株式会社横田製作所 logo

株式会社横田製作所

6248東証スタンダード機械

株式会社横田製作所 logo
株式会社横田製作所6248

事業内容

株式会社横田製作所は1948年創業の広島市に本社を置く業務用ポンプ・バルブ専業メーカーである。自社開発の特殊ステンレス合金鋳鋼や国際特許を有する気水分離機構を核に、発電所・製鉄・非鉄金属・半導体・食品・化学・薬品・農業用灌漑・上下水道・水族館など多方面の需要分野に製品を供給する。

開発から鋳造・加工・組立・販売までを一貫して手掛け、納入後のメンテナンス部品供給や定期点検工事サービスも展開する「水ソリューション企業」として、ニッチ市場での差別化を経営の根幹に置く。2022年4月に東京証券取引所スタンダード市場へ移行。

ビジネスモデル

顧客から個別受注を受け、開発・製造・販売を一貫して行う受注生産型モデルを基本とする。ポンプ製品・バルブ製品の新規販売に加え、既納入先へのメンテナンス用部品供給と定期点検工事サービスが安定的な収益源を形成する。

2026年3月期の部品・サービス受注残高は前期比36.8%増の233,380千円に積み上がっており、ストック型収益の厚みが増している。営業利益率は20.4%と高水準を維持する。

企業の強み

1952年開発の気水分離機構(国際特許)や1973年完成の耐食・耐摩耗特殊ステンレス合金鋳鋼など、70年超の技術蓄積を有する。これらは競合が短期間で模倣困難な自社固有の技術資産であり、ニッチ市場での相対的優位性を支える根拠となっている。

2026年3月期末の自己資本比率は84.5%、有利子負債残高はゼロ。純資産は3,118,268千円に達し、営業キャッシュフローを財源とした自己完結型の投資・株主還元を実現している。財務的自立は長期経営方針にも明記されており、構造的な強みとして機能している。

2026年3月期の営業利益率は20.4%(営業利益470百万円/売上高2,309百万円)。2024年3月期17.8%、2025年3月期20.0%と改善が続いており、差別化製品による価格決定力と少数精鋭体制によるコスト管理が高収益構造を支えている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高2,308百万円(前期比1.4%増)、営業利益470百万円(同3.2%増)と増収増益を達成したが、前期(売上11.1%増、営業利益24.9%増)と比較すると成長率は大幅に鈍化。受注高も前期比2.4%減の2,202百万円、受注残高は前期比16.3%減の575百万円と先行指標が弱含んでおり、2027年3月期予想(営業利益430百万円、同8.6%減)の減益見通しと整合する。

2026年3月期はポンプ製品売上が前期比27.9%増と好調な一方、バルブ製品は同26.3%減、部品・サービスは同10.3%減と二極化が鮮明。バルブ・部品サービスの落込みは主に官公需・電力向けの変動によるものであり、受注の年度間変動が大きい官公需依存の構造的リスクが顕在化している。

2027年3月期予想では人件費上昇等のコスト増が利益を圧迫する見通しであり、コスト管理の巧拙が焦点となる。

従業員規模が限られる中、人員増による人件費上昇(2027年3月期予想の減益要因として明示)と生産性向上の両立が経営課題。当期はソフトウエア仮勘定58百万円を本勘定42百万円へ振替完了しており、業務効率化投資の効果が次期以降の販管費・製造原価に反映されるか注目される。

また、製造原価に占める労務費比率が前期33.7%から35.6%へ上昇しており、人件費圧力の継続的なモニタリングが必要。

成長戦略

「技術力×組織力」強化でニッチ市場の優位性を深化させ、新たなニッチ市場を開拓

既存製品の改良・性能向上による差別化を継続し、官公需・電力・食品・海外等の多様な顧客基盤を維持・拡大する。2026年3月期はポンプ製品で海外・食品・鉄非鉄等への売上が拡大し、顧客分散が進んだ。

中期経営戦略として新たなニッチ市場の開拓を掲げており、技術開発力の強化を通じて既存領域外への展開を図る。具体的な新市場の開示は現時点でなく、進捗の定量的確認は今後の課題。

ソフトウエア仮勘定58百万円を当期に本勘定42百万円へ振替完了。適切な人員配置と人材育成による生産性向上を推進し、人件費上昇圧力に対応する。2027年3月期の販管費・製造原価への効果反映が注目点。

2026年3月期の年間配当は60円(前期55円から増配)、配当性向32.9%。2027年3月期も60円配当を予想(配当性向37.2%)。減益予想下でも配当水準を維持する方針を示している。

最終更新: 2026年7月19日