結受注残高は56,569百万円(前期比22.5%増)と過去最高額を更新した。うちプラント建設が44,653百万円(構成比78.9%)を占め、BT方式・DB方式による浄水場再整備案件や大口設備更新案件の契約締結が寄与した。
この高水準の受注残高は今後複数期にわたる売上・利益の可視性を高める。
1924年創業以来、上下水道・産業用水処理の設計・製造・施工・維持管理を一貫して手掛け、沈殿・ろ過・薬品注入・紫外線処理等の浄水技術に関する研究開発を継続している。2026年3月期の研究開発費は363百万円。長年の施工実績と技術蓄積は官公庁顧客との信頼関係の基盤となっている。
プラント建設(売上高19,715百万円)とO&M(売上高11,493百万円)の2セグメントを持ち、大型工事の変動リスクをストック型のO&M収益で補完する構造を有する。子会社の株式会社水機テクノスがサービスステーション網を通じた顧客接点を担い、グループ内でメンテナンス機能を集約することで事業効率化を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期22,662百万円→2024年3月期21,634百万円と低迷が続いたが、2025年3月期25,966百万円(前期比20.0%増)、2026年3月期31,209百万円(同20.2%増)と2期連続で20%超の増収を達成。営業利益も2024年3月期450百万円の底から2026年3月期2,044百万円へと急回復し、営業利益率は6.6%に達した。
外部要因として老朽化インフラ更新需要の拡大・国土強靭化投資の継続が追い風となる中、高水準の受注残高消化と採算改善が利益拡大を牽引。当期純利益は1,228百万円(前期比187.6%増)と大幅増益となったが、持分法利益転換・税効果等の非経常要因も含む点に留意が必要。
成長戦略
O&M拡大・ウォーターPPP参画・海外展開を軸に水処理事業の構造転換を推進
BT方式・DB方式による浄水場再整備案件や大口設備更新案件の受注を積極的に推進。2026年3月期受注高は29,861百万円(前年同期比53.5%増)と急増し、受注残高は過去最高を更新。ウォーターPPP市場の拡大を取り込む体制を整備している。
運転管理新規受託やメンテナンス案件の受注増を通じてO&M売上高を拡大。2026年3月期O&M売上高は11,493百万円(前年同期比22.9%増)と増収を達成したが、受注高は前年同期比15.2%減と既存契約更新の減少が課題。水機テクノスのサービスステーション網を活用した顧客基盤の深耕が継続課題。
第3四半期より持分法適用関連会社であったSuido Kiko Middle Eastの株式を追加取得し子会社化。連結化により持分法投資損益が損失(△105百万円)から利益(367百万円)へ転換し、経常利益の押し上げに貢献。子会社取得支出は1,080百万円。今後の収益貢献の持続性が注目点。
最終更新: 2026年7月19日

