事業内容
月島ホールディングスは、上下水道・汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を手掛ける水環境事業と、化学・ライフサイエンス・二次電池製造関連設備および廃液・廃棄物処理設備を手掛ける産業事業の2事業を主軸とする持株会社(2023年4月移行)。当社と子会社41社・関連会社15社で構成され、主要顧客は地方自治体・公共機関(水環境)および化学・製薬・食品・電池メーカー(産業)。
1905年創業の老舗エンジニアリング企業であり、2023年10月にJFEエンジニアリングの国内水エンジニアリング事業を統合し、水インフラ分野でのリーディングカンパニーを目指している。
ビジネスモデル
主力は個別受注生産による機器・プラントの設計・建設であり、受注残高(2026年3月期末323,517百万円)が売上の先行指標となる。これに加え、PFI・DBO・包括O&M業務など複数年の長期維持管理契約を積み上げることで安定的なライフサイクル収益を確保する。
産業事業ではアフターセールス(補修工事・スペアパーツ)強化も進めており、フロー収益とストック収益の両立を図る構造となっている。
企業の強み
2023年10月にJFEエンジニアリングの国内水エンジニアリング事業を統合し、月島JFEアクアソリューションを設立。両社の技術・ノウハウを集約し、水環境事業の売上高は98,578百万円(2026年3月期)に拡大。受注残高271,543百万円という厚い手持ち工事が中期的な売上を下支えする。
寒川浄水場(2006年運営開始)、尾張ウォーター&エナジー(2017年)、バイオコール京都鳥羽(2021年)、小山エナジーサイクル(2024年)、グリーンサイクルパワーいわき(2025年)など複数のPFI・DBO特別目的会社を連結子会社として保有し、長期運営契約による安定収益基盤を構築している。
産業事業では月島機械が保有する晶析・ろ過・乾燥・分離技術を活用し、リチウムイオン二次電池正極材向けCRYSTALLEX®シリーズ等の独自製品を展開。2026年3月期の産業事業受注高は59,960百万円(前期比36.5%増)、営業利益は4,148百万円(前期比95.5%増)と採算性が大幅に改善した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期93,077百万円から2026年3月期148,954百万円へ5期連続増収となり、過去最高を更新した。営業利益も9,842百万円(前期比10.4%増)と過去最高。
親会社株主帰属当期純利益は16,910百万円(前期比153.6%増)と急増したが、市川工場跡地物流施設の信託受益権譲渡に伴う固定資産売却益12,032百万円および投資有価証券売却益3,314百万円が特別利益に計上されたことが主因。外部要因として国内設備投資の堅調推移が追い風となる一方、物価上昇・為替変動・地政学リスクがコスト面の不確実性として残る。
2027年3月期は売上高152,000百万円(前期比2.0%増)・営業利益11,000百万円(同11.8%増)・純利益8,500百万円(同49.7%減)を予想しており、一過性利益剥落後の経常的収益力が問われる局面に入った。
成長戦略
水環境統合シナジー深化・産業脱炭素需要取込・資本効率向上の三位一体戦略
2023年10月のJFEエンジニアリング国内水エンジニアリング事業統合に加え、当期中に東日本エンジニアリング株式会社の株式を取得し、水処理・下水処理の運転管理業務を強化。PFI・DBO・包括O&M業務の受注拡大を継続し、ライフサイクル全体での収益積み上げを図る。
化学・化粧品・食品・医薬向けプラント・単体機器、リチウムイオン二次電池製造関連設備(微粒子晶析装置等)、廃液・固形廃棄物処理設備など環境関連設備の受注拡大を推進。2026年3月期の産業事業受注高は59,960百万円(前期比36.5%増)と大幅増加し、受注残高も51,973百万円(同24.5%増)に拡大した。
政策保有株式の売却、物流施設(市川工場跡地)の信託受益権譲渡(売却益12,032百万円)、自己株式の取得(12,797百万円)・消却(11,017百万円)を実施。年間配当は85円(前期78円から増配)とし、2027年3月期は88円を予定。
配当性向は20.6%(2026年3月期)と低下したが、これは純利益の一過性急増によるもの。
事業ポートフォリオマネジメントの一環として、DX推進およびM&A・アライアンスの具現化に取り組む。当期はつばめ・やひこウォーターサービス株式会社を新規連結に加え、月島機械(北京)有限公司を清算するなど、グループ構成の最適化を進めた。
最終更新: 2026年7月19日

