事業内容
株式会社マルマエは、鹿児島県出水市を本拠とする精密部品メーカー。精密部品事業では、ドライエッチング・CVD・洗浄等の前工程半導体製造装置向け真空チャンバーや消耗品(ESC・電極類等)、FPD製造装置向け大型真空部品を製造する。
2025年4月にKMアルミニウム株式会社を子会社化し、機能材料事業(99.999%超の超高純度アルミターゲット材料・半導体装置部材・基礎素材)を加えた2セグメント体制に移行。主要顧客は日本発条(売上比25.4%)、東京エレクトロン宮城(同14.8%)等の半導体装置メーカー。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
精密部品事業では、プラズマ環境下で使用される高難度真空部品を受注生産し、一旦採用されると長期継続受注が見込める「スペックイン」型ビジネスモデルを採用。消耗品需要により設備投資サイクルに依存しない安定収益も確保する。
機能材料事業では、超高純度アルミの製造能力を活かしターゲット材料・装置部材・基礎素材を製造販売。グループ全体で素材から加工まで垂直統合的な価値提供を行い、2025年8月期の連結営業利益率は18.4%を達成。
企業の強み
半導体製造装置の真空部品は、試作・プロセス評価に長期間を要するが一旦採用されると変更されにくい特性を持つ。精密部品事業の2025年8月期営業利益率は23.7%に達しており、参入障壁の高い高付加価値部品への集中が高収益構造を支えている。
KMアルミニウムは99.999%以上の超高純度アルミ製造能力を保有し、HBM DRAM等の先端メモリ向けスパッタリングターゲット材料を供給。自社での高純度化技術(5N0→5N5)の開発も進めており、成長市場での競争優位を有する。
エッチング・CVD装置向けESCや電極類等の消耗品は、半導体工場の稼働に連動して定期的に需要が発生する。2025年8月期は在庫調整完了に伴い消耗品受注が急回復し、前工程装置部品の回復遅れを補完。設備投資サイクルに左右されにくい安定収益源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年8月期第3四半期累計(9か月)は売上高14,022百万円(前年同期比92.9%増)、営業利益2,644百万円(同84.1%増)、経常利益2,460百万円(同85.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,431百万円(同159.7%増)と全指標で大幅増収増益。過去5期の推移(2024期:売上高4,749百万円・営業利益157百万円の底から、2025期:11,403百万円・2,104百万円へ急回復)に続き、2026期は機能材料事業のフル連結寄与と半導体製造装置市場の回復加速が重なり成長が加速。
外部要因として先端ロジックファウンダリ向け投資の継続に加え2026年以降DRAM向け投資の急拡大・NAND向け投資計画の始動・中国向け好調継続が業績を押し上げている。特別利益として補助金収入1,013百万円を計上したことも純利益の大幅増加に寄与。
減価償却方法の定率法から定額法への変更により営業利益が108百万円増加している点は留意が必要。
成長戦略
「Fusion2028」でグループ売上高250億円・営業利益56億円を目指し素材×加工の統合シナジーを追求
公募増資・第三者割当増資の手取概算額合計5,849百万円のうち2,000百万円を2028年8月までに精密部品事業の生産設備取得・投資に充当。半導体製造装置市場の拡大に対応した供給能力の拡大を図り、受注額・売上高の四半期過去最高更新を継続させる。
調達資金のうち1,500百万円を2028年8月までに機能材料事業の生産設備及び工場改修に充当。急増する半導体装置部材受注(顧客在庫調整完了後の2026年2月以降に受注が急拡大)への対応として人員確保・増産体制を整備中。ターゲット材料拡販向け新工場建設も計画。
調達資金のうち2,349百万円を2027年8月までに長期借入金の返済に充当予定。自己資本比率は2025年8月期末31.5%から2026年8月期第3四半期末44.7%へ改善済み。長期借入金残高11,859百万円の圧縮により財務健全性を高め、次の成長投資余力を確保する。
2025年4月8日実施のKMアルミニウム株式会社との企業結合について、当第3四半期連結会計期間に暫定的な会計処理を確定。顧客関連資産2,551百万円を新たに認識し、のれんを3,070百万円に確定。グループ内会計処理統一(減価償却方法の定額法統一)も完了し、統合基盤が整備された。
最終更新: 2026年7月17日

