事業内容
日機装株式会社は1953年創業の東証上場企業で、連結子会社43社・持分法適用会社4社を含むグループを形成する。事業は工業部門と医療部門の2セグメントで構成される。
工業部門はインダストリアル事業(LNG・産業ガス向け極低温ポンプ・熱交換器・プロセスプラント、産業用ポンプ・システム、精密機器)と航空宇宙事業(民間航空機向けCFRP成形品・逆噴射装置部品・主翼部品等)を展開。医療部門は血液透析装置・透析液供給装置・ダイアライザー等の血液透析関連製品を国内外で製造・販売・メンテナンスする。
2025年12月期の売上収益は215,642百万円で、工業部門が約63%、医療部門が約37%を占める。
ビジネスモデル
工業部門は大型インフラ案件(LNG液化・受入基地、航空機部品等)を受注し、設計・製造・納入・メンテナンスまで一貫して提供する受注型ビジネスが中心。受注残高115,602百万円(工業部門)が将来売上の可視性を高める。
医療部門は血液透析装置本体の販売に加え、消耗品(ダイアライザー・血液回路・透析用剤)の継続的な販売で安定収益を確保するストック型モデルを組み合わせる。研究開発費3,435百万円・設備投資7,122百万円を継続投下し、技術優位性を維持する。
企業の強み
CE&IGグループを中核とするインダストリアル事業は北米・欧州・アジアのLNG液化・受入基地案件で活発な受注を継続。2025年12月期の工業部門受注高は152,912百万円(前年比+9.2%)、受注残高は115,602百万円に達し、中期的な売上の可視性が高い。
宇宙産業向けLNG関連ビジネスの大型案件受注など新規領域への展開も確認されている。
中計フェーズ2において深紫外線LED事業・CRRT事業からの撤退を2025年に概ね完了し、ヘルスケア事業も撤退決定。ポートフォリオ再構築の結果、2025年12月期の営業利益は15,331百万円(前年比+139.6%)となり、子会社株式譲渡益を計上した2022年12月期を除けば創業以来の最高益を達成した。
メディカル事業は中国・欧州・アジアへの海外展開を加速。2025年5月に米国での血液透析装置販売許認可を取得し、2026年1月から販売を開始。国内市場の縮小リスクを海外成長で補完する構造転換が進んでいる。中国合弁会社(威高日機装)を含む現地生産体制も整備済みである。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上収益は167,759百万円(2021期)→215,642百万円(2025期)と拡大基調。営業利益は2022期に34,222百万円(一時的要因含む)を計上後、2023・2024期に低迷したが、2025期に15,331百万円と大幅回復し創業以来最高益を達成。
2026年12月期第1四半期は売上収益55,366百万円(前年同期比+14.6%)、営業利益3,689百万円(同+24.9%)、受注高68,363百万円(同+30.2%)と全指標で前年同期を上回った。外部要因として円安(米ドル・ユーロ)が海外売上を押し上げ、LNG分野の設備投資需要拡大が受注を牽引。
営業活動によるキャッシュ・フローは△5,612百万円と流出(前年同期+4,210百万円)となっており、運転資本の増加(営業債務減少・棚卸資産増加)に留意が必要。
成長戦略
LNG・海外透析・航空宇宙の3軸成長と脱炭素新規領域への先行投資で2028年売上収益270,000百万円を目指す
北米・欧州・アジアのLNG液化・受入基地案件を中心に受注を積み上げ、CE&IGグループと日本の一体的な事業運営体制を整備。2026年12月期第1四半期のインダストリアル事業受注高は41,967百万円(前年同期比+51.9%)と大幅増加し、順調に進捗している。
民間航空機市場の増産基調を背景にCFRP成形品の出荷を拡大。2026年12月期第1四半期にセグメント利益452百万円と黒字転換を達成(前年同期△64百万円)。業界全体の生産回復加速を着実に取り込んでいる。
欧州での高機能・省人化モデルの評価獲得による販売拡大、アジア地域の市場拡大取り込み、2026年1月開始の米国市場参入(新型装置販売)を推進。次ステップとして多用途型血液透析装置の米国許認可取得対応を継続中。
水素・アンモニア等の次世代エネルギー分野に向けた技術・製品開発を継続。地域ごとに市場進展速度にばらつきがあり投資需要の優先度がLNGに移行している現状を踏まえ、中長期的な事業機会の確保を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

