事業内容
三菱化工機は1935年創立の産業機械・プラントエンジニアリング専業メーカーで、東証プライム上場。都市ガス・石油・化学プラント、下水処理装置、水素製造装置を手掛けるエンジニアリング事業、油清浄機・分離機・ろ過機等の単体機械事業、そして脱炭素関連のGX事業の3セグメントを展開する。
主要顧客は化学・半導体素材・造船・海運・官公庁(下水処理)など幅広い産業に及ぶ。国内製造拠点(川崎製作所・四日市事業所・鹿島工場)に加え、オランダ・タイ・中国・台湾に海外拠点を持ち、グローバルに事業を展開している。
2026年3月期の連結売上高は84,240百万円。
ビジネスモデル
エンジニアリング事業は顧客ニーズに応じた個別受注型のプラント・装置設計・製作・据付で売上を計上する。単体機械事業は油清浄機等の標準製品販売に加え、アフターサービス部品・工事の継続的な収益が高い利益率を支える。
GX事業は水素製造装置・バイオガス関連装置等の脱炭素案件を受注型で手掛ける。受注残高を積み上げ、工事進捗に応じて売上を認識する構造であり、受注残高90,842百万円(2026年3月期末)が将来売上の可視性を高めている。
企業の強み
2026年3月期の単体機械事業は売上高20,170百万円に対し営業利益5,410百万円、営業利益率26.8%を達成。三菱油清浄機は韓国・㈱三工社への技術供与実績を持つ確立されたブランドであり、本体販売に加えアフターサービス部品・工事の継続収益が高い利益率を支える構造となっている。
水素吸蔵合金・燃料電池一体型システム「HyDel™」の実証実験開始、CO2分離膜を活用した水素製造装置のNEDO採択、アンモニア燃料船向け潤滑油清浄機のNK船級検査証明書取得など、自社開発技術の実績が蓄積されている。GX事業の研究開発費は659百万円(2026年3月期)と全社の80%超を占める。
2026年3月期末の受注残高は合計90,842百万円(エンジニアリング事業38,697百万円、GX事業41,504百万円、単体機械事業10,640百万円)。特にGX事業の受注残高は前年同期比104.1%と高水準を維持しており、中期的な売上計上の裏付けとなっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期45,438百万円から2026年3月期84,240百万円へ4期で約1.9倍に拡大し、特に直近2期で加速度的な成長を実現した。営業利益率は2022年3月期6.1%から2026年3月期10.9%へ改善。
2026年3月期はGX事業の新規セグメント計上(18,322百万円)とエンジニアリング事業の大型案件進捗(45,747百万円)が主な増収要因。外部要因として国内民間設備投資の堅調推移と脱炭素需要の拡大が追い風となった。
特別利益に固定資産売却益1,448百万円を計上したことも純利益(7,546百万円、前期比54.7%増)を押し上げた。2027年3月期は売上高80,000百万円・営業利益8,800百万円と減収減益予想であり、成長の踊り場を迎える可能性がある。
成長戦略
GX事業を第三の柱に育成しつつ、本社・川崎製作所再編で生産基盤を刷新
中期経営計画(2025〜2027年度)の方針に基づき、脱炭素関連の新規事業・改良技術を集約したGX事業を独立報告セグメントとして設置。初年度に売上高18,322百万円・営業利益645百万円を計上し、グループ売上高の21.7%を占める規模に成長。今後は利益率改善と顧客分散が課題。
本社・川崎製作所の再構築に係る実施計画が決議され、建設工事に着手。建設仮勘定が3,665百万円に拡大し、資金調達として10,000百万円のシンジケーション方式タームローン枠を設定済み(未実行)。再編完了後の生産効率向上・コスト削減効果が期待される。
エンジニアリング事業・GX事業を中心に大型案件の受注確保と進捗管理を強化。2026年3月期に契約資産16,769百万円(前期比27.5%増)を積み上げ、翌期以降の売上高の視認性を高めている。2027年3月期第2四半期累計売上高43,000百万円(前年同期比19.0%増)を予想。
代表取締役自ら全従業員と対話するタウンホールミーティングの実施、ステークホルダーとの対話を重視したIR・SR活動の展開、社外への情報発信強化を通じて企業価値向上に取り組む。株式分割(1→3株、2025年4月1日効力発生)による株式流動性向上も実施済み。
最終更新: 2026年7月19日

