事業内容
株式会社ジェイ・イー・ティは、半導体製造の前工程で使用される洗浄装置の開発・設計・製造・販売を主力事業とする。前身のエス・イー・エス株式会社が持つ技術・顧客基盤を2009年に引き継ぎ、バッチ式洗浄装置(BW3700・BW3000・BW2000・BW3500)と枚葉式洗浄装置(HTS-300)を展開する。
主要顧客はSamsung Electronicsをはじめとする韓国・中国・台湾の大手半導体メーカーで、2025年12月期は韓国向け6,338百万円・中国向け6,525百万円が売上の大半を占める。米国・日本市場への新規展開も進行中であり、装置販売に加えて保守・改造・部品販売のフィールドサービス事業も手掛ける。
ビジネスモデル
受注生産方式で半導体洗浄装置を製造し、出荷時までに装置価格の90%相当を回収する前受金型の資金回収構造を採用する。装置販売に加え、納入済み装置の保守・改造・部品販売によるフィールドサービス収益を積み上げる。
韓国・台湾・中国・米国・日本に現地法人または支社を配置し、アフターサービス体制を整備することで顧客との継続的関係を維持し、次回投資の受注獲得につなげる。親会社ZEUS Co., Ltd.への販売手数料(販売価格の3〜5%)支払いを伴う販売支援委託も活用する。
企業の強み
前身のエス・イー・エス株式会社時代を含め、韓国・台湾・中国・日本・米国等の半導体メーカーへ累計1,000台以上の洗浄装置を納入。当社設立後だけでも500台超を納入しており、Samsung Electronicsには特異工程での指名採用を含め400台超を納入している。
この実績は新規顧客開拓における信頼性の裏付けとなる。
バッチ式洗浄装置は洗浄槽の構成・数量を顧客要求に応じて変更可能なカスタマイズ設計を持ち、ウエハ搬入・搬出を前後に分離する独自のF-Typeにより単位時間あたりの処理枚数を最大化できる。枚葉式HTS-300は最高240℃の高温処理機能を持ち、他社が対応しない特殊工程に採用されている。
2024年度の世界バッチ式洗浄装置市場での自社推計シェアは約8.8%。
主力市場の韓国(親会社ZEUS経由・韓国支社)、中国(Oribright Shanghai)、台湾(J.E.T. Semi-Con. International Taiwan)に加え、2023年10月設立のJET AMERICA INC.で米国市場、2024年1月から日本市場での営業を開始。5極体制でアフターサービスと新規受注獲得を一体的に推進する体制を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年12月期23,129百万円→2024年12月期19,316百万円→2025年12月期14,662百万円と3期連続で減少し、2年間で約36%縮小した。営業利益は2023年12月期1,762百万円→2024年12月期1,087百万円と低下し、2025年12月期は-1,493百万円と赤字転落。
当期純利益も-2,336百万円となった。外部要因として中国市場での成熟世代半導体向け設備投資の停滞と中国国産装置メーカーとの競合激化が主因。
加えて利益率の低い案件の計上、棚卸評価損、繰延税金資産の取り崩しが損益を大幅に悪化させた。
成長戦略
新製品BW3500・革新的枚葉式洗浄装置の拡販と米国・日本市場開拓で多角化を推進
2024年7月に販売開始したBW3500を主力市場である韓国・中国・台湾で拡販し、既存BW3000からの切り替えを促進する。中国では28nm以下の先端半導体投資に向けた提案を強化する。
日本の最先端ファウンドリ向けに革新的枚葉式洗浄装置の共同開発を最終段階まで進め、日本の世界的センサー半導体メーカーや台湾の世界的ファウンドリからも採用検討の打診を受けている。新型枚葉式洗浄装置の開発・製造に向け2025年12月期に412百万円の設備投資を実施。
2023年10月設立のJET AMERICA INC.を通じ、ガラスインターポーザー向け洗浄装置の売上を2025年12月期に690百万円計上。引き続き米国市場での新規顧客開拓を推進する。
2025年9月に新必思半導体科技(南通)有限公司へ持分比率24.0%を出資し、持分法適用関連会社とした。中国国産装置として設備投資を継続する半導体メーカーへの販売を目指す。
韓国・台湾・中国・米国・日本の5極体制を活用し、納入済み装置の保守・改造・部品販売によるフィールドサービス収益を海外でも積極的に拡大し、市況悪化時の収益安定化を図る。
最終更新: 2026年7月19日

