事業内容
株式会社椿本チエインは1917年創業の機械部品・システムメーカーで、産業用チェーン(チェーン)、自動車エンジン用タイミングチェーンシステム(モビリティ)、減速機・直線作動機(モーションコントロール)、搬送・仕分け・保管システム(マテハン)の4事業を柱とする。当社・子会社96社・関連会社14社で構成されるグローバルグループであり、日本・米州・欧州・環インド洋・中国に製造・販売拠点を展開する。
主要顧客は自動車メーカー、製造業全般、物流・建設機械業界など多岐にわたり、2026年1月には大同工業株式会社を株式交換により連結子会社化し、事業規模をさらに拡大した。
ビジネスモデル
チェーン・モビリティ・モーションコントロールの部品事業では、グローバルな自社製造拠点と販売網を通じて産業機械・自動車メーカー等に継続供給し、安定的な売上を確保する。マテハン事業では受注生産型のシステム販売に加え、アフターサービス(メンテナンス)によるストック型収益の積み上げを図る。
研究開発費8,089百万円・設備投資18,085百万円(2026年3月期)を継続投下し、製品競争力を維持する。
企業の強み
チェーンセグメントは売上高99,830百万円・営業利益率15.4%を達成し、グループ全体の収益を牽引する。日本・米州・欧州・環インド洋の全主要地域で販売増を実現しており、グローバル最適生産・販売体制が競争優位の源泉となっている。
2026年1月の大同工業連結子会社化により受注高は101,598百万円(前期比9.5%増)に拡大した。
モビリティセグメントは売上高97,359百万円(前期比6.8%増)、営業利益10,036百万円(同21.1%増)と高い増益率を記録した。自動車エンジン用タイミングチェーンシステムを中核に、日本・米州・欧州・環インド洋で新規案件の量産立ち上げが進んでおり、EV/HV対応製品の拡販も開始している。
1917年創業以来、ローラチェーン・タイミングチェーン・減速機等の機械部品分野で技術を蓄積してきた。研究開発スタッフはグループ全体で約600名(総従業員の約5%)に達し、2026年3月期の研究開発費は8,089百万円。東京都市大学・奈良先端科学技術大学院大学等との産学連携も推進している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期215,879百万円から2026年3月期295,878百万円へ5期連続増収(CAGR約8.2%)。ただし2026年3月期の営業利益は21,578百万円(前期比5.6%減)と初の減益に転じ、営業利益率は7.3%(前期8.2%)に低下した。
大阪・関西万博出展費用・子会社取得関連費用等の一時費用と全社費用増加が主因。外部要因として中国・ドイツの経済環境低迷がチェーンセグメントの利益を圧迫した一方、市場環境としてハイブリッド車需要拡大がモビリティセグメントの営業利益21.1%増を牽引した。
当期純利益は大同工業連結化に伴う負ののれん発生益11,643百万円の計上により29,708百万円(前期比34.3%増)と大幅増益となったが、一過性要因を除いた実力ベースでは2027年3月期予想22,000百万円(前期比25.9%減)と減益見通し。
成長戦略
次期中計で収益力重視の事業構造転換とグローバル経営基盤強化を推進
2026年1月に大同工業株式会社を連結子会社化(新規16社を連結範囲に追加)。負ののれん発生益11,643百万円を計上し、チェーン事業の売上規模・製品ラインナップ・生産能力の拡充を図る。統合シナジーの実現が次期中計の重要課題。
「中期経営計画2025」最終年度を経て、次期中計では社会課題解決と経済価値創出の両立を基本方針に、収益力重視の事業構造転換とグローバルグループ全体での経営基盤強化を推進。2027年3月期は売上高350,000百万円・営業利益25,500百万円を目標とする。
2026年4月1日付の機構改革に伴い、翌連結会計年度から報告セグメントを「チェーン・モーションコントロール」→「パワトラ」、「モビリティ」、「マテハン」の3区分に再編。事業の選択と集中を通じた経営資源の最適配分と意思決定の迅速化を図る。
2026年3月期の年間配当金は1株当たり80円(配当性向27.0%、負ののれん発生益等除く実質35.0%)。2027年3月期も年間80円の配当を予定。2026年5月に上限5,000,000株・100億円の自己株式取得を決議し、資本効率向上と株主還元の充実を図る。
最終更新: 2026年7月19日

