事業内容
株式会社日阪製作所は1942年創業、東証プライム上場の産業機械メーカーである。コア技術は「流体の熱と圧力を制御する技術」であり、プレート式熱交換器(PHE)・ブレージングプレート式熱交換器(BHE)を中心とする熱交換器事業、レトルト調理殺菌装置・無菌米飯製造プラント・医薬用滅菌装置・高温高圧染色機等を手掛けるプロセスエンジニアリング事業、ボールバルブ等を製造するバルブ事業の3セグメントで構成される。
顧客層は化学・食品・医薬・繊維・エネルギー・造船・半導体・上下水道など多岐にわたり、国内外の製造業・インフラ事業者に製品・エンジニアリングサービスを提供している。2026年3月期の連結売上高は44,890百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
主力3セグメントはいずれも受注生産型の装置・システム販売を基盤とし、納入後のメンテナンス・部品交換需要を継続的に取り込む構造を持つ。特にメンテナンス事業は安定収益源として各セグメントで拡大が進んでいる。
また、技術援助契約(南アフリカ・イタリア・ポルトガル・フランス等)を通じたロイヤルティ収入や、海外グループ会社(マレーシア・中国・タイ・中東等)を活用した現地販売・製造も収益基盤を補完している。
企業の強み
熱交換器・プロセスエンジニアリング・バルブの3事業が化学・食品・医薬・エネルギー・半導体・上下水道等の異なる産業に製品を供給しており、特定業種の設備投資サイクルへの依存度を分散している。2026年3月期は3セグメント全てで売上高が前年比増加を達成し、合計売上高44,890百万円と過去最高を記録した。
国内メンテナンス案件が各事業で好調に推移しており、安定的な繰り返し需要を形成している。海外においても東南アジア・中東に新拠点を設立し、メンテナンスサービスを強化している。前中期経営計画「G-23」においてメンテナンス事業の拡大を重点施策と位置付け、実績として取り込みを推進した。
2024年に奈良県生駒市に生駒事業所を新設し、プロセスエンジニアリング事業の生産能力を増強した。また鴻池事業所の再構築により熱交換器事業・バルブ事業の生産体制強化を進めている。2026年3月期の設備投資総額は2,863百万円であり、前中計3か年で成長投資に125億円を投じた実績がある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期売上高は44,890百万円(前期比17.0%増)と過去最高を更新。プロセスエンジニアリング事業の大口案件集中納入が主な増収要因。
営業利益3,303百万円(同12.7%増)、経常利益3,620百万円(同6.8%増)と増益を確保したが、営業利益率は7.4%と前期7.6%からわずかに低下。減価償却費・人件費等の固定費増加が利益率を圧迫した。
親会社株主帰属当期純利益は3,449百万円(同8.8%減)と減益。工場再構築・環境対策関連の特別損失890百万円が響いた。
2027年3月期は売上高44,000億円・営業利益3,300百万円・純利益2,410百万円と大口案件の反動減を見込む保守的な予想。
成長戦略
「Challenge2028」で気候変動対応・省エネ省人化需要を取り込み2028年度営業利益5,000百万円を目指す
2026年度スタートの3カ年計画で経営ビジョンを「気候変動への挑戦」と設定。環境配慮型製品・サービスの強化、事業ポートフォリオの最適化、生産性向上を3本柱とし、最終年度2028年度に営業利益5,000百万円の達成を目指す。
2024年開設の生駒事業所(奈良県)が安定稼働フェーズに移行し、プロセスエンジニアリング事業の大口案件対応力を強化。鴻池事業所の再構築も進行中で、熱交換器事業の生産体制を整備。2026年3月期の大口案件複数同時納入を実現した。
LNG関連・CO2回収プラント・電力向け海外大口案件、無菌包装米飯製造プラント・医薬向け培養プラント等の大型案件を継続的に受注・納入。国内外メンテナンス案件の積み上げにより安定収益基盤を拡充。2026年3月期は全セグメントで売上増を達成した。
全自動連続殺菌冷却装置など省エネ・省人化ニーズに対応した製品の販売が好調。東南アジア向け染色仕上機器の大口案件や二次電池・半導体向けバルブなど新規需要領域への展開を強化。海外売上比率(2026年3月期海外売上高9,510百万円、構成比21.2%)の拡大を継続的に推進。
政策保有株式の売却益を継続計上(2026年3月期1,492百万円)しながら縮減を推進。配当は2026年3月期55円(前期45円から増配)、配当性向42.2%に上昇。自己株式取得も実施(2026年3月期1,344百万円)し、株主還元を強化している。
最終更新: 2026年7月19日

