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ヤマシンフィルタ株式会社

6240東証プライム機械

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ヤマシンフィルタ株式会社6240

事業内容

ヤマシンフィルタは1956年創業のフィルタ専業メーカーで、建設機械向け油圧フィルタ(建機用フィルタ事業)とエアフィルタ事業を2本柱とする。売上高20,941百万円(2026年3月期)の約89%を建機用フィルタ事業が占め、CATERPILLAR INC.をはじめとする建機メーカーへ供給する。

フィルタの心臓部である「ろ材」を内製化し、製品設計から製造まで一貫して手掛ける。国内製造(佐賀工場)に加え、フィリピン・ベトナムに生産拠点を持ち、米国・欧州・東南アジア・中国の販売子会社を通じてグローバルに展開。

2027年3月期より機能素材事業を新規セグメントとして立ち上げ、ナノファイバー技術を機能テキスタイル・ライフサイエンス・産業資材へ応用する第三の柱の育成に着手している。

ビジネスモデル

建機用フィルタは新車搭載(OEM)と定期交換の補給品(アフターマーケット)の二重需要構造を持つ。補給品は収益性が高く、稼働台数の積み上がりとともに安定的な売上を生む。

ろ材を自社開発・内製することで顧客仕様への柔軟対応と差別化を実現し、長年の建機回路ノウハウが参入障壁を形成する。エアフィルタ事業はビル・工場・医療施設向けに幅広い製品ラインを展開し、ナノファイバー製NanoWHELPの直販体制構築で高付加価値化を進める。

企業の強み

フィルタの核心部品であるろ材の研究・開発・製造をグループ内で一貫して行い、顧客の多様な仕様に対応する独自ろ材・ろ材構造を開発できる体制を持つ。油圧ショベルの国産化と同時期からフィルタ開発を手掛けており、油圧回路の知識と長年のノウハウが競合他社との差別化に貢献している。

従来のガラス繊維を凌駕する耐久性・濾過効果・環境負荷低減を実現するナノファイバーの量産化技術を確立。建機用フィルタでは主要得意先建機メーカーへの採用が開始され、エアフィルタ(NanoWHELP)はオフィスビル・病院・工場等への採用が進展。

PFAS FREEのオイルミスト用フィルタも製品化済みであり、技術の事業化が実績として確認できる。

YAMASHIN AMERICA INC.(米国)、YAMASHIN EUROPE BRUSSELS BV(欧州)、YAMASHIN THAI LIMITED(東南アジア・インド)、YAMASHIN FILTER(SIP) INC.(中国)の4販売子会社を擁し、主要建機市場を網羅する販売体制を構築。CATERPILLAR INC.向け販売高は2,395百万円(売上高比11.4%)と主要顧客との取引実績も積み上がっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は建機用フィルタ事業が売上高18,654百万円(+6.7%)・営業利益2,713百万円(+6.2%)と堅調に拡大した一方、エアフィルタ事業は基幹システム入れ替えに伴う生産・出荷遅延とシステム運用費用増加により売上高2,286百万円(▲12.5%)・営業損失120百万円と大幅な減益となった。連結営業利益は2,592百万円(▲1.4%)、経常利益は為替差損拡大(62百万円)も加わり2,535百万円(▲5.0%)にとどまった。

エアフィルタ事業の混乱は当期内に収束したとされており、2027年3月期の回復が注目点となる。

2027年3月期の連結業績予想は売上高22,560百万円(+7.7%)・営業利益2,825百万円(+9.0%)・純利益2,005百万円(+16.7%)と回復を見込む。建機用フィルタ事業は販売数量増加と価格改定・原価改善で営業利益3,190百万円(+17.6%)を目指す。

一方、新規事業(機能素材事業)の立ち上げ先行投資として約370百万円の費用計上が見込まれており、中期的な収益貢献時期の見極めが課題。為替前提は1米ドル155円・1ユーロ180円。

2026年3月期の年間配当は18円(前期12円から増配)、配当性向73.1%、総還元性向150.1%(自己株式取得1,273百万円を含む)と株主還元は積極的。後発事象として2026年5月に上限1,000,000株・700百万円の自己株式取得も決議済み。

一方、売上高の約89%を建機用フィルタ事業が占める事業集中リスク、中東情勢長期化による建機需要減退懸念、関税影響(現時点では軽微と説明)、フィリピン生産集中リスクは引き続き注視が必要。

成長戦略

ナノファイバー技術を核に建機フィルタの高付加価値化・北米拡大と新規事業ポートフォリオの確立

AIデータセンタ需要やインフラ投資を背景に堅調な北米市場でのシェア拡大を継続推進。2027年3月期は販売価格改定と原価改善により建機用フィルタ事業の営業利益率15.8%(前期14.5%)への改善を目指す。7%ベースアップによる固定費増加を価格・原価改善で吸収する計画。

基幹システム混乱の収束を受け、オペレーション安定化と供給体制改善により既存製品の売上回復を図る。NanoWHELPの直販体制構築が着実に進展しており、欧州市場をはじめとした海外展開も視野に入れる。2027年3月期はエアフィルタ事業の黒字転換(営業利益5百万円)を目指す。

ナノファイバーの耐熱性・導電性特性を活かし、機能テキスタイル(アパレル市場への製品供給開始済み)を皮切りに、ライフサイエンス・産業資材分野への参入を目指す。大学・研究機関との共同研究開発と量産体制整備を推進。2027年3月期は先行投資として約370百万円の費用計上を見込む。

最終更新: 2026年7月19日