事業内容
兼松エンジニアリングは1971年創業、高知県を本拠地とする環境整備機器の専業メーカーである。主力製品は強力吸引作業車(売上高の約68%)、高圧洗浄車(同約13%)、粉粒体吸引・圧送車であり、下水道・道路・土木建築・産業廃棄物処理分野の公共・民間事業者を主要顧客とする。
製品の開発・設計・組立・塗装・検査・販売を一貫して手掛け、全国の支店・営業所とKCSネットワーク(指定サービス工場)を通じてアフターサービスを提供する。累計出荷台数は2025年4月に15,000台を突破し、国内市場で高いシェアを有する。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
顧客の個別仕様に応じた受注生産体制を採用し、技術力と品質で差別化を図る。シャシを先行手配して生産リードタイムを管理し、受注残高を積み上げることで翌期売上の可視性を確保する。
部品販売(売上高の約9%)は既存納入車両の稼働継続に伴う安定的な反復収益源となっており、主力製品販売と組み合わせた複合収益構造を形成している。中国企業への技術移転ライセンス(ロイヤルティ収入)も付加的な収益源となっている。
企業の強み
強力吸引作業車・高圧洗浄車において国内で相当の市場シェアを有することを有報で明示。2025年4月に累計出荷台数15,000台を突破(2016年4月の10,000台から約9年で5,000台追加)。長年の納入実績と全国KCSネットワークが参入障壁を形成している。
2026年3月期末の受注残高は11,735百万円(前期比+2.0%)と高水準を維持。売上高14,097百万円に対し受注残高は約83%相当であり、翌期売上の大部分が既に確保されている状態。
強力吸引作業車の受注残高は9,466百万円(前期比+7.6%)と特に堅調で、受注積み上げ型の事業構造が収益の安定性を支えている。
部品販売は2026年3月期に1,241百万円(前期比+7.0%)と堅調に拡大。既存納入車両の稼働継続に伴い需要が継続的に発生する構造であり、主力製品の累計出荷台数増加とともに部品需要の裾野も拡大する。景気変動の影響を受けにくい安定収益源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の11,336百万円を底に3期連続増収となり、2026年3月期は14,097百万円(前期比+6.0%)と過去5期最高を更新。営業利益は1,341百万円(前期比+40.6%)、当期純利益は1,041百万円(前期比+48.6%)と大幅増益を達成。
増益の主因は、シャシ入庫安定化による生産計画の順調な進捗と部材高騰影響の一巡による売上総利益率の改善(24.1%→26.9%)。外部要因として、インフラ整備需要の底堅い推移が受注環境を支えた。
一方、2027年3月期はシャシモデルチェンジに伴う納入時期の後半ズレ込みと部材高騰再燃を主因に、売上高13,000百万円(△7.8%)・営業利益940百万円(△29.9%)と大幅な減収減益を予想しており、成長軌道は一時的に減速する見込み。
成長戦略
品質最優先・DX活用・海外展開の3軸で安定的な利益確保と事業基盤強化を推進
「品質」を最優先に生産活動を継続し、シャシ入庫の安定化と計画的な生産管理により受注残高の確実な売上転換を図る。2026年3月期は期初計画どおりの生産活動が実現し、売上総利益率の改善に貢献した。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した業務変革に継続的に取り組み、生産効率・管理コストの改善を通じた収益性向上を目指す。2027年3月期においても継続的な取り組みとして明示されている。
空港滑走路向け「路面清掃車」や柑橘類果皮からの精油抽出向け「マイクロ波抽出装置」等の特殊製品の販売を推進。2026年3月期のその他売上高は1,112百万円(前期比+34.0%)と大幅増加し、製品多様化が進展している。
海外売上は2026年3月期実績10百万円と緒に就いたばかりだが、2027年3月期は120百万円を計画しており大幅拡大を目指す。JICA案件等を通じた海外市場開拓が進捗中。
最終更新: 2026年7月19日

