事業内容
株式会社技研製作所は、1975年に世界初の油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を開発して以来、無振動・無騒音・低環境負荷の「圧入工法」を核とした建設機械の開発・製造・販売・レンタルと、圧入技術を活用した工事施工の2事業を展開する。国内では防災・減災・国土強靭化・インフラ老朽化更新需要を主要市場とし、海外は欧州・アジア・北米を含む世界40以上の国と地域に圧入技術を普及させている。
主要顧客は国内外の建設施工会社・公共機関であり、機械販売・レンタル・保守サービスに加え、自社施工による工事収益も得る複合的な事業構造を持つ。
ビジネスモデル
建設機械事業(売上高17,656百万円)では、受注生産を基本とするサイレントパイラー等の販売・レンタル・保守サービスで収益を得る。圧入工事事業(売上高8,680百万円)では、自社・子会社が圧入技術を用いた工事を直接施工し工事収益を獲得する。
海外ではGTOSSと呼ぶ総合支援サービスを通じてパートナー企業に技術・ノウハウを提供し、機械販売と工法普及を同時に推進するエコシステム型モデルを構築している。
企業の強み
1975年に世界初のサイレントパイラーを開発して以来、無振動・無騒音の圧入工法を独自進化させ続けており、ジャイロプレス工法・硬質地盤クリア工法等の特殊工法群を保有する。ハット形鋼矢板900mm幅の硬質地盤圧入が令和7年度版国土交通省土木工事積算基準に掲載され、公共工事の標準工法として公的認定を取得した。
2025年8月期末の自己資本比率は84.2%(前期84.0%)、純資産40,285百万円、総資産47,837百万円と極めて健全な財務構造を維持している。有利子負債は限定的で、インタレスト・カバレッジ・レシオは143.3倍(2025年8月期)を確保しており、積極的な研究開発・設備投資を自己資金で賄える体力を持つ。
海外ではGTOSS(ユーザー向け総合支援サービス)を通じてパートナー企業と協働体制を構築。欧州6社・アジア10社・北米3社のGTOSS会員を擁し、当期はオランダ・ドイツ・韓国・米国で新規会員が加入した。
シンガポール・インドへの新規機械販売と「圧入道場」での教育プログラム提供により、新市場開拓も着実に進捗している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2022期30,378百万円をピークに減少し、2025期は26,337百万円まで落ち込んだ。2026年8月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高は19,508百万円(前年同四半期比11.9%増)、営業利益1,779百万円(同27.2%増)、経常利益2,042百万円(同42.0%増)、純利益1,466百万円(同225.0%増)と全指標で大幅改善。
建設機械事業が国内外の製品・部品販売・レンタル進捗で牽引。前年同期の特別損失853百万円の剥落が純利益を押し上げた。
外部要因として民間投資の持ち直しと底堅い公共投資が追い風となる一方、建設コスト上昇・技能労働者不足が顧客の設備投資慎重化を招いている。通期予想(売上高27,800百万円・営業利益2,900百万円・純利益2,200百万円)は据え置き。
成長戦略
中期経営計画2027のもと海外積極展開・開発強化・国内着実成長の4軸戦略を推進
会員顧客との協働で製品販売・レンタル・技術サービスを一体提供し、アジア・欧州・北米での市場を創出。3Q累計でアジア11社・北米4社に拡大し、インド・シンガポール・オランダ・カリフォルニア州での具体的な案件進捗が確認されている。
新型機「サイレントパイラーST400SX」を含む一般機の販売拡大と大型特殊機のレンタル推進により、国内建設機械事業の収益基盤を強化。3Q累計で建設機械事業売上高13,394百万円(前年同四半期比17.8%増)と順調に進捗。
水門新設・河川護岸改修・橋梁架け替え等の公共インフラ工事に加え、付加価値の高い開発型案件の受注拡大を図る。3Q累計では開発型案件が第4四半期に集中する計画で件数が前期を下回ったが、第4四半期での挽回が通期計画達成の鍵となる。
ハット形鋼矢板900mm幅圧入が国土交通省土木工事積算基準に掲載され公共工事の標準工法として認定。災害復旧・復興事業や国土強靭化事業を中心に工法採用案件数は順調に推移しており、制度的裏付けを活かした継続的な普及活動を展開している。
最終更新: 2026年7月17日

