事業内容
荏原実業株式会社は、環境関連機器・装置の製造販売(メーカー事業)、上下水道向け設計・施工(エンジニアリング事業)、ポンプ・空調機器等の商社販売(商社事業)の3事業を展開する環境インフラ企業。1946年創業、東証プライム上場。
主要顧客は官公庁(受注高の67.3%)と民間企業。㈱荏原製作所との代理店契約を基盤に、オゾン濃度計・脱臭装置・水処理プラント・蓄電システムなど自社開発製品も有する。
子会社に㈱エバジツ、荏原実業テクノロジーズ㈱を持ち、グループ全体で環境保全ソリューションを提供する。
ビジネスモデル
エンジニアリング事業(売上構成比54.5%)では官公庁から直接受注し、荏原グループ製機器材料を調達して設計・施工を行う。商社事業(同27.3%)では荏原グループとの代理店契約に基づき民間向けにポンプ・空調機器等を販売。
メーカー事業(同18.2%)ではファブレス方式で自社開発製品を協力会社に生産委託し販売する。3事業の組み合わせにより、公共・民間双方の需要を取り込む構造となっている。
企業の強み
2025年12月期のエンジニアリング事業はセグメント利益率19.3%、セグメント利益4,332百万円(前期比76.8%増)を達成。期末受注残高25,084百万円(前期比8.2%増)を保有し、翌期以降の売上・利益の可視性が高い。公共水インフラ更新・防災減災需要の拡大が継続的な受注増を支えている。
中期経営計画「EJ2027」(2025〜2027年)の最終年度目標である営業利益5,500百万円・ROE15.0%以上を、初年度2025年12月期に営業利益6,121百万円・ROE17.1%で前倒し達成。売上総利益率33.8%も最終年度計画31.1%を上回る水準で推移している。
2025年12月期末の自己資本比率57.7%、現金及び現金同等物14,524百万円を保有。有利子負債残高は少額でキャッシュ・フロー対有利子負債比率1.1年と低水準。内部資金を主要財源とする安定した資金調達体制を維持しており、成長投資余力を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2022期の30,229百万円を底に回復基調が続き、2025期は41,211百万円と過去最高を更新。2026年1Q累計は売上高14,814百万円(前年同期比+2.1%)、営業利益3,480百万円(同+15.9%)、親会社株主帰属四半期純利益2,433百万円(同+14.8%)と増収増益。
売上総利益率は前年同期33.5%から36.6%へ改善し、利益成長が売上成長を大幅に上回る。外部要因として、公共水インフラ更新・防災減災需要の堅調推移が追い風となっている一方、中東情勢・通商政策による景気不透明感が先行きリスクとして意識される。
通期予想(売上高44,000百万円・営業利益6,300百万円)は据え置きで変更なし。
成長戦略
「EJ2027」3基本方針のもと2027年売上高45,000百万円・2030年60,000百万円を目指す
公共水インフラ更新・防災減災需要を取り込み、高水準の受注残高(2026年1Q末32,779百万円)を背景に安定的な売上・利益計上を継続。エンジニアリング事業の売上総利益率改善が進んでおり、採算管理の徹底が奏功している。
雨水排水施設等の防災・減災需要を主要成長ドライバーと位置付け、エンジニアリング事業・メーカー事業双方で案件獲得を推進。公共分野の防災投資拡大という外部環境も追い風として機能している。
2026年1Qにメーカー事業で陸上養殖設備に関する大型案件を受注し、受注残高が前年同期比192.1%増の6,993百万円に急増。中期計画「EJ2027」の新領域探索が具体的な受注として結実しつつある段階。
中期経営計画「EJ2027」において蓄電池を注力領域の一つとして位置付け、新領域の探索・事業化を推進。現時点では決算短信上に具体的な受注・売上実績の記載はなく、引き続き進捗を注視する必要がある。
2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施し、株式流動性の向上・投資家層の拡大を図った。2026年12月期の年間配当予想は75円(株式分割考慮後)で、分割考慮前換算では150円と前期の普通配当100円から実質増配。
最終更新: 2026年7月17日

