事業内容
タツモ株式会社は1972年創業の岡山県発の製造装置メーカーで、連結子会社13社・持分法適用関連会社1社を擁するグループを形成する。主力のプロセス機器事業では、半導体製造向けの塗布装置・先端パッケージ向け装置・搬送装置・洗浄装置、および液晶ディスプレイ向けカラーフィルター製造装置を手掛ける。
表面処理用機器事業ではプリント基板製造装置(メッキ処理装置・回路形成装置)を、金型・樹脂成形事業では電子機器向けコネクター類・エンボスキャリアテープを製造・販売する。主要顧客は国内外の半導体メーカー・研究機関・カラーフィルターメーカーで、TSMCが2025年12月期に売上構成比30.8%を占める最大顧客となっている。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
プロセス機器事業・表面処理用機器事業ともに受注生産を基本とし、顧客の設備投資計画に応じた装置を開発・製造・納入する。製造はベトナム(TAZMO VIETNAM CO.,LTD.)・中国(富萊得科技(東莞)有限公司等)の海外子会社を活用してコスト競争力を確保し、販売・メンテナンスは国内外の子会社網を通じて展開する。
売上計上は検収基準であるため、受注残高の積み上げが将来売上の先行指標となる構造を持つ。
企業の強み
2025年12月期におけるTSMCへの売上高は10,919百万円(前期3,780百万円)と約2.9倍に急増し、売上構成比は30.8%に達した。アドバンスドパッケージ向け装置の需要拡大を背景に、世界最大のファウンドリとの取引深化が実績として確認されている。
2008年設立のTAZMO VIETNAM CO.,LTD.は第4工場まで増築を重ね、半導体関連機器の設計・組立・販売を担う主要製造拠点に成長。中国の富萊得科技(東莞)有限公司・FACILITY HANOI CO.,LTD.と合わせた海外製造体制が、コストダウンと短納期実現の基盤となっている。
2025年12月期の営業キャッシュ・フローは9,425百万円(前年同期比25.6%増)と高水準を維持。期末現金及び現金同等物は13,946百万円に達し、負債総額は前期比4,702百万円減少の19,855百万円となった。純資産は27,037百万円まで積み上がり、財務体質の強化が進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期22,002百万円から2024期35,865百万円まで拡大したが、2025期は35,429百万円と微減に転じた。2026年12月期第1四半期は売上高5,967百万円(前年同期比20.6%減)、営業利益86百万円(前年同期比92.9%減)、親会社株主帰属四半期純利益111百万円(前年同期比87.0%減)と大幅な落ち込みとなった。
外部要因として表面処理用機器事業における売上計上案件の減少、搬送装置の検収遅れが響いた。一方で受注高は急拡大しており、外部環境としてAIサーバー向け半導体需要の旺盛な推移が受注積み上がりを支えている。
通期予想(売上高35,500百万円、営業利益3,600百万円)は据え置かれているが、下期への業績偏重が前提となっている。
成長戦略
アドバンスドパッケージ向け半導体装置の深耕と受注残高の売上転換による業績回復
2026年12月期第1四半期の半導体装置受注高は11,711百万円(前年同期比897.0%増)と急拡大し、受注残高は21,960百万円に積み上がっている。AIサーバー向け需要を背景とした顧客の設備投資拡大を取り込み、受注残高の売上計上への転換が通期業績達成の鍵となる。
搬送装置は受注状況が回復傾向にあるものの、2026年12月期第1四半期の売上高は1,423百万円(前年同期比20.2%減)にとどまった。受注残高3,939百万円を抱えており、今後の検収進捗による売上計上増加が期待される。
2026年12月期第1四半期は原材料高騰や工場移転費用の発生により営業損失0百万円(前年同期は38百万円の営業利益)となった。工場移転完了後のコスト構造正常化による収益性改善が課題であり、売上高278百万円(前年同期比5.2%減)の回復も必要。
2026年12月期第1四半期の受注高は1,153百万円(前年同期比229.6%増)と大幅増加したが、売上高は951百万円(前年同期比60.7%減)と低調。受注残高1,976百万円の売上計上への転換が下期業績回復の重要な要素となる。
最終更新: 2026年7月17日

